先日の大雨の影響か、大滝沢沿いのルートで木道(ハシゴ)の崩落があった。今年の2月に落ちたところがまた落ちたようである。それでもなんとか通行可能な状態だった。
一軒屋避難小屋から大滝沢本流(鬼石沢)に入る。
最初の堰堤までは右岸側につけられた踏み跡をたどっていくが、1箇所崩れていた。
堰堤の上から遡行開始。
穏やかな流れの沢をしばらく行くと、ナメが続き、沢が左に曲がったところで、最初の滝F2が登場する。(この沢のF1は雨棚である。)なお、ここはいちおう二俣になっているが、右の沢は水量もわずか。滝の上から長い蔓が滝の下まで垂れ下がっていた。
F2は右側が段々になっていて簡単に登れそうだが、けっこう高さもあるので、さらに右から巻いて登った。
次は扇を下に向けたように落ちるF3で、「丹沢の滝110ルート」では20mとなっているが、それほど高くは見えない。
右から入る枝沢から高巻くが、かなりの急斜面を木の根と立木をつかんで登っていく。沢に戻る際は、ロープを出して急な斜面を下っていった。
F3の高巻きに苦労したが、ここが一番きついと思っていたので、沢に降りればひと安心。
この先は小滝とナメが続いて気持ちよい。
10mの石積堰堤を左から越えると、堰堤の上は一気に水量が減ってしまう。前回訪れたときは、このあと一旦水が涸れたと思うが、今回はずっと水流があった。
そして、F4登場。
F4は傾斜もゆるく、水流沿いを快適に登ることができる。高さも4〜5mといったところだろうか。
続いて現れるのが大岩が積み重なったF5である。前回はチョロチョロといった程度の流れだったが、今回はけっこう滝らしく水が流れ落ちていた。
F5は大岩の間を登ることもできるのだが、ちょっと登りにくいので、さらに右から巻いていった。
F5の上で二俣になった。左も右も水量は大差なく、どちらを行くか迷ってしまう。
右俣を登っていくと、滝が現れ、その上にさらに大きめの滝が見えた。そして、その上に堰堤が見える。見覚えのない滝だし、遡行図とも違う。そこで、ここは引き返して、左俣に入る。
F6(5m)というのはそれと気づかず過ぎてしまったが、小滝を越えていくと、大岩がのった堰堤が現れた。やはり、こちらで間違いなかった。
左から堰堤を越えていくと、F7と思しき滝が現れ、難なく越えていく。
そして、そろそろ終盤戦。
かつて即席のハシゴがかかっていたというチョックストーンの滝は倒木がかかっているだけである。前回は、この倒木を利用して越えていったのだが、今回はここでもけっこう水が流れ落ちていた。倒木を利用するにしても、もろに水を浴びそうである。
右手前に巻道らしいところがあったので、登ってみたが、ホールドのないザレの斜面では身動きが取れない。ドライバーでもあればよかったのだが、今回は必要ないだろうと思って用意していなかったのだった。これはまずいと思ったが、なんとか木の根をつかんで左に逃げて、沢の方へ進んだ。
沢へと下る細い踏み跡らしきものをたどって、もう少しというところまで来たところで、大ピンチ。
左は2〜3m下が沢で、右は岩壁。岩壁に沿って進んでいけば、沢に降りられそうだが、狭くて進めない。前を向いて歩いて行けるほどの幅がない。右の岩壁にはホールドがないので、カニの横ばいで進んだとして、ちょっとでもバランス崩せば落ちてしまう。
これは行き詰まったか?
と思ったが、足下に木の根が出ていたので、ここにロープを通して、壁際を慎重に下っていくことにした。左肩がこすれるが、足下を滑らせなければOKだ。
こうして、なんとか沢に降りることができたが、本来、巻いてはいけないところを巻いてしまったようである。
思わぬところで、苦戦してしまったが、沢に戻ればもうあとは問題ない。
三俣になり、左の本流を行くと、最後のチョックストーンが現れる。さすがにもう水流もない。
左からチョックストーンを越えると稜線まであとわずか。
ヤブコギもなく、あっさりと登山道に出た。
ここから登山道を5分も歩けば畦ヶ丸の避難小屋で、さらにもうちょっと歩けば畦ヶ丸の山頂に到着である。
当初の予定では、帰りに地獄棚と雨棚を見物しようと思っていた。
しかし、何度も靴を履き替えるのは面倒だし、水量が多くて雨棚の手前の滝を登れず敗退という可能性もある。雨棚は先月見に行ったが、本棚・下棚は随分ご無沙汰しているので、今回は本棚・下棚を見に行くことにした。
水量多めで、カラ棚もけっこう水が流れていた。
西沢沿いのコースでも木橋が流されているところがあったが、飛び石伝いで渡れたので、とりあえず通行に支障はなかった。