キレット小屋から夕日は見えるが、日の出は見えない。だから、早起きしても特にすることがない。
5時から朝食で、食事が済めば出発の準備をする。
5時26分、キレット小屋を出発。
6年前に訪れた時、八峰キレットは案外あっけなく通過したという記憶があるが、いきなりハシゴの登りから始まり、クサリのついた岩場のトラバースが続く。
クサリ場が続くとはいえ、不帰嶮ほどの難所ではない。それでも、振り返って、後からやって来る人を見れば、なかなかすごいところを歩いている。見た目ほど怖いところではないが、切り立った岩場につけられた登山道を歩いていく。
ハシゴを下ると、いよいよ核心部。右手にクサリのついた岩場を歩いていくが、足場はしっかりしているし、問題ない。左は切れ落ちているが、草付きでもあり、さほど恐怖感はないところである。
ハシゴを下って黒部側にまわると、切り立った岩の間に剱岳が見えた。
八峰キレットを通過すると、鹿島槍ヶ岳への急な登りとなる。
ぐんぐんと登っていき、やがて鹿島槍ヶ岳の山頂が見えてくると、もう少しだ。
北峰直下で分岐となり、左手に登っていけば鹿島槍ヶ岳北峰である。(6時24分到着)
南峰のほうが高いし、広い。そのせいか、北峰に登ってもすぐ下りてしまう人が多いようで、静かな山頂である。
北峰からは五竜岳からの稜線を見下ろすことができ、キレット小屋も真下に見下ろすことができた。その他、槍・穂高や八ヶ岳、富士山、南アルプスなど多くの山を眺められた。
6時30分、北峰を出発。吊尾根を南峰に向かう。
左手に雪田を見ながら、吊尾根を歩いて、6時54分、南峰に到着。こちらはけっこうにぎわっており、冷池山荘のほうからさらに続々と登山者がやって来た。
ここでも360度の展望を楽しんだ。
7時4分、鹿島槍ヶ岳を出発。
ここからはもうひたすら歩きやすい登山道を歩いていくだけである。
7時23分、布引山で荷物を下ろして、写真を撮る。7時26分、出発。
布引山からさらに下っていくと、やがて樹林帯に入る。
テント場を過ぎると、やがて冷池山荘が見えてくる。
7時58分、冷池山荘に到着。そのまま先へ進む。
冷池山荘からさらに冷乗越まで下ると、登りに変わる。
今日はキレット小屋から鹿島槍ヶ岳に登っただけだから、まだまだ余裕と言いたいところだが、3日目ということで、さすがに疲れもたまってきたのか、登りに変わった時はきつかった。しかし、これが最後の登りだし、時間的に余裕もあったので、あせることもなかった。
爺ヶ岳の北峰は西側を巻いていき、鞍部から中峰へ登る。
8時50分、爺ヶ岳中峰に到着。ここでまた360度の展望を楽しんだ。
8時55分、爺ヶ岳中峰を出発。爺ヶ岳は中峰も南峰も巻道があるので、扇沢〜鹿島槍ヶ岳の往復の人などは巻道を歩く人も多いのかもしれないが、白馬岳から縦走してきたなら、当然各ピークを踏んでいくしかない。
南峰に登り返すところにコマクサの群生地があったので、ちょっとしゃがみ込んでコマクサを見た。
そして、9時9分、爺ヶ岳南峰に到着。これが最後のピークということで、展望を楽しんだ。
9時15分、爺ヶ岳南峰を出発。前方に立山〜剱岳を眺めながら、種池山荘を目指して下っていく。
種池山荘の少し手前で振り返ってみれば、爺ヶ岳への稜線は天狗ノ頭から鹿島槍ヶ岳までの険しい稜線とは対照的でたおやかな稜線だった。
9時37分、種池山荘に到着。ここでジュースを買って休憩。暑くなってきたので、上着を脱いでTシャツ一枚になる。これ以上日焼けしたくないが、樹林帯に入れば少しは違うだろうと期待する。
9時45分、種池山荘を出発。柏原新道をひたすら下っていく。
柏原新道では、ところどころで針ノ木岳など眺められた。
そして、11時20分、扇沢の登山口に下り立った。
ここからバスターミナルまでは車道を登り返していく。この暑い中の車道歩きが今回のコース中一番嫌なところだった。
11時33分、扇沢のバスターミナルに到着。
11時55分のバスに乗れたので、いいタイミングだった。
キレット小屋(5:26)→鹿島槍ヶ岳北峰(6:24-6:30)→鹿島槍ヶ岳南峰(6:54-7:04)→布引山(7:23-7:26)→冷池山荘(7:58)→爺ヶ岳中峰(8:50-8:55)→爺ヶ岳南峰(9:09-9:15)→種池山荘(9:37-9:45)→扇沢駅(11:33)