Sony Readerで「地球樹の女神」を再読している。2004年にCD-ROMで発売された「最終版」にはPDFと.bookの2つのフォーマットで収録されていたので、.bookファイルをReaderで読んでいるのである。
「地球樹の女神」は雑誌掲載時から繰り返し読んでいるが、何度読んでもすごいと思う。
大河小説であり、簡単にあらすじを説明することができないが、魅力的な登場人物が多く、それだけで楽しくなる。
主人公はヒトラーの生まれ変わりと言われる中学生・四騎忍。
ヒロインにIQ400を超え、植物と会話できる超天才少女・後藤由紀子。
その他、男装の美少女・禅鬼修羅、謎の産休代用教師・御子神真名、四騎忍の義母で武芸の達人である千枝様など主要な登場人物だけでなく、端役の鷹匠中学生徒会の鏡や横田といったキャラクターが登場するだけでも楽しくなってくる。
「野性時代」で一挙掲載、カドカワノベルズで単行本化された際、改竄が発覚して、一時中断したが、当時、第6巻まで読んだ時点では謎が謎を呼び、もはや物語を収束させることはできないのではないかと心配したが、第二部からは徳間書店に発表の舞台を移し、14巻で見事完結した。
すべての謎が明かされるわけではなく、全て終わっても謎は残るが、この小説がすごいことには変わりない。
この小説が現在、書店で手に入れることができなくなっているのは残念なことである。出版社と喧嘩して、今や平井さんの本は書店では手に入らなくなってしまった。
電子書籍にはいち早く対応し、インターネット普及前のパソコン通信の時代に「ボヘミアンガラス・ストリート」を発表し、その後も新作を電子書籍で発表してきたが、この数年は電子書籍化のペースは落ちてしまった。
今年になってKindle向けに電子書籍配信が始まったが、Sony Readerにも対応してほしいものである。