丹沢のあちこちで見られるシカよけの柵。
せっかく自然の中に行って、人工物を見るのは楽しいことではない。
しかし、シカの食害は深刻で、最近は南アルプスでも柵が設置されていたりする。
丹沢に行き始めた頃は今と比べてヤブが多かった。
以前はヤブが多かったと思っていた場所が、いつのまにかすっきりとしてしまっていたりする。すっきりしたと言えば聞こえはいいが、実際にはそんなお気楽な問題ではないようである。急速にヤブが衰退してしまったようである。
柵の中はすごいヤブなのに、外側にはヤブがまったく少ないのを見れば、シカの食害の凄さがよくわかる。
こうした柵の内側で希少植物が見つかっているという話も聞く。確かに、あれだけヤブがあるのだから、珍しい花が咲いていても不思議でない。けっこうシカに食べられてしまう花もあると聞くが、柵の中で復活していたりするのだろう。
そう思うと、シカよけの柵もなんだかありがたく思えてくる。
ヤブがなくなって、登山道があろうがなかろうが、どこでもかまわず歩くたちがいるといったことも聞く。以前のヤブが多かったときには歩く人などなかっただろうに・・・
ヤブが戻れば、そういう人も少なくなるだろうか。
とにもかくにもシカ柵は今後さらに増えていくのだろうが、はたして本来の姿に戻すことができるのだろうか。
人間はまことに勝手なものです。少なくしたのも、増やしたのも我々人間です。
そんな中で、シカ柵は苦肉の策ですが名案だったと思います。
この山へ行くようになって50年近くなりました。すこしばかりこの山の味わいがわかってきました。
よく何を見たの、何だのかんだのと、秘密だと言いながら画像を掲載している人がいます。なんと無神経な!!
本当の山好きは、画像など掲載しないし、言いません。
最近少しずつですが、山を回復させる気運が高まってきたことはよかったと思っています。
丹沢はとてもいい山です。
かつては平野部に生息していたシカが山に追いやられ、山には柵が設置され・・・
なかなかむずかしい問題ではあります。
希少植物を見つけたからといって、安易に写真を掲載してほしくないと思いますが、私もあまり人のことを言えないか・・・