2013年に読んだ本から

書こうと思いつつ書き損ねていた本をいくつか紹介。2013年ももうすぐ終わりとなるので、手短に。 楽園のカンヴァス「楽園のカンヴァス」 アンリ・ルソーの名作「夢」と同じ構図、同じタッチの絵は真作なのか贋作なのか? 真作だったら、たいへんな発見だが、贋作だったとしても実はたいへんな秘密が隠されており・・・ 美術に関する知識や興味のない人にもお勧めできる本である。 第25回山本周五郎賞受賞、第10回本屋大賞第3位というのは伊達じゃない。 陸上競技をテーマにした小説を2つ読んだ。 一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)「一瞬の風になれ」は短距離を扱ったもの。100m、200m、400mリレー(4継)といった競技だが、この小説では400mリレーがメインである。 私は長距離専門で短距離はまったくダメだが、そんなことは関係なしに楽しく読むことができた。全3巻だが、あっさりと読んでしまった。 2007年に本屋大賞、吉川英治文学新人賞を受賞。 風が強く吹いている (新潮文庫)「風が強く吹いている」は箱根駅伝をテーマにしている。 たった10人(しかも大半は陸上未経験者)で箱根駅伝に挑むというもの。 未経験者が短期間にこんなに走れるようになるなんて現実には絶対無理だが、そんな理屈はぬきにして楽しめる小説だった。 どちらも走るのが好きな人でもそうでない人でも楽しめる本である。 空中ブランコ (文春文庫)「空中ブランコ」 精神科医・伊良部を主人公とした連作短編小説。伊良部はカウンセリングを受けようと思って来た患者に、「話をしただけで治るわけない」と言ってしまうのだから、まともな医者ではない。注射が好きで、患者にはとりあえず注射するのだが、看護師マユミが注射するのを興奮しながらじっと見ているのである。子どもがそのまま大きくなったような人間で、空中ブランコ乗りが患者としてやってくれば、自分も空中ブランコをやりたいと言って実際にやってしまったり・・・ まったく笑っちゃうような話ばかりで、おもしろい。 第131回直木賞受賞作というのも驚き。直木賞は大衆小説を対象とした文学賞だからいいのか。

「殺し屋」小説

グラスホッパー (角川文庫)「グラスホッパー」 何となく読んでみたら、やたらとおもしろいではないか・・・ ナイフ使いの蝉はまあ普通の殺し屋とも言えるが、鯨は自殺専門の殺し屋で、相手を自殺に追い込むという変わり種である。自殺しないと家族に危害を加えるといった脅しをするのだが、それだけでなく、鯨に見つめられると誰もが自殺してしまうのだから、一種の超能力のようでもある。「押し屋」という殺し屋は交差点や駅のホームで後ろから押して殺すというもので、それでつかまらずにいるのだから、芸術的とでもいうのだろうか? 他にも「劇団」やら「スズメバチ」などいろいろな業者が入り乱れる。 個性的なキャラクターばかりで、なんともおもしろい。これぞ、まさしくエンターテインメント! マリアビートル (角川文庫)「マリアビートル」 「グラスホッパー」の続編。 憎たらしい狡猾な中学生の王子、やることなすことついていない七尾、機関車トーマスが好きな檸檬、文学好きな蜜柑などなど、またまた殺しを何とも思わない個性豊かな人たちが大集合。 東京駅から乗った新幹線でトランクを盗んで上野駅で下りるだけのはずが、ついていない七尾は上野で下りられず、大宮でも下りられず・・・ 東京から盛岡まで向かう東北新幹線の車内で繰り広げられる殺し(というか笑い?) こんなおもっしろい小説だったとは知らず、びっくりだった。

大室山~加入道山

大室山から加入道山へ向かう途中、富士山の眺めの良いところがある。 しかし、きれいに撮れた写真がなかったので、天気の良い日に訪れたいと思っていた。 この3連休は天気が良さそうなので、富士山の展望を期待して出かけていくことにしたのだが、新松田に着いた時点で、すでに海の方から雲が出て来ており、これは今回もダメか・・・と思ったのだが、とりあえず行ってみることにした。 玄倉からは意外にもきれいに見えていたので、もしかして大丈夫かも・・・と期待しつつ、西丹沢へ向かう。 西丹沢自然教室からまずは犬越路へ向かう。 用木沢沿いの登山道にはうっすらと積雪がある。山も白く見える。12月としては案外まとまった積雪があったようだが、はたしてどうだろう・・・ 用木沢出合から犬越路へ向かう。雪は大したことない。
用木沢

用木沢

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シンプルに大山へ

写真を整理していて、大山から富士山を撮った写真がどれもいまいちなのに気がついた。 そこで、快晴の日に大山へ行こうと思っていた。 今回はチャンスと思い、ヤビツ峠へ向かった。 菜の花台のあたりでは富士山がきれいに見えたが、すでに雲も少し出て来ており、どうかと思ったが、とりあえず行ってみることにした。 ヤビツ峠から急いで登っていく。 本坂と合流する手前で西側が開け、丹沢山塊と富士山が眺められるが、やっぱりというか、富士山にはすでに雲がかかり始めており、ガッカリである。
東丹沢の山並みと富士山

東丹沢の山並みと富士山

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西丹沢登山詳細図

西丹沢登山詳細図ー檜洞丸・大室山・畦ケ丸・大野山 全120コースー東丹沢登山詳細図に続いて西丹沢登山詳細図が発売になったので、どんなものか買ってみた。 「やっぱり」というか、随分とマイナーなルートまで記載されていた。意外にも東沢径路は記載されていなかったが、随分と変なルートまで記載されていて驚かされる。青崩隧道の工事で通行止めになっていた際に一旦河原に下りて登り返すルートなど今となっては意味がないだろう。 こういう地図が出ることによって、マイナーなルートを歩く人が増えるのがいいこととは思えないのだが・・・ ところで、玄倉林道はユーシン付近ヒル注意と書かれていた。ユーシンまでヒルが・・・というのはショックである。