他の小屋と同様で、朝食はお弁当にして早出という人が半数を占めていたようである。今日はもう下山するだけの私は急ぐ必要もなく、当然、小屋で朝食を食べる。
食事が終わると、小屋の中から御来光を見る。千枚小屋と同様、茶臼小屋からも富士山がよく見える。少し雲があったので、赤く染まってきれいだった。
5時47分、茶臼小屋を出発。バスは12時20分だから、急ぐ必要もないが、さりとてゆっくり歩くでもなく、まあいつものように下っていく。樹林帯のため展望はない。見るべきものもないから、たんたんと下っていくだけである。
水呑場は、水量は少ないが、コップも置いてあったので、一口飲んでいく。
横窪沢小屋にも水場があるので、利用する。
さらに下っていくと、左に沢の音がする。そして、右にもやはり沢の音。
やがて、左の沢を吊橋で渡るのだが、ちょうどそこは滝があったので、写真を撮る。
2つの沢の合流点あたりに無人のウソッコ沢小屋がある。このあたりでフシグロセンノウが咲いていた。
沢沿いの道となるので、いくつも吊り橋を渡っていく。
茶臼小屋からひたすら下ってきた登山道が、沢から離れていき、ちょっと登りになる。やれやれと思いつつ歩いていく。(見え見えのオチだが)登り切ったところがヤレヤレ峠である。このあたりで熊出没の情報もあったようだが、特に問題なし。
ヤレヤレ峠を越えていくと、樹間に、畑薙湖の青緑色をした湖面が見えてくる。
そして、最後に全長180mという長〜い畑薙大吊橋が目の前に現れる。
この吊橋は、真ん中に人一人が歩けるだけの幅の板が張られている、ちょっと怖い吊橋である。(ところどころですれ違いできるようにもう一枚板が張られている。)足下に目をやれば、否応なしに青緑色の湖面(流木もいっぱいあった)が目に入る。けっこう高さがある(30mとか)ので、2〜3m先を見ながら歩いていく。でも、怖いもの見たさでもないが、立ち止まって、真下を見下ろした。ウヒョヒョー!
大きな吊橋なので、一人で歩いていったぐらいでは特に揺れるというほどのこともない。強風が吹いていれば怖いだろうが、ほとんど揺れることもないので、左右のワイヤーをつかんですたすたと渡っていく。
吊橋の上でじっとしていたくはないが、さりとてまっしぐらに渡りきってしまうのも何だかもったいない。それで、半分以上渡ったところで、もう一度立ち止まって、真下を見下ろしてみた。
吊橋を渡れば、あとは林道を歩いていくのみである。
やがて、畑薙第一ダムに到着。
しかし・・・・・・早く着いてもすることがなかった。
地図には売店ありと書かれていたが、売店は営業していなかった。ジュースの自動販売機も、大半が売り切れだった。(--;) こんなことなら、あっさり下山しないで、もう一度茶臼岳に登ってから下山すればよかったのに・・・
茶臼小屋で同宿したおばさん2人が12時台のバスに乗るということだったのだが、発車時間になっても下りてこなかった。十分に間に合うだろうと思っていたが、間に合わなかったか・・・・・・でも、実はそうではなかった。
白樺荘のバス停でおばさん2人が乗ってきた。どうやら、運良く車に乗せてもらったらしく、温泉に入ってきたのだった。白樺荘は市の施設ということで無料で温泉に入れるらしい。
そんなことちっとも知らなかった私の負け!
帰りのバス、休憩は1回だけだった。
横沢でかわいい娘さんがいる売店でラムネとお菓子を買った。下山しても食事をするところなどなかったから、ちょっとお腹がすいていたのだった。(行動食は残っていたけど、食べてなかった。)
茶臼小屋(5:47)→横窪沢小屋(6:40)→ウソッコ沢小屋(7:26)→ヤレヤレ峠(8:04)→茶臼岳登山口(8:22)→畑薙第一ダム(9:10)