檜洞(沢)にはかつては沢沿いに登山道があったらしい。
登山道が消失した後もガイドブックには檜洞丸への古典的登路として紹介されていた。
難しい滝登りはなく、沢登りというより沢歩きではあるが、好きなコースである。
「ウォーターウォーキング」という本でも超お勧めのコースとして紹介されている。
青崩隧道がしばらく不通になっていたこともあって、随分とご無沙汰してしまったが、久しぶりに檜洞を遡行することにした。
玄倉からユーシンまでが長い。
檜洞も流程が長く、稜線に上がるまでけっこう時間がかかるので、あまりのんびりもしていられない。本当はのんびり一泊二日で行きたいところである。
玄倉林道ではあちこちでヤマユリが咲いていた。
玄倉→ユーシン→檜洞→金山谷乗越→檜洞丸→西丹沢
湧き水で喉を潤してからユーシンロッジへ向かう。のんびりしている時間はないので、さっさとユーシンロッジ裏手の道に入る。
久しぶりだったこともあり、前回の記憶も薄れていて、うっかり早めに沢に下りてしまった。間違いに気がついたが、しかたがない。倒木を越えて、釜の手前まで行って写真を撮ることにした。青々とした水をたたえた釜のある滝は以前とは流れが変わっていた。以前は横向に流れ落ちていたのが、正面全体から流れ落ちていた。
写真だけ撮って、斜面を登ると、踏み跡があったので、これをたどっていく。これも本来歩くべきルートではなかった。とはいえ、早めに沢に入った分、ちょっと余計に沢歩きを楽しむことができたので、良しとしよう。
檜洞は水量豊富で釜やナメや小滝も多いが、とりわけ多いのは白い巨岩だろうか。
ともかく、通過困難な所はあまりないので、深みに入らないようにしながら、とにかく歩きやすいところを歩いていく。
やがて、釜を持った5m滝にたどり着いた。
パッと見、記憶にあるよりも小さいと思ったが、よくよく見れば、こんなものか。
釜は青々とした水をたたえて、相当深いようである。
左の岩場が登れるが、見た目よりも悪いらしいし、左から巻いていく。
次は巨岩が横たわり、左がナメ滝になっている。
(こんなところあったっけか?)
写真に撮ったことがなかったから、記憶に残っていない。
しかし、その先に広い釜が現れると、こちらは良く覚えている。
ナメ滝の上はちょっと吹割風の滝である。
この上で二俣になる。右から入ってくるのがユーシン沢である。
左の檜洞を進むと、3mほどの滝がある。
その上はきれいなナメ滝が続く。小さな釜があるが、水は青くて案外深い。
このあたり、けっこう好きなところである。
さらに進んで行くと、巨岩が多くなってくる。
巨岩帯を行く。
この沢はほとんど難しいところはないが、1箇所だけ、左端の岩を登るところがあった。ロープがセットされていて助かるが、これも記憶に残っていないところだった。(単に忘れただけか?)
やがて、見覚えのあるきれいな滝が現れた。魚止ノ滝の最下段である。パッと見、記憶にあるより小さく感じたが、大滝ではないのだから、こんなものだろう。滝を見ながらちょっと休憩。
左から越えると、上にはナメ滝が3段続いている。
上部は右から巻いていく。
沢はまだまだ長いが、これから先は次第に落ち着いてくる。
ゴーロ状になり、左から下駄小屋沢が入ってくる。
沢は左に曲がっていき、また二俣。左の経角沢が本流のようだが、右の金山沢(古いヤマケイアルペンガイドでは乗越沢と記載)に入る。
経角沢でもいいらしいが、ガイドブックで紹介しているのは金山沢だし、過去数回歩いていてわかりやすい。時間的な余裕もないので、金山沢に入る。
金山沢に入って驚いたのは倒木の多さである。なんとか通行できたが、すさまじい倒木だった。
金山沢もいくつか支沢が入るが、右へ右へと登っていけばいいのでわかりやすい。最後に金山谷乗越の木道が見えてきて、木道が一番下がったところにたどり着く。この沢の詰めはヤブもなく、すっきりとわかりやすい。
登山道に出たところで時間を確認。なんとか3時前に金山谷乗越にたどり着いた。
とはいえ、まだまだ急がなければならない。
(最終の18時58分では遅すぎるので、17時05分発のバスに乗るのだ。)
大汗かきながら、檜洞丸へ登っていく。
なんとか3時半前にたどり着いたので、青ヶ岳山荘によってジュースを買った。
1時間半あれば下山できるだろう・・・
ツツジ新道を下っていくと、ゴロゴロと雷が鳴り始めた。(やばい・・・)
急いで下っていく。
ゴーラ沢出合に下りたら、雨になっていた。
水平道で、さらに急ぐ。
一時は本降りになった。
が、登山口から道路に出たときには、ほとんど雨は上がっていた。
西丹沢自然教室でシャツを着替えていると、バスがやって来た。