以前、どこかでこの本のことを読んだ気がしたが、現物を見ることもなかったので、すっかり忘れ去っていた。(あらためて調べてみたところ、神奈川県山岳連盟のサイトに記事があったのでここで見たのだろう。)
ところが、先日、思わぬところで、この本をいただき、その内容を知ることができた。
写真家の田中茂さんが編集し、自費出版した本である。
昔の写真や資料が多数掲載されていて参考になるが、それとともに現在の荒廃した丹沢の再生への願いがこめられた本である。
古い写真はそもそも多くは残っていないだろうから、他で見たことのある写真も少なくないが、初めて見る写真も多数に登る。
昭和30年の国体登山部門が丹沢山塊で開催されることによって、登山道が整備され山小屋が建てられて、丹沢が広く知らしめられることになったが、その後のオーバーユースによって急速に荒廃していった。
昭和40年代に登山者が捨てていったゴミの山はすさまじかったようで、ゴミの持ち帰りということに関しては、現在はマナーがよくなったと言える。しかし、その後も荒廃の度合いは進んで行く一方であり、本当にこのままでは危ない。すべての登山者が意識をあらためなければ・・・