「サクリファイス」

サクリファイス (新潮文庫)自転車競技を扱った小説である。 自転車は団体競技であり、チームのエースを勝たせるためにサポートは自分を犠牲にして働くことになる。エースはサポートを踏み台にして勝ちに行く。それでいて表彰はあくまでも個人であるのが特徴である。 エースの自転車がパンクしたら、サポートは引き返してエースのタイヤ交換を待ち、後れを取ったエースを先頭集団に追いつくように引っ張っていくといったこともあり得る。(もちろん、エースをあきらめてサポートが勝負に出るというのもありだが、どちらが勝つ可能性が大きいかによって判断するのである。) 誰だって自分が勝ちたいと思うものだが、エース以外はエースを勝たせるためにサポートに徹することになる。 さて、主人公のチームのエースは、以前、有望な若手をつぶしたという噂がある。エースの座を守るためにやったのか? その犠牲者(?)は下半身不随となって選手生命を絶たれていた。 しかし、これに関係して悪辣な罠が仕組まれる。 そして発生した重大事故。 回避不能な罠に対して最良の結果をもたらすべく取った驚くべき行動。普通の人間には絶対にできないことだが、この人は本当に自転車が好きで、チームのことも考えていたのだな・・・この事故の裏に隠された秘密に驚かされた。これは、なかなか・・・

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