黒部五郎小舎から笠ヶ岳

日付 :2009/08/09
コース:黒部五郎小舎→三俣蓮華岳→双六岳→弓折岳→抜戸岳→笠ヶ岳

 4時半から朝食。そして、5時過ぎに出発ということにしたのだが、今日もやっぱり雨が降ったりやんだりという天気だった。
 出発時、小雨がポツポツ降っていたので、ザックカバーを付けていくことにした。でも、大したことなさそうだし、すぐにやむかもと思い、カッパは着ないでスタート。
 まずは樹林帯を登っていく。が、やっぱりカッパが必要と感じて、カッパを着ていくことにした。
 樹林帯を抜けると展望が広がる。くもっていたが、周辺の山は眺められ、まずまずの眺めである。振り返れば、黒部五郎岳のカールが見え、その右手には薬師岳が見えた。また、右手には今日の目的地である笠ヶ岳も遠くに見えた。

黒部五郎岳
黒部五郎岳
右奥に笠ヶ岳
右奥に笠ヶ岳

 三俣山荘への分岐でカッパを脱いで、ちょっと休憩。
 そして、三俣蓮華岳の山頂へ向かう。
 三俣蓮華岳に登るのは4年ぶりとなるが、やっぱりここからの眺めは素晴らしい。懐かしの鷲羽岳に水晶岳の眺め。そして、ここからは槍・穂高連峰も眺められ、大展望の山頂である。

水晶岳、鷲羽岳
水晶岳、鷲羽岳
槍・穂高連峰
槍・穂高連峰

 三俣蓮華岳には裏銀座を縦走してきた人たちも多いので、登山者の姿が一気に多くなった。
 相変わらずの曇り空だが、眺めは良く、楽しい稜線歩きが続く。
 前回、双六岳に着いたときは槍ヶ岳はガスに隠されてしまったが、今回は双六岳からも槍・穂高連峰が眺められた。しかし、双六岳に着いた途端に、またもポツポツと雨が降ってきて、やっぱりカッパを着ることになった。

槍・穂高連峰
槍・穂高連峰

 双六岳からの下りはしばらくはなだからな道を槍へ向かって歩いていく。
 その後、急坂を下っていって、双六小屋に着いたところで、ジュースを買って休憩した。
 双六小屋から笠ヶ岳へ向かう。
 天気のほうは相変わらずで、小雨が降ったりやんだりで、カッパを着たり脱いだりだった。ザックカバーは付けたままにしたが、カッパを着て歩いているとどうしても暑くなってくるので、雨がやむと脱ぎたくなる。しかし、何度も着たり脱いだりするのは面倒だから、束の間やんでいるだけなら着たままのほうがいい。でも、やんでいるのが束の間なのか、降っているのが束の間なのかを判断することはむずかしい。それで、しばらく降り続きそうだと思えばカッパを着るし、しばらくは大丈夫と思えば脱ぐことにするのだが、天気のほうも気まぐれで、カッパを脱げば狙い澄ましたようにまた降ってくるし、それではとカッパを着れば、またまたやんでしまう、そんなことの繰り返しとなるのだった。

槍ヶ岳
槍ヶ岳(双六小屋〜弓折岳)
雪田と槍ヶ岳
雪田と槍ヶ岳(双六小屋〜弓折岳)

 鏡平への分岐を過ぎ、弓折岳を過ぎても笠ヶ岳まではまだまだ長い。
 大ノマ乗越へ下った後、大ノマ岳へと登り返す。縦走路は大ノマ岳のピークを巻いていくが、山頂までほんのわずかなので、一応寄っていく。

大ノマ岳付近から眺め
大ノマ岳付近からの眺め
秩父平手前からの眺め
秩父平手前からの眺め

 大ノマ岳から秩父平へ下って、秩父平からまた登りになる。
 このあたりまではまだよかったが、その先、標高の高いところはガスがかかっていて、展望を期待できそうもなかった。
 縦走路は抜戸岳を巻いていくようだが、どの辺だろう? もう過ぎてしまったかなんて思いながら歩いていったら、抜戸岳への分岐を示す手書きの道標があった。大石ガラガラの急斜面を登っていくが、登っていくにつれ登山道らしくなくなってくる。もともと整備された道があるわけでなく、左に進路を変えていくと、やがて山頂に到着。
 抜戸岳には先行者が一人いた。話を聞けば、来年70歳になるので、今年が最後のつもりで来たということだった。この十数年で全国の山を登ったそうだが、膝を痛めていることもあって、今年が最後と決めているとのこと。まだまだ登れそうだし、もったいないような気もするが、天晴れとも思える、そんな人だった。
 抜戸岳からは来た道を引き返すのではなく、稜線に沿って歩いていった。笠新道分岐から案外明瞭な踏み跡があったのだ。
 抜戸岳から先、ガスの中を淡々と歩いていった。雷鳥に会ったりもしたが、やはりガスに包まれて展望がきかないのは残念である。
 笠ヶ岳のキャンプ地を過ぎ、山小屋はすぐかと思うが、なかなか見えてこない。それほど遠いわけでもないが、山小屋が目の前に見えたときはホッとした。
 当初は、とにかく笠ヶ岳の山頂に登ってから、山小屋に入るつもりだったが、お腹が空いていたので、山頂に登る前に笠ヶ岳山荘に入って、受付を済ませることにした。しかし、このあと山頂に登るので、雨具(ズボンのみ)ははいたままである。(ズボンははいたり脱いだりするのが面倒なので、はいたままにしていたのだ。上着は厚くなると脱いで手に持っていったりしたのだった。)
 お腹が空いたので、何か食べたいと思いながら受付のほうにいくと、「ラーメンもありますよ〜」と言われて、ラーメンを食べることにした。なかなか美味しかった。
 昼食後、一応カメラを持って山頂へ向かった。
 山頂もガスの中で写真に撮るべきものもなかったが、束の間ガスが晴れて穂高方面が見えた。しかし、写真を撮ろうとしているうちに再びガスがかかってしまったのだった。

笠ヶ岳山頂
笠ヶ岳山頂

 笠ヶ岳山荘での夕食は1回目だった。
 1回目の夕食は4時半から。早いな〜と思ったいたら、もっと早く準備ができたということで、やたらと早い夕食になってしまった。

 実は、双六小屋の前でも見かけていたのだが、知り合いと思しき人が同じ山小屋のしかも私と同じ部屋に来た。山に入って何日も風呂にも入らず、髭も剃らなかったりすれば、みすぼらしく見えることもある。(失礼!)で、最初見かけたときは、他人の空似かもしれないと思った。相手方も私を認識した様子はなかったからだ。知り合いと言っても、実に18年も前に同じ職場にいたというだけで、おそらく10年以上会うことはなかっただろうから、顔は覚えていても名前を思い出せない。(必死に考えて、なんとか思い出したが。)相手方も単独だったのだが、布団を敷くときに話す声を聞いて、間違いないと確信して、声をかけてみた。十数年ぶりの再会だった。登山者の多い北アルプスとはいえ、これで今回知り合いに会うのは2人目。こんなこともあるものである。
 以前は知らなかったが、ここで再会したTさんは登山歴40年とかで、かつて五郎のカールでテントを張ったというのもこの人から聞いた話である。また、槍ヶ岳が池に映ることで知られている氷河公園でもかつてテントを張って、槍のてっぺんに朝日が差し、池に映った槍も同時に明るくなっていくのを眺めたという話も聞いた。なんともうらやましい話である。

 雨が続いた今回の山行。
 最終日は下山するだけだが、それでも気になる天気。
 明日こそ晴れるかと思いきや、思いっきり雨の予報。それも、なんと台風が接近しているというから驚きである。
 よほどの雨男か雨女が山に入っているのだろうか?
 それとも、私の日頃の行いが悪いからなのか?
 いずれにしても、そんな個人的なせいで晴れマークが並んでいた週間予報がことごとくはずれて雨になったとわかったら、この期間に入山していた登山者の誰もが納得しかねることだろう。

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黒部五郎小舎(5:10)→三俣蓮華岳(6:38-6:44)→双六岳(7:31-7:35)→双六小屋(8:13-8:23)→大ノマ乗越(9:36)→秩父平(10:40)→抜戸岳(11:45-11:51)→笠ヶ岳山荘(13:05-13:30)→笠ヶ岳(13:43-14:20)→笠ヶ岳山荘(14:31)

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