「Wish You Were Here」は2枚組のExperience Editionを購入した。このCDはなんといっても2枚目の未発表音源が注目である。
1974年11月~12月、ピンク・フロイドはイギリス国内でツアーを行った。コンサートの第1部は当時未発表の新曲3曲(「Shine On You Crazy Diamond」「Raving and Drooling」「You've Got to Be Crazy」)を演奏し、第2部では「Tha Dark Side of the Moon」の全曲を演奏、そして、アンコールで「Echoes」を演奏した。
「The Dark Side of the Moon」(「狂気」)のExperience Editionには、1974年のWembleyでのライブの第2部が収録されたが、「Wish You Were Here」(「炎」)のExperience Editionには第1部が収録された。
当時のピンク・フロイドは未発表の曲をライブで演奏しながら完成させていくというスタイルを取っていたので、「Shine On You Crazy Diamon」もアルバム収録の完成版とはかなり違う。アルバムでは第1部と第2部に分けられたが、1974年のライブでは2部には分けず、20分にわたって一気に演奏している。「Raving and Drooling」は1977年発表の「Animals」で「Sheep」として収録され、「You Got to Be Crazy」は同じく「Animals」で「Dogs」として収録された。
ちなみに、1973年発表の「The Dark Side of the Moon」もライブでは1年以上前から演奏されており、当然、初期のライブは完成版とはかなり異なっていた。
1974年のWembleyでのライブは第2部がBBCで放送されたことから昔から多くのブートレグが存在していたが、今回、第1部が正式にリリースされて、いい音で楽しむことができるようになったのはありがたいことである。
スタジオ録音の未発表音源も3曲収録されたが、そのうちの「Wine Glasses」は既存の楽器を使わないでアルバムを作るという'Household Objects' projectの曲で「Shine On You Crazy Diamond」の始めの部分のようである。