
死刑に関していろいろと考えさせられる物語である。
単なる死刑存続や廃止の問題ではなく、死刑の現実はこういうものなのだと示される。
死刑執行のお迎えは午前9時にやって来る。
この時間に死刑囚の舎房の扉が開かれて、足音がやってくると恐怖に怯えることになる。
自分の部屋の前で足音が止まらないでくれと必死で祈る。
死刑判決を受けても、いつ死刑が執行されるかはその日になるまで死刑囚にはわからない。
実際に刑が執行されるのは何年も後になることが多いので、死刑囚はその間、毎日恐怖に怯えて過ごすことになる。
一方、死刑を執行する側も、これは本当に嫌な仕事である。
刑務官・南郷の回想シーンは壮絶である。一度目は死刑囚の首に縄をかけ、二度目は、死刑執行のボタンを押すことになった。死刑囚の立つ踏み板を外すスイッチは3つあり、3人が同時にスイッチを押し、誰がやったかわからないようになっているとはいえ、こんな嫌な役目もないものである。(南郷の回想シーンでは合図と共に執行ボタンを押したが、刑が執行されなかった。実は、執行ボタンを押す担当の1人がボタンを押せずにいたのだった!)
その上、死刑囚が確かに死亡したことを確認しなければならないのだ。
南郷は初めて死刑執行を行って以来、毎夜、うなされ続けることになった。
さて、これは傷害致死の前科のある青年・三上と刑務官・南郷が死刑囚の冤罪を晴らそうという物語である。
問題の死刑囚・樹原亮は事件があったときの記憶を失っていた。バイク事故で重傷を負ったせいで、その前後の記憶がなかったのだ。
身に覚えがないので、被害者の遺族に謝罪も補償も行っておらず、そのため改悛の情が認められず、死刑判決を受けることになったのだった。
そして、身に覚えがないのだから、恩赦の出願もない。ということで、死刑執行起案書に判が捺されていく・・・
はたして、死刑が執行される前に、無実の証拠を見つけることができるのか? というわけだが・・・
え~~~~っ!?
そんなはずないでしょ!?
どうなってるの!?
恐るべき展開をたどるのだった。
(ちょっとだけネタバレ)
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大量にある写真データの整理が課題となっていた。
最近のデジタルカメラは画素数が大きくなったこともあり、RAWデータは一枚が20~30MBもの容量になる。昨年撮影した写真データは今年初めの時点で41.9GBもの容量があった。一部は整理していたものの、大半は未整理のまま保存していたからである。
それ以前のデータも大量にあるから、DVDにバックアップを取るにしても大量のDVDが必要になってしまう。
そこで、今年に入ってから一日100MBという目標を設定して、データを整理していくことにした。
不要な写真は削除し、単なる記録写真でRAWで保存する必要がないものはJPEG形式で保存してRAWデータを削除するという方法である。
1日100MBなので、10日で1GB、1ヶ月で3GB整理できる計算になる。
1月以降、昨年のデータを重点的に整理していった結果、昨年の写真データは現時点で36.3GBにまで容量が減った。まだまだ整理できるだろう。
しかし、実際のところ、1日100MB程度では整理が追いつかない。
山へ行くたび、新しい写真を撮るから、データはどんどん増えていくのだ。
数枚しか撮らないということもあるが、前回はあっさりと1GBを超えてしまった。
それで、さっそく前回の写真をバッサバッサと整理していった。本当は毎回こうしていれば、これほどまでにデータが増えることはなかったのだ。
とにかく、このようにその都度整理しつつ、古い写真も整理して、総容量を減らすのだ。
一年間のデータを一枚のDVDに保存できれば理想的だが、さすがにそれは無理というものか?
最近、注目すべきニュースがあった。
一つは講談社が6月から「著作者の許諾が得られたすべての新刊」を対象に、電子書籍と紙書籍の同時刊行を行うというものである。
もう一つは、角川グループがAmazonと「Kindle」向け電子書籍の配信契約を締結したというものである。ここで注目すべきは、価格決定権はAmazon側が持つということである。
これまで日本では紙の書籍はどの書店でも価格は同じだった。
電子書籍もどの電子書籍販売サイトでも同じ価格だったと思う。
しかし、AmazonではKindle用の電子書籍を他の電子書籍販売サイトよりも安い価格で売ることができるということになる。
Wikipediaを見ると、アメリカのAmazonのキンドルストアではベストセラーを他よりも安価な価格で販売しており、それも利益がまったく出ない価格設定をしているらしい。
Amazonは、世界最大のオンライン書店であるだけでなく、インターネット上では世界最大の電子商取引サイトである。ベストセラーの書籍で利益をあげなくても、他からの利益が得られればいいのだ。そして、安価な価格設定により、Kindleを売り込み、他の電子書籍リーダーを駆逐するのだ。
電子書籍が安くなるのはいいことかもしれないが、それによって他の電子書籍リーダーや電子書籍販売サイトが消滅することになるとすれば恐ろしいことである。