上流階級のお嬢様が集う読書会「バベルの会」にかかわる5つの事件だが、基本的に独立したストーリーである。
いかにも上流階級のお嬢様然とした文章で綴られているが、非情で残酷な登場人物たち。
文庫の帯に「ラストの1行で世界が反転」と書かれているので、最後にどんでん返しがあるものと思っていたが、どんでん返しとはちょっと違うようだ。「世界が反転」という表現はちょっと違うような気がする。しかし、いずれも衝撃的なラストが待っている。
特に「玉野五十鈴の誉れ」のラスト1行は秀逸である。
「うまいな~~~!」
「こういうオチか~~~!?」
思わずネタバレしたくなってしまうラストである。