最高の気象条件とは言い難かった。
夕日は見えたが、槍・穂高の上に横たわる雲がもっと小さければよかったのだが・・・
それでも、この写真はお気に入りで、A4判でプリントして飾ることにした。
こういう写真も随分撮りやすくなった。
カメラをもっと上に向けて、空を大きく入れれば失敗は少ないのだが、このように空の部分が少ない構図だと、空が白く飛んでしまいがちである。
実際の見た目では、手前の槍・穂高連峰はこんなに暗くはない。
しかし、カメラで手前の山も夕日も両方ともきれいに写すことはできない。
それで、このような構図だと画面の大半を占める山の部分が見た目どおりに写した場合、空が白く飛んでしまうことになる。
ここでは、夕日を撮るのが目的なので、空が見た目どおりになるよう写すわけで、そうすると、手前の山は暗く写ってしまうことになるわけである。
そんなわけで、この写真は実際に見た夕景とは違うとも言えるが、そのかわりに見た目よりも劇的になったような気もしないでない。
デジタルカメラは撮ってすぐ確認できるから、白飛びしたら、設定を変えて撮ればよいので、うまく撮れる確率が高くなったが、それだけでなく、カメラ自体の性能もますます向上して、きれいに撮れるようになったようである。この夕日を撮る際は、白飛びの失敗もなく、あっさりと撮れてしまったのだった。