中禅寺湖の北側にそびえる男体山は日光を訪れて一番に目を引く山である。
いい形の山だが、それだけに急斜面をひたすら登らなければならず、きつそうな山である。
二荒山神社から山頂までの標高差は約1200mで、途中、工事用道路を歩く部分があるが、それ以外はひたすら登りである。
二荒山神社中宮祠の登山者受付で名簿に名前を書き、入山料500円を払うと、登拝のお守りをもらう。初めての登山者には、3合目〜4合目の工事用道路のことや5時までに下山することなどの注意事項が説明される。お守りは下山後は交通安全のお守りとなる。
登拝門をくぐって登山道に入る。
1合目までは階段状の登山道なのだが、段差があってけっこうきつい。
1合目からは普通の登山道になるが、ひたすら登りで、楽ではない。
3合目で工事用道路に出る。登山道と違い、まっすぐ登らないから、楽に歩ける。その分、距離が長くなるので、さっさと歩く。
4合目で鳥居をくぐると再び登山道に入る。またまたひたすら登りである。
5合目には避難小屋があった。
さらに登り続けていくと、7合目にも避難小屋があった。
このあたりから少しずつ展望も開けてくるところなのだが、いつのまにやらガスがかかって中禅寺湖を見下ろすことはできなかった。
8合目の避難小屋を過ぎると、緩やかになってくるが、決して楽にはならなかった。この先でまた階段があったりしてきつかった。
樹林帯を抜けると、山頂まではもう一息である。
雲の上に出て、眺めもよくなった。日光白根山が見えたが、ちょっと雲がかかっていたので、雲が取れるのを待っていたら、かえって雲がかかって見えなくなってしまった。
そして、標高2486mの山頂に到着。多くの登山者で賑わっていた。
南側は雲海が広がっており、中禅寺湖は見えなかった。北側には雲海がなく、女峰山や太郎山などが見えた。遠くには見覚えのある燧ヶ岳が見えて、うれしくなった。西側は雲があがっていて、日光白根山も束の間見えた程度だった。
携帯で電話している人が、富士山や筑波山が見えると話しているのが聞こえたので、注意してみていたら、雲海の向こうに富士山が見えた。手前でガスが湧き上がると見えなくなるので、見えたり見えなくなったりを繰り返していた。
山頂で昼食を取り、しばらく展望を楽しんだ後、下山開始。
登ってきた道を引き返し、二荒山神社中宮祠へと下っていく。
ひたすら下りだが、さすがに下りは早かった。
早い時間帯に下山したので、時間的には余裕があった。
天気もいいし、華厳の滝に寄っていってもいいかもしれないと思ったが、世界遺産を有する日光は観光客も多い。二荒山神社前から乗ったバス(観光バスのタイプ)は満員で座れなかったし、観光地はどこも混んでいるだろう。そして、時間によっては渋滞に巻き込まれる可能性も大である。
それで、そのまま帰ることにした。中禅寺温泉(華厳の滝を見るなら、ここで降りる)で降りる人もけっこういたので、座ることもできたのだった。