夏のメインルートとして慣れ親しんだ葛葉川本谷。
ここ数年は、以前ほどは訪れていなかったが、それでも好きな沢であることに変わりはない。
次から次へと小滝が登場するので、シーズン始めに体を慣らすのにも最適な沢である。
今年は沖ビリ沢を遡行した後、それまで使用していた渓流タビを廃棄したものの、新しいのを買うのが遅れていたため、暑くなってもなかなか沢へ行くことができずにいた。
今週は、ようやく新しい渓流タビを買ったので、まずは葛葉川本谷を遡行することにしたのだった。
真夏の暑い日は沢登りが涼しくて良いのだが、菩提バス停から葛葉ノ泉まではちょっと距離があって、そこまで行くのにも大汗をかいた。
葛葉ノ泉で喉を潤してから入渓する。
久しぶりの沢だが、この沢はお手軽な小滝がいっぱいあるので、体を慣らすのにはちょうど良い。
しばらくすると小滝が連続してゴルジュになり、奥にF1が現れる。ここで先行していたグループに追いついたが、F1を直登するのを見物させてもらった。その後、写真を撮って、右の巻道を行く。
今回はいくつかのパーティーが遡行していたのだが、写真を撮ることもあって、あまり急がずに行くことにした。前半は先行グループを追い抜かずに、ゆっくり行く。
F2の横向ノ滝では、昨日・一昨日と雨が降ったせいか、水量も多く、左からも水が流れていた。
F3で写真を撮っていると後続のグループがやって来たので、追い抜かれた。今回はのんびりと写真を撮りながらの遡行である。
4〜5mの滝がいくつもあるが、勝手知ったる葛葉川のこと、いずれも問題なく越えていく。
F5の板立ノ滝では、直登しているグループの他に、右手で待っているグループもいたので、写真を撮ると、さっさと右の巻道を行った。
先行グループの前に出たので、ちょっとペースを上げていったのだが、F6曲り滝でまたまた順番待ちになってしまった。小さな子供を連れた集団だった。子供向けの沢登り教室か何かだろうか?
待っている間に、さきほど抜いていったグループに追いつかれ、ここで追い越された。
子供連れの集団は、曲り滝の上で遡行を終了して林道に上がっていった。
F7富士形ノ滝でも先行グループが正面から直登していたが、このあたりでポツポツと雨が降ってきたようだったので、先を急ぐことにした。右の乾いた岩を登って、先を急ぐ。(雨はポツポツ降っただけで、その後、あっさりとやんだ。)
最後の滝を登って、二俣に出たところで、靴を履き替え、三ノ塔尾根に取り付いた。
今回は前半のんびりやっていたため、ちょっと遅くなったが、三ノ塔から表尾根を塔ノ岳まで登っていった。
葛葉川本谷〜表尾根では、イワタバコ、ヤマユリ、ウツボグサ、ヤマオダマキ、ウスユキソウ、シモツケソウ、マルバダケブキなど夏の花がいろいろ咲いていた。
塔ノ岳の尊仏山荘で休憩。
こちらでは一時けっこう雨が降ったと聞いて驚いた。
尊仏山荘では花立さんが小屋の中から登山者に声をかけていた。ユーシンの方に下っていこうとしている人たちに「どこへ行くの?」と聞くと、「大倉」という答え。
先日は、間違ってユーシンに下ってしまい、夜、登り返してきた人がいたとか。
それで、小屋の中から見張っているようで、私が小屋を出て、出発しようというときにも、もうひと組、ユーシンへ下ろうとする人たちに声をかけていた。大倉尾根を登ってきた人なら間違うわけがない。表尾根を登ってきた人たちだった。しかし、こんなにも間違える人がいるとは・・・
(おいおい、大丈夫か〜?)
今回は、時間に余裕がなくなってしまったので、大倉尾根を下山した。
葛葉川本谷でシカの角を拾った。F1のゴルジュに入る手前である。
遡行者の多い葛葉川本谷だから、すでに大勢の人が見ていたことだろう。
初めて拾ったシカの角。ザックのポケットに入れて持ち帰ることにした。
角の先がけっこう傷ついていたが、他のシカと角突き合って傷ついたのだろうか?