妙高山と火打山に登るなら、小屋泊まりで縦走するのがいいと思っていた。
しかし、予定していた小屋はすでに満室になっていたことから、妙高高原の宿に連泊して、2つの山にそれぞれ日帰りで登ることにした。もう一つ山小屋があったのだが、ネットで検索してみると、どうも評判が悪かったのだ。
前夜は激しい雷雨になり、天気が心配されたが、朝は晴れていた。
そして、ひんやりと涼しい。
妙高高原には多くのランナーが合宿を行っているようで、6時前から多くのランナーが走っていた。
笹ヶ峰行きのバスに乗る前に、いもり池から妙高山を眺めようと思ったのだが、妙高山にはすでに雲がかかっていた。朝のうちはいいと思ったのに、まったく早いものである。天気予報では午後から雨というのが気になる。
いもり池入口から笹ヶ峰行きのバスに乗った。
今の時期、笹ヶ峰行きのバスは1日4本である。
笹ヶ峰には駐車場もあって、けっこう多くの登山者がやってきていた。
8時15分、笹ヶ峰の駐車場を出発。
登山道は、始めのうちはなだらかで木道を歩いて行く。
登山道には1/9kmのような表示があった。火打山まで9kmあって、そのうちの1km地点という表示である。
8時47分、黒沢に到着。
黒沢を渡ってしばらくすると、急な登りになる。ジグザグに登っていくのだが、これが十二曲りらしく、5/12のような表示があった。ちなみに、上から順番に番号がふられており、登っていくほど番号が若くなる。
一番上に十二曲りの標識があった。
この後もしばらく急坂が続いた。
傾斜が緩やかになると富士見平で、分岐となる。左が高谷池、右が黒沢池である。左の高谷池へと向かう。
斜面をトラバースしていくので、なだらかな道である。ただ、木の根やら何やらでちょっと歩きにくいところがあった。
10時7分、高谷池に到着。順調にとばしてきたが、ここで、ポツポツと雨が降ってきた。
湿原の中、木道を歩いて行くと、少し離れたところにピンクの花がいっぱい咲いていた。ハクサンコザクラのようである。コイワカガミもいっぱい咲いていた。
その後、雨はやんで、ひと安心。やがて、眼下に天狗ノ庭が見えた。
もう少しよく見えるところで写真を撮ろうと思ったのがいけなかった。上から見下ろす感じがよかったのだが、写真を取り損ねてしまった。
天狗ノ庭ではワタスゲの果穂がいっぱいあった。
しかし、ここで本降りの雨になってしまった。レインウェアを着ることにしたが、ズボンの方は靴を脱ぐのが面倒だったので、そのまま歩いていった。
雨は小降りになることもあったが、本降りになることもあって、良くはならなかった。
場所によって咲く花が異なっており、しばらく登ると、ヒメシャジンが咲いていた。そして、山頂近くになると、ウサギギクが咲いていた。
登山道からちょっと下のところに雪が残っているところもあった。
雨で登山道はぐちゃぐちゃになって水たまりができているところもけっこうあった。前半の登りで会ったボッカの人はゴム長を履いていたが、雨が降るとぬかるむところが多いのだろうか。
さすがに疲れてきたこともあって、終盤は歩くペースも落ちた。
11時12分、雨の中、火打山の山頂に到着。雨では展望もなしだった。
少し休憩して、11時20分、下山開始。
雨で登ってきたとき以上にぐちゃぐちゃになって歩きにくくなっていた。
雨が降っているので、ひたすら下っていく。
天狗ノ庭を見下ろすところに出ると、写真を撮りたかったが、雨のため断念。天狗ノ庭を歩いていくと、雷が鳴った。(やばい!)一度だけだったが、急いで歩いていくことにした。
天狗ノ庭と高谷池の間の木道沿いでハクサンコザクラを確認した。雨が降っていて写真を撮れなかったのが残念だった。
12時21分、高谷池ヒュッテに到着。ここでちょっと休憩。小屋の中は休憩している人でいっぱいのようだった。12時29分、出発。
下りとはいえ、雨でぬかるんでいたりして、ペースは上がらなかった。
1時2分、富士見平の分岐に到着。
そのまま下っていくと、天気が回復してきた。雨が上がり、日も差したりした。皮肉なものである。
十二曲りを下っていき、1時58分、黒沢に到着。
その後もひたすら下っていった。濡れた木道は滑りやすいので、あまりペースを上げるわけにはいかなかった。イチヤクソウが咲いているのを見つけたが、テンション下がりっぱなしで写真を撮る気にならず。
2時32分、笹ヶ峰の登山口に到着。
雨に降られたということもあるが、登りが3時間かからなかったのに、下りは3時間以上かかった。登りの方が早かったとは……
着替えてバスを待っていると、また雨が降ってきた。
朝、同じバスに乗っていたおじさんがバスを待っていた。雨が降ってきたために途中で下りてきたということだった。
バスに乗った時点では雨が降っていたが、バスに乗っている間に雨はやんだ。
宿に戻ると、濡れたTシャツやズボンなどを干した。靴の中も濡れてしまったが、これはどうしようもない。
今回は山小屋に泊まらなかったので、濡れたものを干すことができたし、温泉に入ることもできた。小屋に泊まったとしても、雨の中では混んでいただろうし、ゆっくりと落ち着くこともできなかっただろう。この点は良かったと思う。もっとも、山小屋泊まりなら、雨がやんだときに花を見に行くことができたかもしれないし、翌日は朝から行動できる利点もあるのだが。
笹ヶ峰(8:15)→黒沢(8:47)→富士見平(9:38)→高谷池(10:07)→火打山(11:12-11:20)→高谷池(12:21-12:29)→富士見平(13:02)→黒沢(13:58)→笹ヶ峰(14:32)
当初の予定では、妙高山も笹ヶ峰から登っていくつもりだったが、妙高高原の宿で地図を見ながら検討した結果、スカイケーブルを利用し、赤倉登山道を登ることにした。山頂から長助池を経由して燕温泉に下山するのである。この方が若干コースタイムが短くなるのだ。
朝は晴れていい天気になった。予報も晴れなので、今日こそ楽しめるだろう。
今日も少し早めに朝食を食べて出発。
スカイケーブルの山麓駅まで車道を歩いて行く。
歩き始めた頃は妙高山見えていたが、その後あっさりと雲がかかってしまった。
スカイケーブルは8時からと思っていたら、7時半からだったようで、すぐに乗ることができた。標高1200m以上の地点まで一気に登れてしまうので楽である。
スカイケーブルを下りて、ベンチのところで準備運動をし、8時7分、出発。
まずはゲレンデを真っ直ぐに登っていく。振り返ると斑尾山が見えた。
真っ直ぐ登った後、左の樹林帯に入っていく。前を行く人を追い抜いていったが、あっさりとガスの中に入ってしまい、展望を楽しむことはできなかった。
しばらく登ると、自動車の通れる道路に出て、ちょっと興醒め。
しばらく林道を歩いていった後、再び登山道に入る。
9時19分、天狗堂に到着。ここで燕登山道と合流。ちょっと休憩し、9時23分、出発。
8合目あたりで雨音がしてきた。今日は晴れと思っていたのに、「また雨か!?」と思うとガッカリである。しかし、雨音がしただけで、大したことはなく、あっさりとやんでくれた。(8合目というのは燕登山道につけられている標識のようだった。)
妙高山は二重式火山で外輪山があり、独特な形をしているが、ガスに包まれてしまっていたので景色は何も見えなかった。
山頂直下にはクサリ場があったが、足場もしっかり切られており、歩きやすかった。
10時20分、妙高山の山頂に到着。くもっていて展望がきかないのが残念。小屋泊まりで朝早くから行動していれば、展望も楽しめたのだろうが、しかたがない。
10時35分、南峰を出発。
10時40分、北峰に到着。こちらには三角点があり、大きな標識もあるが、標高が高いのは南峰である。展望もなく、人も多かったので、さっさと出発。
帰りは燕新道を下ることにした。
北峰からの下りは急坂である。
急坂を下っていくと雨が降ってきた。本降りになったので、レインウェアを上下とも着ることにした。ズボンまで濡れて帰りの電車に座れなくなっては困るのだ。
11時26分、大倉乗越方面との分岐に到着。右の燕新道を下っていく。沢沿いの道である。
クルマユリが咲いていると思ったら、11時39分、長助池に到着。このあたりで雨はほとんどやんだ。このあたりもいいところだが、花を見るにはちょっと時期が遅かったか。11時46分、出発。
その後もポツポツと雨が降ったが、大したことはなかった。
12時9分、大倉分岐に到着。
さらにしばらく下っていくと、やがて沢に下りた。大倉沢である。どこを渡るかちょっと迷ったが、なんとか靴を濡らすことなく渡ることができた。
沢沿いに少し下った後、右手に登り、アップダウンを繰り返していくと、1時11分、麻平に到着。ここで燕登山道と合流。
最後の下りは崩落があったのか迂回路を通るようになっており、長い階段も設置されていた。
1時31分、燕温泉バス停に到着。
バスの時間まで1時間以上あったので、着替えた後は、売店でビールを飲んで休憩。その後、また雨が降ってきて、しかも本降りになった。
バスが来る頃もまだ雨が降っていたので、バス停まで急いで駆け下りていった。
燕温泉から関山駅へ向かうバスの中から妙高山が見えた。晴れて、山頂まで見えたのは皮肉である。
スカイケーブル山頂駅(8:07)→天狗堂(9:19-9:23)→妙高山(10:20-10:35)→長助池(11:39-11:46)→大倉分岐(12:09)→麻平(13:11)→燕温泉(13:31)