電子書籍販売サイトが肝心
電子書籍はいつでも家にいながらにして電子書籍を購入して読むことができる。これは大きな利点である。夜中でも思い立った時に購入してすぐに読めるのはまったく便利なことである。
電子ペーパーを採用した電子書籍リーダーは、Sony Readerのほか楽天kobo、Amazon Kindle、そしてBookLiveからLideoが発売になった。それぞれ若干の違いはあるが、基本的には同じような性能であり、購入出来る電子書籍も同じような内容である。したがって、どの電子書籍リーダーを選択しても同じように電子書籍を読むことができる。
しかし、電子書籍販売サイトの使い勝手にはかなりの差があるようである。
現状では、各電子書籍リーダーごとに専用の販売サイトが用意されており、それ以外のサイトで購入することは一部を除いてできない。
どのサイトでも同じような書籍が販売されているので、最初から買う本が決まっていて、それを買うだけならさほど問題はない。
しかし、サイトを見ながら読みたい本を探すような場合、サイトによって使い勝手に大きな差があるようである。
まだまだ電子書籍は紙の本より出版点数が少なく、読みたい本が電子書籍化されているかどうか調べなければならない。
したがって、著者名の一覧から読みたい作家の本の一覧が見られるとか、新刊本の一覧から読みたい本を探すことができるといったこともポイントとなるだろう。
紙の本なら書店で手にとって選ぶことができるが、電子書籍の場合、そうもいかないので、いかに利用しやすいサイトになっているかが、電子書籍リーダーを選択する際にも大きなポイントになるだろう。
実際、あちこちのサイトを見てみたが、現状では使い勝手がよくないと思うサイトもあるようだ。
Amazonのように読者のレビューが多数掲載されていると読んでみようかどうか考えてる際、大いに参考になる。さすが紙の書籍に関しては最大のサイトであり、電子書籍に関しても本命と言われるだけあって、よくできている。
(前回まで)
電子書籍が普及しないと困るわけ
ベストセラーの本を読むだけなら困ることはないが、ちょっと古い本を読もうと思ったら、品切れ(絶版状態)ということは少なくない。毎月、多くの新刊本が出版されるが、書店のスペースは限られているから、同程度の本が書店から姿を消していくことになる。そして、品切れになってしまえば、入手困難となってしまう。あとは古書店を探すか、図書館で借りるといったことを考えなければならない。
その点、電子書籍は物理的な場所を取らないから、品切れの心配がない。
電子書籍の普及を望む一番の理由はこれである。
電子書籍の利点
紙の本は場所を取る。週に1冊読んだとして、1年間で50冊になり、書棚のスペースは限られているので置き場に困ることになる。その点、電子書籍は物理的な場所を取らないので、いくら読んでも困ることがない。
もちろん、愛着のある紙の本とかもある。しかし、書棚に保管していた本が何年もするとシミができていたりして確実に古くなってしまうのは寂しいことである。紙の本は年月と共に確実に古くなるのだ。紙と違って古くなることがないのも電子書籍の良いところである。
物理的な場所を取らない電子書籍は何冊も電子書籍リーダーに入れて持ち歩けるのもよい。
通常、電子書籍は紙の書籍よりも安い価格が設定されている。(電子書籍より後に文庫化されると電子書籍の方が高いというケースもあるようだが・・・)
電子書籍の欠点
電子書籍リーダーを使いこなしていないということもあるのだが、紙の本と違ってちょっと面倒な点もある。前のほうのページに書いてあったことが気になって、パラパラッとめくって確認しよう・・・といったことがやりにくい。
はじめのほうのページにある主な登場人物の一覧をちょっと確認・・・なんてことも紙の本と違って面倒くさい。
ブックマークなど電子書籍リーダーの機能を使いこなせばいいのかもしれないが、それでも紙の本の場合よりも面倒なことには変わりないだろう。
電子ペーパーか液晶か
電子書籍リーダーの画面は電子ペーパーと液晶の2種類がある。
電子ペーパーは今のところカラー表示できないから、液晶の方がきれいである。だから、カラーの画像が含まれるような書籍の場合、液晶の方が良いということになる。雑誌やマンガを読むのが目的なら液晶の方がよさそうである。
しかし、小説など基本的に活字のみでカラー表示の必要のない本を読むなら電子ペーパーの方が読みやすい。
電子ペーパーは紙と同じで見やすくて、目が疲れないのだ。
暗いところでは読めないが、屋外など明るいところではまったく問題ない。これも紙の本と同じである。
そして、バッテリーの持ちが断然よいのが利点である。
小説の場合は、速読できる人はともかく、1冊読むのに何時かもかかる。読んでる途中でバッテリー切れなどというのでは困るのだ。1回充電すれば、当分の間はバッテリー切れの心配なく読み続けられるのは電子ペーパーの大きな利点である。
電子書籍のフォーマットとDRM
電子書籍のフォーマットには、XMDF、ドットブック、EPUB、PDFなどがある。
紙の本をスキャンして電子化する(自炊)場合はPDFとなるが、PDFの場合、ページのレイアウトは固定されてしまうので、文字を拡大しようとすると、画面にページ全体が表示されなくなってしまうので、画面の小さな電子書籍リーダーには向いていない。
XMDF、ドットブック、EPUBなどの場合、画面の大きさに合わせて表示を調整するリフロー機能により、文字サイズの拡大・縮小しても読みづらくなることがない。文字サイズを大きくすれば、画面に表示される文字数が少なくなり、縮小すれば文字数が多くなるのだ。
電子書籍リーダーがこれら複数のフォーマットに対応していれば、PDF以外は読書する際にフォーマットの違いを意識することもない。
XMDF、ドットブック、EPUBの違いよりも注意すべきはDRM(デジタル著作権管理)の問題である。
電子書籍は簡単にコピーが取れるために、DRMがかかっていることが多い。専用の電子書籍リーダーでしか読めなくしているわけである。
パソコン用に販売されている電子書籍の場合は、専用のビューワーでしか読めなくなっているため、電子書籍リーダーにコピーして読むということができない。
しかし、DRMフリーで、パソコンでも電子書籍リーダーでも読める形式で販売しているサイトもある。PDAbookやビットウェイブックスなどの電子書籍販売サイトである。
電子書籍リーダーはまだまだ先が読めない。今ある電子書籍リーダーが将来ずっと生き残る保証はない。他社との販売競争に敗れて販売終了となった場合、DRMがかかっているファイルは、そのリーダーが壊れた時点で読めなくなることになる。
DRMフリーのフォーマットで販売されているなら、そちらを購入する方が安全であるが、当然、DRMフリーの電子書籍の方が数は少ない。DRMフリーファイルの販売をやめたサイトもあり、DRMフリーの販売サイトが将来にわたって存続するのかどうかもわからない。
しかし、世界的ベストセラーの「ハリー・ポッター」シリーズがDRMフリーで販売されたことにより流れが変わるかもしれない。というか、そうあってほしい。