不登校だった中学生がクリスマスイブの夜、校舎の屋上から落ちて死亡。遺書は見当たらなかったが、警察は自殺と判断。
ところが、年が明けてから、不良グループによる殺人だという告発書が校長らに届く。
告発書の内容は虚偽であると判断し、誰が書いたか探り当てるのだが・・・
悪意のもとにこれがテレビ局の記者に渡り、テレビで報道されてしまう。
そして、また一人が交通事故で死亡し・・・
決して責任逃れに走っていたわけでもなく、慎重に対応しようとしていたはずなのに、学校は大混乱。
いったい何が真実なのかわからず、ただただ翻弄される中学生たち。
そして、中学生たちは自らの手で真実にたどり着こうと、学校内裁判を行うことになる。
この学校内裁判がまたすごい。検事側、弁護側どちらも並の中学生じゃない。まったく、スリリングな展開をたどる。
そして、最終的にたどりついた真実に驚愕する。
文庫判で全6巻、トータル3000ページに及ぶ大作だが、読み始めるとページをめくる手が止まらなくなって、短期間で読み終えた。
第Ⅰ部ではこれでもかというほどの悪意の連鎖に収拾がつかなくなりそうで、暗澹たる気分になったものである。
すごいのは、やはり第Ⅲ部で、感情を揺さぶられ、しばしば涙が出そうになった。