舞台となるのは県下一の進学校である私立高校。
雪降る日に登校したら、なぜか他に人がいない。クラス委員8人だけで、他の生徒も教員も一人もいない。入ってきたときは普通に入れたのに、昇降口のドアはなぜか中から開かず外に出られない。1階の窓も開かなくて、校舎の中に閉じ込められる。
いったい、どうなっているのか?
3階建ての校舎が5階建てに変わっていたり、それにもかかわらず3階から上への階段がなかったり・・・
どうやら、ここは現実の世界ではなく、誰かの精神世界に閉じ込められてしまったらしい。そこにいる8人のうちの誰かの精神世界である。
2ヶ月前の学園祭最終日に飛び降り自殺したクラスメートが誰だか思い出せなくなっており、この自殺したクラスメートが誰なのかが問題となる。おそらく8人のうちの誰かが自殺したのではないか。
気がつくと時計はすべて5時53分で止まっていた。(学校の時計だけでなく、各自の腕時計もすべてである。)クラスメートが自殺した時間である。
時間経過のわからないまま、最初は何事もなかったが、最初の一人が姿を消したことから事態が動き始める。姿を消したクラスメートの死体を思わせるようなマネキン人形を残して。
血は流れるが、死体は出てこないので、あまりおどろおどろしくはない。姿を消したクラスメートは現実世界に戻ったものと思われた。
止まっていた時計が動き始めるが、5時53分になるたび、誰かがマネキン人形と化して消えていく。
学園祭の日に自殺したのは誰なのか?
そして、これは誰の精神世界なのか?
8人いた生徒が次第に少なくなっていく。
先が気になって、ページをめくる手を止められない。
片耳にピアスをつけていて、賭け麻雀にタバコで停学をくらっていた菅原がかっこよく、そして、アッと驚かせてくれた。
辻村深月の作品はいくつか読んだが、これはなかなか・・・だった。
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Sony Readerを使い続けたいわけ
AmazonのKindleが日本でも発売になった。
電子書籍リーダーの本命登場といったところだが、電子書籍リーダーそのものの性能を比較するなら、電子ペーパーを採用した電子書籍リーダーはどれも大差はないといってよいだろう。
Kindle Paperwhiteはフロントライトを採用して、暗いところでもきれいだが、一般的に本は明るい場所で読むものだろう。もっとも、寝転がって読む場合も画面が暗くならないのはいいかもしれないが。
外部記憶装置に対応していないといったデメリットはあるが、電子書籍販売サイトを見れば、やはりAmazon Kindleが本命であることは間違いないと言える。したがって、一般的にはAmazon Kindleを選ぶのが無難であろうし、私も次に買い替えるような時にはAmazon Kindleも考慮に入れることになるだろう。
とはいえ、できることならSonyにはがんばってもらいたいところである。
そもそも電子書籍がまだあまり出そろっていない時点でSony Readerを買ったのには理由がある。
パソコン用の電子書籍が多数手元にあったからである。
平井和正さんの「地球樹の女神」最終版はCD-ROMで発売され、「ABDUCTION」シリーズ「幻魔大戦deep」もCD-ROMで発売された。いずれも大河小説で、「地球樹の女神」は全14巻、「ABDUCTION」シリーズは全20巻などとなっている。「地球樹の女神」にはおまけというか当時の新作も収録された。数十冊分に及ぶ電子書籍がそのままSony Readerで読めるのはありがたいことだった。
Sony Readerを買ったのは平井和正さんの本を読むのが一番の目的だったのである。
Reader Storeのメリット
PDAbookなどで販売している電子書籍はDRMがかかっていないので、電子書籍リーダーを買い替えた場合でも、そのファイル形式に対応している電子書籍リーダーなら読むことができる。
一方、Reader Storeで販売している電子書籍はDRMがかかっているので、他の電子書籍リーダーに乗り換えた場合読めなくなってしまう。
だから、可能であればDRMフリーの電子書籍を購入する方が有利である。
しかし、Reader Storeで購入すればポイントがたまり、ポイントを支払に使うことができるというメリットがある。
ときどき、一部の話題作を半額で販売したり、ポイント還元のキャンペーンを行うこともある。Reader Storeを利用すればするほどポイントがたまるようになっているのである。
特に最近は他の電子書籍リーダーと競合するためか、ポイント還元キャンペーンが多くなったような気がする。
先日は、「読みたい本1,000円分プレゼントキャンペーン」というキャンペーンがあった。ポイント還元とは違った形を取ったが、1000円分のNET CASHを利用できるというものだった。有効期限が4日間となっていたので、即買う必要があったが、とにかく1000円分プレゼントというのはありがたかった。
普通はこういうキャンペーンはなかなか当たらないと思うのだが、今回のキャンペーンは抽選で1万人に当たるというもので、当たる確率はかなり高かっただろう。電子書籍リーダーはまだまだ利用者も少ないから、応募する際も「当たるかもな~」と思っていたら、やっぱり当たったのだった。
また、Android端末からReader Storeに登録したことにより、電子書籍お試しポイントとして300ポイントをもらえた。
けっこうReader Storeを利用したが、ポイント還元やら何やらと随分とサービスしてもらった。
2012年に読んだ本(とんでも編)
「バトル・ロワイアル」は中学生1クラスを無人の島へ連れて行って殺し合いをさせるというとんでもないストーリーである。金八先生の悪趣味なパロディで、坂持金発なんていうのも登場する。
極限状態の中、なんとかして生き延びようとする中学生たち。積極的にゲームに参加して殺人マシンと化す者もいれば、信用できそうな仲間と建物に籠もって隠れている者もいる。相手を信用させておいて裏切る者、知恵を絞って坂持金発たちを倒そうとする者、いろいろである。
主人公の親友は死のゲームが始まる前に殺されてしまう。そして、親友が好きだった女の子も負傷してしまう。怪我を負った状態では死のゲームで戦うことはもちろん、逃げることだって難しい。それで、主人公の少年はこの少女を守ろうとする。少女は主人公のことが好きなのだが、実は主人公は他に好きな子がいた。それでも、なんとか少女を守って逃げおおせようとする。
とんでもない設定ではあるが、なかなかよかったな~
「悪の教典」はいいんだか、悪いんだか・・・これもけっこうな長編だが一気に読んでしまった。
生徒に人気の英語教師が実はサイコパスで、学園祭の準備に集まったクラスの生徒全員を皆殺しにしようとする・・・まったくなんちゅーストーリーだろう!?
エンターテインメントとはいうものの、読後感はよくなかった。
2012年に読んだ本から
今年は11月までに100冊以上の本を読んだ。
6月頃からペースが上がったのだが、電子書籍の場合、いつでもダウンロードしてすぐに読めるため、次々に新しい本を買っていったことが大きかったのだろうか。
さて、今年読んで良かった本をちょっと紹介してみたい。
「ボックス!」は高校ボクシング部のアマチュアボクシングがテーマである。ボクシングに特段の興味がなく、よく知らない人でもすんなりと読んでいけるし、あっさりと引き込まれて行ってしまう。
天才的ボクシングセンスをもった鏑矢とトップクラスの成績だがいじめられっ子だった木樽の二人が主人公で、二人の前には強力なライバル稲村が立ちはだかる。
上下二巻の長編だが、ほとんど一気に読んでしまった。特に後半の迫力ある展開にはページをめくる手を止められないといった感じであった。
百田尚樹さんの小説は「永遠の0」や「影法師」もすごかったが、「ボックス!」もやっぱりすごかった。
「武士道シックスティーン」は高校女子剣道をテーマにした小説で、「武士道セブンティーン」、「武士道エイティーン」と続くシリーズをなしている。宮本武蔵を心に師と仰ぐ香織は敵を斬るのが目的というような怖い女子高生だが、早苗はまったく対照的でお気楽不動心の持ち主。全く対照的なこの2人が主人公である。
剣道にまったく興味がなくても、この小説はおもしろい。タイトルに「武士道」とあるように、単に青春・スポーツものの話ではない。主人公の香織も武士の仕事は相手を斬ることではなく、戦いを収めることであると身をもって学んでいく。単に強くなるのではなく、確かに成長しているな~
というわけで、このシリーズも楽しくてあっという間に読んでしまった。
電子書籍のまとめ
電子書籍販売サイトが肝心
電子書籍はいつでも家にいながらにして電子書籍を購入して読むことができる。これは大きな利点である。夜中でも思い立った時に購入してすぐに読めるのはまったく便利なことである。
電子ペーパーを採用した電子書籍リーダーは、Sony Readerのほか楽天kobo、Amazon Kindle、そしてBookLiveからLideoが発売になった。それぞれ若干の違いはあるが、基本的には同じような性能であり、購入出来る電子書籍も同じような内容である。したがって、どの電子書籍リーダーを選択しても同じように電子書籍を読むことができる。
しかし、電子書籍販売サイトの使い勝手にはかなりの差があるようである。
現状では、各電子書籍リーダーごとに専用の販売サイトが用意されており、それ以外のサイトで購入することは一部を除いてできない。
どのサイトでも同じような書籍が販売されているので、最初から買う本が決まっていて、それを買うだけならさほど問題はない。
しかし、サイトを見ながら読みたい本を探すような場合、サイトによって使い勝手に大きな差があるようである。
まだまだ電子書籍は紙の本より出版点数が少なく、読みたい本が電子書籍化されているかどうか調べなければならない。
したがって、著者名の一覧から読みたい作家の本の一覧が見られるとか、新刊本の一覧から読みたい本を探すことができるといったこともポイントとなるだろう。
紙の本なら書店で手にとって選ぶことができるが、電子書籍の場合、そうもいかないので、いかに利用しやすいサイトになっているかが、電子書籍リーダーを選択する際にも大きなポイントになるだろう。
実際、あちこちのサイトを見てみたが、現状では使い勝手がよくないと思うサイトもあるようだ。
Amazonのように読者のレビューが多数掲載されていると読んでみようかどうか考えてる際、大いに参考になる。さすが紙の書籍に関しては最大のサイトであり、電子書籍に関しても本命と言われるだけあって、よくできている。
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