新松田の改札を出ると、ちょうど西丹沢行きのバスが出るところだった。御殿場線の時刻表を見ると、しばらく待たなければならず、谷峨駅からバスに乗る場合、この次のバスになってしまう。そこで出たばかりのバスを追って走っていった。赤信号で止まっている間に追い抜いて、次のバス停で乗ることができた。これに乗れるかどうかで30分の差があるのだから大きい。
朝は快晴だったが、山に登るにつれて次第に雲が広がっていった。よくあることだから、しかたがない。ツツジコース上部はけっこう色づいていた。赤いのはツツジである。
同角山稜からは蛭ヶ岳〜丹沢山〜塔ノ岳が眺められた。今回このコースを取ったのは、同角山稜から主脈の写真を撮るのが目的だったのだから、これが眺められないことには話にならないのである。
同角山稜ではイワシャジンがいっぱい咲いていた。
ザンザ洞のキレットでいっぱい咲いていると思ったら、そこから下の登山道でもあちこちで咲いていた。同角山稜以外でも見られる花だが、これほどまとまって見られる所は他にないかもな……
ユーシンから玄倉は、いつもは林道を下っていくのだが、今回は以前から気になっていた山神峠を越えていくルートをたどることにした。指導標が新しくなっているのだから、コースもある程度整備されているだろうとは思っていたのだが……。このコースの性格上、ところどころで崩れているのはしかたがないところであり、注意しなければならないところもあったが、全般的に見れば、思っていた以上にしっかりした道がついていた。
当然のことながら、素直に林道を下った方が早いわけであり、今回、わざわざ時間のかかるコースをたどったので、蕗平橋のほうに下っていくと、もう夕方。しかし、おかげで、林道からは夕暮れの富士山を眺めることができたのだった。