
エイザンスミレ

エイザンスミレ

ハナネコノメ
原尞さんの14年ぶりの新作「それまでの明日」が発表されたので、さっそく読んだ。1988年のデビューから30年となるが、長編小説はこれが5作目。他に短編集1冊とエッセイ集があるが、非常に寡作な作家である。長編小説も短編集も主人公はすべて私立探偵・沢崎である。チャンドラリアン(レイモンド・チャンドラーのファン)である原尞さんの小説はチャンドラーの世界を日本において再現しており、チャンドラーの小説を好きな人なら、原尞さんの小説も楽しんで読めるだろう。
チャンドラーも寡作で長編小説は7冊しかないが、こんなところも似ている原寮さんである。しかし、寡作ではあるが、はずれはない。今回もしっかり楽しませてもらった。次の作品がいつ発表されるかわからないが、気長に待つことにしよう。 
ミスミソウ

ダン・ブラウンの世界的ベストセラー、ラングドンシリーズの第5弾「オリジン」は人類の起源と運命をテーマにしている。
「われわれはどこから来たのか」そして「われわれはどこへ行くのか」
それが公表されれば、宗教の時代は終焉を迎える。
未来学者エドモンド・カーシュはそんなすごい発見をしたらしい。
ところが、世界中の注目が集まる中、発表直前にラングドンの目の前で殺害されてしまったことから、たいへんなことになる。
いったい、誰が敵で、誰が味方なのかもわからないまま事態は進展していく。
ラングドンはなんとかしてカーシュの発見を公表しようと奮闘するのだが・・・
いったい、カーシュの発見とは何なのか?
グッゲンハイム美術館やカサ・ミラ、サグラダ・ファミリアなどの世界遺産を舞台としており、様々な美術品や建造物が紹介されて、ラングドンシリーズの他の作品と同様で楽しませてくれる。
後半、なんとなく不愉快な真実が見えてきた気がして、結末にはさほど衝撃はなかったが、だからといっていいとも悪いとも言えず。いろいろ考えさせられた。
人類の運命に関しては、まったく予想だにしない解答に、なるほどとうなってしまった。
やっぱり、期待を裏切ることない作品だった。