日の出は4時50分頃ということだったので、4時を過ぎると起きてボチボチ準備をして、中岳へ向かった。
中岳に登ると、南アルプスの山並みも鋸岳から光岳まできれいに見渡すことができた。農鳥岳と塩見岳の間には富士山も見えた。
日の出は八ヶ岳の赤岳と権現岳の間から見えた。
朝食は5時30分からとなっていたが、小屋に戻ると、朝食の用意ができたということで、少し早めに食べることができた。
朝食後、出発の準備。天気がいいので、しっかりと日焼け止めを塗っておく。
6時7分、宝剣山荘を出発。
まずは宝剣岳に登る。クサリがついた登りだが、ひと登りで山頂である。
山頂でしばし展望を楽しむ。
宝剣岳には続々と登ってくる人がいるので、展望を楽しんだら出発。
クサリの付いた岩場を下ると三ノ沢分岐。
三ノ沢分岐からは普通の登山道。でも、これからが長かった・・・
濁沢大峰で時間を確認すると、コースタイムよりも遅れていた。初日は千畳敷までロープウェイで上がったのになぜか疲れが出ていた。(富士山の疲れか?)
空木岳への稜線は案外アップダウンがあって、楽しい稜線山歩となるはずが、けっこうきつい歩きになってしまった。
朝のうちは晴れ渡っていたが、檜尾岳に到着する少し前、空木岳のほうに早くもガスがかかってきた。
檜尾岳から少し下ったところにある避難小屋は、その後も稜線を歩いていて振り返ると、よく目に付いた。
コースタイムより遅れるのも珍しいが、疲れが出て登りのペースが落ちたのが原因である。
熊沢岳から東川岳を見ると、大したことなさそうなのだが、実際に歩くとアップダウンがあって、やっぱり楽ではなかった。
東川岳まで行くと、いよいよ空木岳が目の前に大きい。
その前に木曽殿越へは急な下りである。急斜面を下って、空木岳への長い登り返しが待っている。疲れた体には見ただけでうんざりしてしまう。木曽殿山荘泊まりにしておけばよかったかと思った。(木曽殿山荘は要予約)
急斜面を下っていると、下の方の登山道を四つ足で歩く獣が目に入った。何だ?と思いつつ下っていくと、サルだった。こちらの存在に気付いてもらって逃げていってもらおうと思ったが、登山道の近くに留まっていた。ゆっくりと登山道を歩いて行くと、乗っかっていた木から下りて見えなくなった。どこに行ったかわからないが、とにかく注意して歩いていこうとしたら、すぐ先の登山道上に隠れていたので、ビックリ。隠れてこっそりこちらの様子をうかがっていたのだろう。ヒェッ!と思わず後ずさると、さすがに今度こそサルも逃げていった。
木曽殿越に下りると、木曽殿山荘でジュースとミネラルウォーターを買った。ジュースを飲んでしばし休憩。
休憩後、しかたなく、空木岳へ本日最後の登りにかかる。とてもではないが一気に登ることなどできない状態だったので、途中で何度か休憩を取りながらゆっくり登っていった。荷物を降ろしてその場に座り込んで休憩を取るなんて、普段はまずないことだが、今回はまったく余裕がなかった。これが最後と思えば、時間を気にすることもなく、なんとか登っていった。
ようやく着いたと思ったピークは第1ピークで山頂まではまだしばらく登らなければならない。山頂付近は岩が多く、前回、第1ピークのあたりから見る山頂がなかなか良いと思ったことを思い出す。
最後まで楽にはならなかったが、どうにか空木岳の山頂に到着。くもっていたので、展望もほとんどなしだった。
休憩後、山頂直下、目の前に見えている空木駒峰ヒュッテへ向かって下っていった。
空木駒峰ヒュッテは駒峰山岳会が管理・運営する山小屋で、シーズン中は小屋番が入るが、素泊まりの山小屋である。小さいけれどきれいな山小屋で、小屋の前には展望の良いテラスもある。寝具の貸し出しがあり、ビールやカップラーメンなども販売しているので、気軽に利用できる小屋である。
素泊まりの小屋で日曜日だから空いている・・・と思っていたら、その後、団体さんがやって来て、けっこうな賑わいとなった。駒峰ヒュッテは予約は受け付けておらず、来た人はすべて泊めるので、多い時は80人も来てまともに寝られないこともあるそうである。この日は約20人で、このぐらいが適当な人数といったところ。
7時には消灯になった。
宝剣山荘(6:07)→宝剣岳(6:18-6:30)→濁沢大峰(7:50)→檜尾岳(8:53-9:00)→熊沢岳(10:14-10:25)→東川岳(11:29-11:40)→木曽殿越(12:03-12:10)→空木岳(13:55-14:05)→空木駒峰ヒュッテ(14:11)