3回目の富士山

Date:2016/07/30
Route:須走口五合目→須走ルート頂上→剣ヶ峰→須走口五合目

 過信は禁物。
 弾丸登山の危険について言われていることはわかっているが、以前にもやっているし、まあ大丈夫・・・なんてなめてはいけない。

 ようやく梅雨明けしたものの、梅雨明け10日の安定した晴天が続かず、この週末は土曜はいいけど日曜は雨が降るという。
 それで、今週も夏山遠征はおあずけ状態。
 土曜日だけはいい天気だというので、日帰りで富士山に行くことにした。実に9年ぶりである。前回、日帰りで登ったときは、登りはよかったが、お鉢めぐりで苦しんだ。それでも時間的には十分な余裕があり、時間調整で小富士に寄ってみたりしたものだった。
 体力的には前回より確実に落ちているから、それほど余裕はないだろうが、まあなんとかなるだろうとは思った。

 朝は晴れ渡っていて、丹沢には雲ひとつかかっていなかった。富士山もきれいに見えた。
 しかし、御殿場からバスで須走口五合目へ向かう頃には早くも雲がでてきていた。
 高山病にならないためには五合目で1時間休憩・・・などというが、日帰りではそんな余裕はもちろんない。トイレに行き、ささっと準備すると、9時31分に即出発。入山料(保全協力費)1000円を支払うとガイドブックと缶バッチをもらった。
 軽いトレイルランニング用シューズも考えたが、下りの砂走りのことを考えて、登山靴にしておいた。また、夏山ではほとんど使っていないストックを使うことにした。

 序盤はなだらかな登りだが、体が高度になれていないことを考慮して、無理ないペースで歩いていった。始めは樹林帯を行くが、開けたところからは山頂方面が見え、山中湖を見下ろすことができた。丹沢山塊にはすでに雲がかかっていたが、大室山や蛭ヶ岳が見えた。

富士山
富士山
山中湖
山中湖(その向こうに大室山や蛭ヶ岳が見える)

 六合目の長田山荘には簡単に到着した。このあたりは順調である。
 本六合目へ登っていく途中で、クルマユリが咲いていた。

クルマユリ
クルマユリ

 開けたところに出ると、箱根方面がよく見えた。その向こうには相模湾や三浦半島も眺められた。丹沢山塊はすっかり雲がかかってしまったが、箱根の方は晴れ渡っていたのだった。

箱根の山並み
箱根の山並み

 本六合目の瀬戸館を過ぎると樹林帯がなくなり、あとはひたすら砂礫の道を登っていく。


樹林帯を抜け、あとはひたすら山頂を目指す(七合目の山小屋が見える)

 順調に七合目を越えて登っていく。雲が増えてきたが、雲より高いところを歩いているので上空は晴れ渡っている。

下界を見下ろす
雲の上から下界を見下ろす

 本八合目あたりはまだ普通に登っていたが、終盤はペースが落ちた。体が高度に慣れていなかった。あと200mというところまで行っても、最後の200mが長い。
 下界の雲はさらに広がって、すでに五合目は見えなくなっていた。しかし、上に雲はないので晴れ渡っている。
 頂上手前は渋滞していた。一歩一歩、前の人が登るのを待たなければならない。しかし、この時点では普通に連続して登っていく力がなかったので、待たされるのが苦にならない。

頂上までもう少し
頂上までもう少し

 やがて、どうにか頂上に到着。しかし、剣ヶ峰は火口の反対側にあり、まだまだ先。剣ヶ峰への登りは渋滞しているようで行列ができている。

剣ヶ峰
剣ヶ峰

 頂上への登りでさえも苦しんだので、お鉢巡りはさらにきつかった。ちょっとした登りがすべてきつい。平らな場所や下り以外は、本当にゆっくりと休憩しながら歩いていった。剣ヶ峰への最後の登りは滑りやすい急坂で渋滞していたが、一気に登れる状態になかったので、何度も休憩しながらなんとか登っていった。
 最後の最後でまた行列ができていたが、これは記念写真を撮ってもらうための列だった。

剣ヶ峰からの眺め
剣ヶ峰からの眺め

 剣ヶ峰でちょっと休憩。今回はずっと歩き続ける力がない。
 下山道へは来た道を引き返していくことにした。お鉢巡り一周する気力がなかった。右に行っても左に行っても距離はあまり変わらないと思ったが、左の方がアップダウンがありそうな気がしたからである。それで、来た道を引き返していったが、楽に進んだわけもなく、登りの部分は休憩しながら歩いていった。駿河湾や伊豆大島などが眺められた。

伊豆大島遠望
伊豆大島が見えた

 下山道に入ると、あとはもうひたすら下るだけなので、苦しいことはなかった。

山中湖を見下ろす
山中湖を見下ろす

 八合目で吉田ルートと別れると、人も少なくなる。時間的に遅かったこともあって須走ルートを下っている人は少なかった。砂走りは前回は直線的に下っていった気がするが、今回はそれほど直線的には感じなかった。砂払い五合からは樹林帯をいくが、思ったよりも長かった。これも疲れの影響か?

 剣ヶ峰の往復にかなりの時間がかかったこともあり、五合目に下りたのもかなり遅くなった。4時台のバスに間に合わなかったので、ソフトクリームを食べながら5時20分のバスを待った。バスの御殿場到着が遅れたため御殿場線でまた長く待たされた。

 今回は体が高度にうまく慣れてくれなかった。剣ヶ峰まで行かずに下山すれば、それほど苦しまなかっただろうが、富士山の日帰りはもうやめたほうがよさそうだ。せっかく山に行って楽しめなかったら意味がない。自分の力を見極めて、無理せず楽しんでいきたい。


須走五合目(9:31)→六合目(10:15)→七合目(11:10)→八合目(11:53)→本八合目(12:09)→頂上(13:14)→剣ヶ峰(14:10-14:15)→下山道(14:58)→八合目(15:19-15:21)→七合目(15:45)→砂払い五合(16:14)→須走五合目(16:35)

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