先月、新しいSony Readerを購入した。
今まで使っていたReaderが壊れたわけではないが、新しいReaderはかなり進化したようなので、買ってしまったのである。
実際、使ってみると、本当に進化しているのがわかる。
まずは軽量コンパクト
画面は6インチだが、5インチのReaderと比べても縦に少し大きいといった程度で、大差ない。わずかに縦長なだけで、早川書房のトールサイズの文庫本と同じくらいである。
そして軽い。
別売りのブックカバーを買ったが、裏面パネルをはずしてとりつけるため、ブックカバーをつけても軽い。
ブックカバーの開閉でスリープのON/OFFが切り替わる。
バッテリーの持ちも良くなった。
従来の機種では1回の充電で1冊は読めても2冊目を読み終えるかどうかでまた充電していたが、新しいReaderはすでに8冊読んでいるが、バッテリーの表示はまだ減っていない。
昨年Amazonからフロントライトを搭載したKindle Paperwhiteが登場して、これからの電子書籍リーダーはフロントライト必須となるかと思われた。実際、フロントライトのついていない電子書籍リーダーは選択肢から除外して考える人も少ないのではないか?
それでもフロントライトをつけなかったSony Readerが受け入れられるのかちょっと疑問にも思ったのだが・・・
フロントライトがあれば暗いところでも読めるが、実際に暗い場所で読書しようと思うだろうか?
紙の本と同様、明るい場所で読むのが普通であり、それならばフロントライトは特段必要ない。
その他、他の電子書籍リーダーとの比較では、E Ink特有の画面の白黒反転が少ない。
物理ボタンがあるので、電車の中などで片手で持っていてもページめくりができる。
microSDカードを利用できる・・・などの利点がある。
電子書籍は少しずつ増えてきているのだが、まだまだ電子書籍化しない作家さんも少なくない。電子書籍化された中から読みたい本を探すのではなく、読みたい本が当たり前に電子書籍化されてほしいものである。
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軽視されている電子書籍
電子書籍の誤字
最近発表された作品では問題ないが、古い作品が電子書籍化された場合、誤字がけっこう見られたりする。
紙の本をスキャンして電子書籍化した場合で、文字が正しく認識されなかったためにおこるようである。校正が不十分だったと言える。
例えば「人間」が「人問」になっていたりして、読んですぐにわかることが多い。
電子書籍化してしまえばそれで終わり、ではなく、誤字等あれば随時修正していってほしいものである。
紙の本の場合、誤植があったからといって交換していたら、コストがかかってたいへんだが、電子書籍の場合、利用者がダウンロードするだけだから、紙の本のようなコストはかからない。
現状、電子書籍の誤字はけっこう目に付くので、きちんと修正してほしいものである。
電子書籍の価格設定
電子書籍は紙の書籍よりも少し安い価格に設定されるのが普通である。
ところが、ときどき逆転していることがある。
電子書籍が発売された後に文庫化されたような場合である。安い文庫本が発売されたら、電子書籍も値下げしてくれればいいのだが、値段据え置きというのがある。
文庫本のほうが安ければ、わざわざ高い電子書籍を買う人も少ないだろうに。
出版社は本当に電子書籍を売る気があるのか? と疑問に思ってしまう。
「その日の午後、砲台山で」
2004年に発売されたCD-ROM版の「地球樹の女神」に収録された新作。
当初は、新作というよりもおまけ的な扱いだった。
以前はパソコンで読んだものだが、Sony Readerで読めるからありがたい。
「幻魔大戦」の東三千子が「地球樹の女神」の四騎忍に助けを求めてきて、失踪中の東丈を探しに行くことになるのだが・・・
1968年1月、GENKEN箱根セミナー途中で、渡米のため東京に戻った杉村由紀のマンションに暴力団塚田組の矢頭が待ち伏せしている。その場面に四騎忍が駆けつけて杉村由紀を助けたり、「ボヘミアンガラス・ストリート」の世界では到着の遅れた大上円のかわりに四騎忍が百合川螢に会って、ホタルが四騎忍のことを好きになってしまったり・・・
平井和正ファンにとっては楽しいストーリーである。
個人的には思いがけずホタルに再会できたのがよかったな~
「地球樹の女神」
Sony Readerで「地球樹の女神」を再読している。2004年にCD-ROMで発売された「最終版」にはPDFと.bookの2つのフォーマットで収録されていたので、.bookファイルをReaderで読んでいるのである。
「地球樹の女神」は雑誌掲載時から繰り返し読んでいるが、何度読んでもすごいと思う。
大河小説であり、簡単にあらすじを説明することができないが、魅力的な登場人物が多く、それだけで楽しくなる。
主人公はヒトラーの生まれ変わりと言われる中学生・四騎忍。
ヒロインにIQ400を超え、植物と会話できる超天才少女・後藤由紀子。
その他、男装の美少女・禅鬼修羅、謎の産休代用教師・御子神真名、四騎忍の義母で武芸の達人である千枝様など主要な登場人物だけでなく、端役の鷹匠中学生徒会の鏡や横田といったキャラクターが登場するだけでも楽しくなってくる。
「野性時代」で一挙掲載、カドカワノベルズで単行本化された際、改竄が発覚して、一時中断したが、当時、第6巻まで読んだ時点では謎が謎を呼び、もはや物語を収束させることはできないのではないかと心配したが、第二部からは徳間書店に発表の舞台を移し、14巻で見事完結した。
すべての謎が明かされるわけではなく、全て終わっても謎は残るが、この小説がすごいことには変わりない。
この小説が現在、書店で手に入れることができなくなっているのは残念なことである。出版社と喧嘩して、今や平井さんの本は書店では手に入らなくなってしまった。
電子書籍にはいち早く対応し、インターネット普及前のパソコン通信の時代に「ボヘミアンガラス・ストリート」を発表し、その後も新作を電子書籍で発表してきたが、この数年は電子書籍化のペースは落ちてしまった。
今年になってKindle向けに電子書籍配信が始まったが、Sony Readerにも対応してほしいものである。
「ウォーターウォーキング2」
沢登りというと危険も伴うため気軽に初心者に勧められるものではないが、誰でも楽しめる簡単な沢歩きを紹介したガイドブック「ウォーターウォーキング」の第2集が発売になった。
さっそく書店でチェックしようと思っていたら、またまた「低山山歩」のテッちゃんからサイン本をいただいてしまった。(またまた、ありがとうございました。)
夏の暑い日、丹沢あたりの山歩きでは汗だくになってしまうが、沢歩きは涼しくて気持ちがよい。この本にあるような沢歩きなら誰でも楽しめる。初心者にお薦めの本である。