表銀座縦走

日付 :2004/07/31(1日目)
コース:中房温泉→燕山荘→大天井ヒュッテ→ヒュッテ西岳→槍ヶ岳

 夜行のムーンライト信州81号の穂高駅到着は午前4時51分。到着前にムーンライト信州号から外を見ると、東の空は晴れていたが、西のほうはくもっていた。
 駅前には中房温泉行きのバスが待っていたが、相乗りでタクシーを利用。同乗者も槍ヶ岳へ行くということだったが、今日は燕山荘泊まりとか。タクシー運転手が大天井までは行けるでしょうとか話している。お天気次第ではあるが、悪くても西岳までは行っておきたかった私は、今日の目的地がヒュッテ大槍だなどということはもちろん黙っていた。そんなことを言えば、何と思われるかわかったものではないのである。
 登山口で朝食を済ませると、午前6時ちょうど登山開始。
 アミノバイタルを飲み忘れていたので、第1ベンチで飲む。長いコースを歩くときにはたいがい飲むようにしているが、実際、これを飲むと疲れが残らないようにも感じられるので、ここぞというところでは飲むようにしているのだ。
 それはさておき、合戦尾根は第1ベンチ、第2ベンチ、第3ベンチ、富士見ベンチと次々にベンチが現れる。今回は2回目ということで様子もわかっているから、休憩せずにさっさと登る。前半は晴れていたが、富士見ベンチあたりまで登るとガスの中にはいってしまい、ちょっと薄暗くなってきて、雨が心配される。
 3年前に訪れたとき、合戦小屋まで1時間半で登っていたので、今回も同様の時間を想定していたが、7時17分に合戦小屋に到着。休憩せずにそのまま燕山荘を目指す。
 7時54分、燕山荘に到着。ガスがかかっていて、燕岳は見えず。燕岳は一度登っているので、今回は山頂には登らず。今日の行程は長いので、寄り道してる余裕はないのだ。裏銀座のほうは上の方にまだ雲がかかっていたが、わりと期待できそうな眺めだった。3年前に訪れたときも思ったことだが、あの裏銀座の山並みを全部縦走したらおもしろいだろうなぁと思った。本当は、表銀座よりも裏銀座のほうが行きたかったのだが、登山口までのアプローチの問題で、表銀座にしたのだった。ただし、裏銀座だと槍までで3泊だが、表銀座なら3泊で穂高まで行けるということで、表銀座+槍・穂高というコース設定にしたのだった。(実際には、夜行2泊3日で予備日を1日としてしまったのだが。)
 燕山荘から表銀座縦走路になるが、しばらくは平坦な道を進んでいくことになるので、燕山荘で休憩を取らずに、そのまま先へ進んだ。歩くペースを落として、ゆったりとしたペースで歩いていったので、まあ、休憩しながら歩いているようなものだ。あちこちでコマクサが咲いていたので、写真を撮っていった。

コマクサ
コマクサ

 途中、雷鳥(3羽)に遭遇。親子だろうが、前回の白馬のときのようなちっこい雛ではなかった。

雷鳥
雷鳥

 大天井岳の手前で常念岳方面との分岐となる。常念岳へ向かうおばさんに「行ってらっしゃい」と言われ、手を振って別れる。縦走路は、大天井岳の西側を巻いて行く。
 10時1分、大天井ヒュッテに到着。ここでようやく少し休憩。10時5分、出発。ここから西岳までも案外アップダウンがあるようだが、ピークはたいがい巻いてしまうから、それほどきつくもない。
 最初は全然見えなかった槍ヶ岳だが、北鎌尾根のほうから次第に見えてきた。槍の穂先だけはなかなか雲が取れなかったが、晴れてしまうのも時間の問題だったようである。

槍ヶ岳
最初は雲に隠れていた槍ヶ岳も次第に全貌をあらわしていった

 11時32分、ヒュッテ西岳に到着。西岳も山頂には登らない。ここで昼食にする。時間的にもまだ早いし、予定どおりヒュッテ大槍まで行けそうである。11時42分、出発。東鎌尾根を進むうちに、すっかり晴れて、槍ヶ岳を眺めながら歩いていった。

槍ヶ岳
少しずつ槍に近づいていく

 12時19分、水俣乗越に到着。このあたりまではよかったが、この後、次第に疲れが出てきた。
 本日の目標地点、ヒュッテ大槍に到着。けっこう疲れてきていたし、ここまで来れば、今日はもういいや、と思ったけれど、時計を見れば、まだ1時31分。時間もまだまだ十分あるし、槍ヶ岳山荘もはっきり見えている。ええい、行ってしまえ! というわけで、3分ほど休憩して、出発。
 槍ヶ岳山荘が見えているとはいっても、まだまだ高度差はあるし、けっこう距離があるわけで、そう簡単にたどり着けるわけもなく。でも、時間は十分あるんだし、ゆっくりでいいから、とにかく一歩一歩、歩いていこう。
 2時15分、槍ヶ岳山荘に到着。

 槍ヶ岳山荘で受付を済ませた後、山頂まで往復することにした。槍の穂先へは行列ができている。下りてくる人とのすれ違いもあるし、山頂はそれほど広くなくて、みんないっぺんに登ってしまったら溢れてしまうから、上から人が下りてくるのを待たなければならない。クサリやハシゴに慣れていない人もいるから、けっこう上り下りに時間がかかる。「あこがれの槍」なのだから、慣れない人の歩きが遅くたって不満に思っちゃいけない。でも、山頂までの往復にはかなりの時間がかかるから、もし槍を一日の行程の中程に入れたりすれば、やたらと時間を取られてしまいそうではある。ヒュッテ大槍泊まりでなく、一気に槍ヶ岳まで行ってしまったおかげで、2日目の行程がかなり楽になったことは確かなようである。

槍の穂先
槍の穂先

 夕食の際、同席した人とちょっと話をしたら、大キレットでは、今年、長谷川ピークや南岳で死亡事故が起きたとか。それを聞いて、予定変更などということはないが、十分に注意して行かなくては。ちなみに、その話をした人も穂高へ向かうということだった。
 槍ヶ岳山荘では、5畳ぐらいのスペースに3人しかいなかったので、窮屈な思いをすることもなく寝ることができた。前夜は夜行電車だったし、中房温泉から一気に登ってきてしまったこともあり、ぐっすり眠ることができた。

2日目につづく

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