あきらめムード

今年は梅雨明けが早かったが、秋の訪れも早いようだ。 ついこの前まで猛暑が続いていたが、一気に涼しくなり・・・ この後、また暑くなるとは言うものの、前線が停滞しているので、もはや夏山計画はあきらめムードである。 先週末がダメなら今週末と思っていたが、今週末も丹沢はともかく他の山域はほとんどダメである。北海道ならよさそうだが、ちょっと遠くて簡単に行けない。 しょうがない。 9月に狙いを定めていくことにしよう。 (夏の思い出)

「孤宿の人」

最近読んで良かった本。 孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)時代物というのはあまり読んだことがなかったが、読みやすい小説で、速いペースで読んでしまった。 妻子を殺し、部下を斬り捨て、鬼や悪霊のように恐れられた加賀殿が丸海藩に流されてきた。その加賀殿のもとに奉公することになった9歳の少女、ほう。(ちなみに、ほうという名は「阿呆」のほうから名付けられている。ひどい名前を付けられたものである。) 純真無垢なほうと接するうちに心を開いていく加賀殿。 多くの人が死んでしまい、悲しい話ではあったが、感動的な話だった。 ジャンルに関わらずいいものはいいし、ダメなものはダメだ。というわけで、特定のジャンル、作家にこだわらずに、良い本を求めて、あれこれと気になった本を買ってきては読んでいるのだった。

苗名滝

妙高高原駅から杉野沢行きのバスに乗り苗名滝入口で降りると、車道をしばらく歩く。途中、ほとんど人に会わず、静かなところかと思ったら、マイカー利用者が多いようで、けっこう賑わっていました。 新潟県と長野県の県境、関川にかかる苗名滝は落差が55mあり、日本の滝百選にも選ばれており、観光スポットになっていました。 滝までは遊歩道が整備されていて、大きな堰堤を登っていくと、目指す滝が見えてきます。 道が分岐して、右に行くと吊り橋があり、橋の上から滝がよく見えます。 吊り橋を渡ると、水辺から滝を見ることができますが、滝壺まではちょっと離れています。さすがに水の中に入ってまで滝壺の方に行く酔狂な人はいませんでした。 先ほどの分岐から、左手の登山道を登っていくと、正面から滝を眺めることができました。滝壺も見下ろせます。でも、こちらにやって来る人は少ないようでした。 なお、妙高高原からの直行ではないものの、妙高高原周遊バスを利用すれば、道路の終点までバスで行けるので、車道を歩く必要がありません。

「永遠の0」

永遠の0 (講談社文庫)「永遠の0(ゼロ)」の「0」は零戦のことである。 戦争は好きじゃないし、戦前の日本も好きじゃない。 なので、こういった本はほとんど読んでいなかったのだが、なんとなく読んだこの本は読んで良かったと素直に思える本だった。 この時代の軍隊で「死にたくない」などと普通なら絶対に言えなかっただろうし、ましてや戦闘機のパイロットであればいつ死ぬかもわからないのに、「妻のために死にたくない」と言った宮部久蔵。臆病者とも言われたが、その実、非常に優秀なパイロットで、さもなければ激戦の最中を生き残ることなどできるわけもなかった。 しかし、妻と娘のために生きて帰りたいと望んでいた宮部久蔵は、終戦直前に特攻で死んだ。 宮部久蔵の孫が終戦60年を前に特攻で死んだ祖父のことをかつての戦友に会って話を聞くことにより、次第にその実像が明らかになっていく。そして、最後に到達した真実に絶句・・・ 小説としておもしろいだけでなく、太平洋戦争がどんなものであったか、その実態がよくわかる点もよいところである。 零戦は開戦当初においては世界最高性能の戦闘機であり、対戦国では零戦とは空戦をしてはならないという命令が下ったというから驚きである。 また、真珠湾攻撃は、大使館職員がパーティーで夜遅くまで飲んでいたため、出勤が遅れ、宣戦布告が遅れてしまい、「だまし討ち」となってしまったとか(トホホな話である。)