南アルプス南部縦走2(荒川三山と赤石岳)

日付 :2005/08/28(2日目)
コース:千枚小屋→千枚岳→悪沢岳→中岳→前岳→荒川小屋→赤石岳→百間洞山の家

 夜中にガサガサ大きな音を立てられて目が覚めた。よくあることだが、もう少し静かにしてほしいものだ。
 さらに4時前には、またまた大きな音を立てて、随分と時間をかけて早出の準備をしていた。寝ている人のことなど気にならないのだろうか。やっと出ていったと思ったら、5分ぐらいして1人戻ってきてまた何かやっていた。
 朝食はお弁当にした人が多かったようで、小屋で食事をしたのは半分程度に過ぎなかった。

 千枚小屋からは富士山がよく見える。
 雲海が広がり、左手の雲が盛り上がったところから日が昇ってきた。小屋の窓から御来光を見た。

日の出
日の出
富士山
朝日に染まる雲海と富士山

 5時40分、千枚小屋出発
 しばらく登っていけば、樹林帯を抜けて森林限界を越えると展望が広がる。開けた場所で、お弁当を食べているグループがあった。小屋で食事してきた私に追いつかれちゃったわけで、早出した意味はあまりなかったようにもみえるけど、朝食も取らずに歩いていたらバテちゃうから、早めに食事をするのはいいことだと思うよ。
 千枚岳からは、赤石岳の眺めが良かったが、他にも、これから向かう悪沢岳、北の方には塩見岳、それから、もちろん、富士山もよく見えた。

赤石岳
赤石岳(千枚岳直下から)

 千枚岳から丸山へ向かうところはお花畑がまだまだきれいだった。
 時期的に、夏の花はもう終わりに近い。多く見られたのはマツムシソウである。

タカネマツムシソウ
タカネマツムシソウ

 丸山を越えて、やがて悪沢岳に到着。南アルプス南部の最高峰ということで、360度の展望は素晴らしい。が、やたらと風が強く、ビュービュー吹きまくるから、写真を撮るのもたいへんだった。これから向かう中岳や赤石岳、北を見れば塩見岳や甲斐駒ヶ岳、仙丈岳など南アルプス北部の山もよく見える。中央アルプスや北アルプス、槍・穂高なども見えた。強風にあおられながらも、10分ほど写真を撮りまくる。写真を撮った後は、風が強いから、さっさと退散することにする。

悪沢岳から北側の眺め
左手前に塩見岳、その奥に仙丈岳、右に甲斐駒ヶ岳、間ノ岳
富士山
富士山(悪沢岳から)

 荒川三山などといっても、なーに大したことないだろうと思っていた。しかし、悪沢岳から中岳へ向かっていくと、けっこう急な下りとなる。おーおー、やっぱり南アルプスの山は一つ一つが大きくて、けっこう登降差がある。あんまりなめてはいけないのだ。

荒川中岳
荒川中岳

 急斜面を下り、登り返していく。避難小屋を過ぎると、まもなく中岳の山頂である。

赤石岳と荒川前岳
赤石岳(左)と荒川前岳(右)

 中岳からちょっと下ると分岐になる。右は三伏峠・塩見岳方面の縦走路で荒川小屋へは左の道を行く。前岳へは右の道を行かなければならず、荒川小屋への縦走路からははずれてしまうが、目と鼻の先にあるので、よっていく。ほんの数分のところにあるし、荒川三山というくらいだから、行っておくべきである。
 前岳から分岐まで引き返すと、荒川小屋へ向けて下っていく。中岳の南面にはカールがあり、カールと雲海に浮かぶ富士山を眺めながら歩いていく。前方には赤石岳、その手前には荒川小屋の赤い屋根も見えてくる。

中岳南面のカールと富士山
中岳南面のカールと富士山
赤石岳
赤石岳へ(途中に荒川小屋が見える)

 荒川三山の縦走が終わると、今度は本日後半の赤石岳への登りが待っている。そこで、荒川小屋でちょっと休憩してエネルギーを補給。
 荒川小屋から大聖寺平へは、砂礫の斜面をトラバースしていくので、アップダウンがなく、のんびり歩けるし、サクサクとペースを上げていくこともできる。
 大聖寺平からは、いよいよ赤石岳への本格的な登りとなる。小赤石岳への登りでは、トウヤクリンドウ咲いていた。トウヤクリンドウ自体はそれまでもあちこちで見てはいたのだが、日の光を受けて開花するため、朝のうちはどれも花が開いておらず、ようやく開花したトウヤクリンドウにお目にかかれたのだった。

トウヤクリンドウ
トウヤクリンドウ

 小赤石岳まで登ると、前方に赤石岳、後方を振り返れば、荒川三山が眺められる。

赤石岳
赤石岳(小赤石岳から)

 小赤石岳から一旦下り、赤石小屋方面への分岐を越えて、最後のひと登りで赤石岳の山頂に到着。山頂のすぐ下には赤石避難小屋があり、ここでカップラーメンを買って、昼食とした。

荒川三山
赤石岳から荒川三山を振り返る

 赤石岳から百間洞山の家を目指すが、もうあとは下っていくだけだから、楽なものである。時間的にも余裕があるから特に急ぐでもなく、下っていく。
 百間平のあたりは広い平原になっていた。こんなところでのんびりするのもいいかもしれない。
 このあたりからは、明日向かう聖岳もよく見える。その右には兎岳・中盛丸山・大沢岳といくつも山が連なっているのが見える。これらの山を一つ一つ越えていくのは、それほど楽でもないだろう。

聖岳
聖岳
兎岳・中盛丸山・大沢岳
兎岳・中盛丸山・大沢岳

 百間平の先から、またどんどんと下っていき、やがて百間洞のテント場に着く。ここから、沢に沿って下って、百間洞山の家に到着。
 百間洞山の家で受付を済ませると、小屋の外のベンチでビールを飲む。
 小屋の裏手には聖岳の展望台があって、ベンチもあるので、そこでしばらくのんびりしていた。

聖岳
聖岳(展望台から)

 このあたりでは、高山蝶のベニヒカゲがいっぱい飛び交っていて、ベンチに座っていると、腕や指先にも留まったりする。汗でも吸っているのか?

ベニヒカゲ
ベニヒカゲ

 夕食は、揚げたてのトンカツ、ゆでたてのおそば、炊きたてのご飯を出すため、1回が8人ずつとなっていた。食堂は16人入れるようになっているので、2回目の食事も用意でき次第であり、さほど待つこともなかったようである。今回、2回で全員の夕食は終わったので、宿泊者は15人程度だった。一般にこの小屋に泊まる場合、3泊は必要なコースになるから他の小屋より泊まる人は少ないのだろう。
 寝具は、千枚小屋と同様、シュラフ+毛布+枕だったが、なぜか毛布は3枚あった。
 7時20分ごろから天気予報があるということで、7時頃からテレビのある食堂のほうに下りていって、テレビのニュースを見た。天気は明日も晴れ。
 天気予報が終わり、各自、部屋に戻ると、そろそろ消灯となった。

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千枚小屋(5:40)→千枚岳(6:07-6:11)→丸山(6:44)→悪沢岳(7:03-7:14)→中岳(8:00-8:05)→前岳(8:14)→荒川小屋(9:03-9:09)→大聖寺平(9:35)→小赤石岳(10:17-10:21)→赤石岳(10:40-11:20)→百間平(12:17)→百間洞山の家(12:47)

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