自然相手の台本

(ロケの相談の電話) 土曜日は午後3時に○○山に来てください。 だけど、早まるかもしれないので、2時頃までに来てほしい。 そして、翌日は朝7時に来てほしいと言う。 始発の電車に乗っていったって登れるわけがない。 小屋に泊まらなければ無理に決まってるじゃんね。 それでは、一緒に泊まってくれるかと聞かれたけれど、即答は避けた。まだ企画の概要を知らされていなかったからである。 そして送られてきた台本を見て唖然とした。 自然を相手にして、どうしてこんな台本を作れるのか不思議でならなかった。 登山道を歩いていくと、コイワザクラが咲いているのを見つけるらしい。 (私はその登山道沿いで見たことがないのだが・・・) そして、シロヤシオとトウゴクミツバツツジが咲いている。 (そのあたりの開花時期はもう少し先で、まだ咲いていないだろうに・・・) 私が秘密のスポットを案内するというのもあった。 (そのへんに、そんなスポットがあるなら、教えてほしい・・・) メールや直接会った時に、そういうのが無理だということをはっきり言ったつもりだったが、全然理解してもらえなかったらしい。 そして、自分の都合のいい台本を考えたようなのだが、そうそう都合良くいくわけもない。 それで、抗議というか、率直な意見をメールに書いて送った。 ロケを間近にして、企画どおりに私が動こうとせず、困らせるようなことばかり言って、なんだか自分が悪者になったような気がしてしまう。 そして、ロケは私なしで行うことになったというメールが来た。 ロケは金曜日にも行うということだったから、それなりに撮影できたのかもしれないが、あくまでも土・日がメインの予定であった。 今日は朝から雨で、明日も雨の予報。 やはりこの企画は山の神の祝福を受けられなかったということだろうか? 少なくとも、私に関しては「出るな」ということだったのだろう。

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