奥穂高岳・前穂高岳

日付 :2004/08/02(3日目)
コース:穂高岳山荘→奥穂高岳→前穂高岳→岳沢ヒュッテ→上高地

 3日目、午前3時頃から、ガサガサと出発の準備を始める人たちの音で目が覚める。しかし、もうしばらく、待機。4時になったところで、行動開始。小屋の外はけっこう風が強いようで、風の音が中まで聞こえてくる。
 山登りには十分な食事が必要だ。空腹な状態では、簡単にバテてしまう。朝食はお弁当を用意してもらったのだが、これを山頂で食べようなどとは考えない。出発前に小屋で食べる。

 4時30分、穂高岳山荘を出発。時間的に、山頂で御来光を見るのは無理だが、どこか途中でいい場所を見つけることにしよう。4時半ともなると、すでにヘッドランプを点灯する必要のない明るさだった。けっこう風が吹いていたが、前回の白馬のような強風ではなかった。
 穂高岳山荘からいきなりハシゴのついた急登である。昨日のコースに勝るとも劣らない険しい岩稜といったら言い過ぎかな。険しい登りは最初だけで、あとはわりと普通の登山道だけど、おっと、ここからは御来光が見えない。日の出の時間にはまだ十分あるから、もっと上に登らなければ。というわけで、東側がよく見えるところまで登っていって、日の出を待つ。
 4時50分過ぎ、常念岳の右に太陽が姿を現した。今日も快晴で、素晴らしい展望が約束されているようだった。

御来光
御来光(左下は常念岳)

 御来光を見た後、山頂へ向かうが、山頂まではたいした距離ではなかったようで、5時2分、奥穂高岳山頂に到着。
 奥穂高岳の山頂からは360度の素晴らしい展望。槍、北穂、遠く鹿島槍、白馬、裏銀座の山々、東に常念、西に笠ヶ岳、南西に焼岳、乗鞍、御嶽、南東には八ヶ岳に南アルプス、そして南アルプスの左には遠く富士山も見えた。しかし、一番気になるのは間近に見えるジャンダルム。案外、奥穂から西穂へ向かう人たちはいるものだ。昨日見た人たちのようにヘルメットやザイルなど持っていないようだ。50〜60歳台とおぼしきおじさん、おばさんたちの集団も西穂に向かうのを見て、思わずついていきたくなる気持ちを抑える。(ジャンダルムの手前に見える難所の馬ノ背は、けっこう怖そうに見える。)

ジャンダルム
夜明けのジャンダルム
槍ヶ岳方面の眺め
槍ヶ岳の眺め(奥穂高岳から)

 5時32分、奥穂高岳を出発。予定どおり、前穂高岳へ向かう。
 前穂高岳への道も事故が多いというから油断せずに進む。
 途中で、またまた雷鳥に遭遇。今回はこれで2回目。会うときは案外会うものである。
 6時27分、紀美子平に到着。前穂高岳へ向かう。これまた岩場の登りである。
 6時50分、前穂高岳に到着。どうやら本日一番乗りだったようで、山頂には誰もおらず。ここからの眺めもまた素晴らしかったが、何と言っても間近に見える奥穂高岳がよい。

奥穂高岳
奥穂高岳(前穂高岳から)
富士山遠望
南アルプスの左に、遠く富士山も見えた
焼岳、乗鞍岳、御嶽山
焼岳、乗鞍岳、御嶽山の眺め(前穂高岳)

 朝は、寒さ対策でTシャツの上にジャージと雨具を着ていたが、もう寒くはないので、Tシャツ一枚になる。
 7時3分、前穂高岳を出発。岩場を下っていくと、ポツポツと他の登山者に会う。
 7時24分、紀美子平に到着。ここから、いきなりクサリのついた下りである。それまで歩いてきたコースを考えれば、とりたてて難所というほどでもないが、油断せず確実に下りていく。

奥穂高岳
雷鳥広場から見上げる

 奥穂高岳〜西穂高岳の稜線を眺めながら、下っていく。途中、ところどころで写真を撮っていくが、残りの撮影可能枚数がどんどん少なくなっていく。512MBのコンパクトフラッシュに69枚ぐらい(JPEGじゃなくて、RAWだよ)撮影でき、今回は2枚用意していったのだが、2泊3日だとちょっと足りないようだ。もちろん、天気が悪ければ、1枚で足りてしまうのだけど。そんなわけで、残りを気にしながら写真を撮っていく。
 8時52分、岳沢ヒュッテに到着。
 しばらく下っていくと、風穴があった。岳沢名物の天然クーラーということで、本当に岩の間から冷気が吹き出していていた。さらに下っていき、沢の水が湧き出したあたりで、顔を洗う。沢沿いに下っていくと、やがて上高地自然探勝路に出て、一般の観光客が多くなる。河童橋あたりまで行くと、穂高連峰がはるか上方に眺められる。

穂高連峰と梓川
河童橋付近から穂高連峰を仰ぐ

 10時19分、上高地バスターミナルに到着。
 11時20分のバスに乗ることにして、しばらく休憩。
 一般の観光客に混ざって、梓川のほとりをぶらつく。
 あの山に登ってきたんだよねー、よかったなー、といった感じで、ボヘーッと穂高を眺めていた。

 この3日間、本当に充実した山歩きができたなー。って、普通なら3泊4日のコースだから充実していて当たり前か。これだけ充実してしまうと、次はどこへ行こう? などと考えられなくなってしまう。8月の後半に、またどこかへ行きたいと思っていたけど、今のところ、まったくの白紙である。どこへ行こうとも、今回の山行を上回るような内容は期待できないだろう。どこかへ行きたいという思いが熟すまで、しばらくは一泊以上の山行はなしだね。(つまり、いつもの丹沢はありってわけだ。)

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