Readerが読めない.bookの存在

PDAbookで買った.book形式の電子書籍がSony Readerで読むことができなかった。 以前買ったものは読めたのに、なぜか今回は読めなかった。 Readerで読めなかったので、パソコンで読めるか確認してみたところ、T-Timeでも読むことができなかった。 ダウンロードしたファイルが壊れていたのかと思ったが、何度ダウンロードしなおしても読めなかった。 それで、T-Timeの最新版をダウンロードしてみたら、今度は読めた。 PDAbookではSony Reader対応とは謳っていないし、SonyもPDAbookで扱っている電子書籍が対応しているとは言っていない。したがって、どちらに文句を言っても、Readerへの対応は保証していないと言われそうである。 しかし、Readerが.bookに対応している以上、DRMフリーの.bookファイルは当然に読めなくては困るのだ。 どこに問題があるのかはわからない。 将来、ファームウェアのアップデートにより読めるようになるのかもしれないが、今のところ何とも言えない。 とにかく、せっかくお金を払って買った電子書籍がReaderで読めないというようなことは二度とあってはならないことである。 とりあえず、今後、PDAbookで電子書籍を買うときは.book形式ではなくXMDF形式のものを買うことにしよう。

「影法師」

影法師 (講談社文庫)ブログにはほとんど書き込みしていなかったが、今年は昨年以上にあれこれと本を読んでいる。今年に入ってすでに70冊の本を読んだようである。 今年読んだ中で特に良かった本はなんと言っても「影法師」だろう。「永遠の0」の感動を再びである。 下級武士に生まれた勘一は筆頭家老にまで上り詰めたが、頭脳明晰で剣の達人である親友の彦四郎は不遇の生涯を送る。 下級武士から筆頭家老にまでなった勘一はもちろん文武に優れた人だったが、それ以上に人並みはずれて優れていた彦四郎の生涯は「どうして?」と思うほどに不遇なものであった。 二人の運命を決定的に分けたのは、二人が命じられた上意討ちである。この上意討ちで勘一は見事相手を倒したが、彦四郎は背中を切られてしまう。傷は浅かったが、敵に背中を向けた「卑怯傷」を負ったことにより、勘一とは対照的に冷遇されることになる。 そして、不遇な最期を遂げることになるのだが・・・ しかし、なぜ彦四郎ほどの男が卑怯傷を負ったのか? その後明らかになった事実は驚くべきものだった。彦四郎という男は本当にすごい男だった。こんな人が実際にいるとは思えないぐらいにすごい。なのに、悲しいくらい不遇な生涯を送るのがやるせない。 文庫の最後についている袋とじの終章を読んだら、さらに驚いた。本当にこんな人がいるだろうか・・・ ネタバレになることは書けないから、こんな書き方しかできないが、「永遠の0」の宮部といい、彦四郎といい、なんと素晴らしい人だろう。こんな人に巡り会える百田尚樹の小説はすごいというほかない。

「丹沢の自然図鑑」

丹沢の自然図鑑 (ネイチャーガイド)ふと、本屋で見つけた新しい本。コースガイドと動植物の図鑑からなる。コースごとに、どんな動植物が見られるか書かれていて参考になる。 また、図鑑の写真は撮影日と場所が書かれているので、見たい花を探しに行く上で参考になる。 こんな花が丹沢にもあるのか!? といった花もけっこう載っているが、希少植物に関しては、当たり前のことだが、具体的な場所は書かれていない。

「13階段」

13階段 (講談社文庫)死刑に関していろいろと考えさせられる物語である。 単なる死刑存続や廃止の問題ではなく、死刑の現実はこういうものなのだと示される。 死刑執行のお迎えは午前9時にやって来る。 この時間に死刑囚の舎房の扉が開かれて、足音がやってくると恐怖に怯えることになる。 自分の部屋の前で足音が止まらないでくれと必死で祈る。 死刑判決を受けても、いつ死刑が執行されるかはその日になるまで死刑囚にはわからない。 実際に刑が執行されるのは何年も後になることが多いので、死刑囚はその間、毎日恐怖に怯えて過ごすことになる。 一方、死刑を執行する側も、これは本当に嫌な仕事である。 刑務官・南郷の回想シーンは壮絶である。一度目は死刑囚の首に縄をかけ、二度目は、死刑執行のボタンを押すことになった。死刑囚の立つ踏み板を外すスイッチは3つあり、3人が同時にスイッチを押し、誰がやったかわからないようになっているとはいえ、こんな嫌な役目もないものである。(南郷の回想シーンでは合図と共に執行ボタンを押したが、刑が執行されなかった。実は、執行ボタンを押す担当の1人がボタンを押せずにいたのだった!) その上、死刑囚が確かに死亡したことを確認しなければならないのだ。 南郷は初めて死刑執行を行って以来、毎夜、うなされ続けることになった。 さて、これは傷害致死の前科のある青年・三上と刑務官・南郷が死刑囚の冤罪を晴らそうという物語である。 問題の死刑囚・樹原亮は事件があったときの記憶を失っていた。バイク事故で重傷を負ったせいで、その前後の記憶がなかったのだ。 身に覚えがないので、被害者の遺族に謝罪も補償も行っておらず、そのため改悛の情が認められず、死刑判決を受けることになったのだった。 そして、身に覚えがないのだから、恩赦の出願もない。ということで、死刑執行起案書に判が捺されていく・・・ はたして、死刑が執行される前に、無実の証拠を見つけることができるのか? というわけだが・・・ え~~~~っ!? そんなはずないでしょ!? どうなってるの!? 恐るべき展開をたどるのだった。 (ちょっとだけネタバレ) 続きを読む

電子書籍化の進展

最近、注目すべきニュースがあった。 一つは講談社が6月から「著作者の許諾が得られたすべての新刊」を対象に、電子書籍と紙書籍の同時刊行を行うというものである。 もう一つは、角川グループがAmazonと「Kindle」向け電子書籍の配信契約を締結したというものである。ここで注目すべきは、価格決定権はAmazon側が持つということである。 これまで日本では紙の書籍はどの書店でも価格は同じだった。 電子書籍もどの電子書籍販売サイトでも同じ価格だったと思う。 しかし、AmazonではKindle用の電子書籍を他の電子書籍販売サイトよりも安い価格で売ることができるということになる。 Wikipediaを見ると、アメリカのAmazonのキンドルストアではベストセラーを他よりも安価な価格で販売しており、それも利益がまったく出ない価格設定をしているらしい。 Amazonは、世界最大のオンライン書店であるだけでなく、インターネット上では世界最大の電子商取引サイトである。ベストセラーの書籍で利益をあげなくても、他からの利益が得られればいいのだ。そして、安価な価格設定により、Kindleを売り込み、他の電子書籍リーダーを駆逐するのだ。 電子書籍が安くなるのはいいことかもしれないが、それによって他の電子書籍リーダーや電子書籍販売サイトが消滅することになるとすれば恐ろしいことである。