鉄砲沢を紹介したガイドブックというのは見たことがないが、ナメがきれいで釜を持った小滝が多くなかなか良い沢である。今回は久しぶりに鉄砲沢を遡行することにした。
玄倉林道が工事中のため、寄から雨山峠を越えて行くことにした。雨山沢沿いの桟道で、そろそろケイワタバコが咲いているのではと思ったが、まだ早かったようで、わずかに一株咲いているのを見かけただけだった。
ユーシンの先、いくつか小沢を渡って目指す鉄砲沢にたどり着く。
林道から右岸側の細い踏み跡をたどって慎重に沢に下りる。
目の前にある堰堤を右から越えるが、上の方は足場もあまり良くはない。そこで、荷物だけ先に堰堤の上に上げてしまい、身軽になると案外簡単によじ登れた。
沢が右にカーブしていくと、2つめの堰堤である。前回はここでけっこう悩んだ記憶がある。そこで、パンを一つ食べてから堰堤に向かう。今回も左から登ることにした。途中まで登ったところで、ここでも荷物を堰堤の上に上げることにした。そして、身軽になって体も上げる。案外あっさり通過した。
堰堤の上は釜の上に倒木のかかる小滝だが、釜はさほど深くなかったので、釜に入ってさっさと登る。その上あたりから楽しい沢歩きが始まる。
小滝を登ると、3つめの堰堤が現れるが、これは簡単に左から越える。
すると、いよいよこの沢の一番きれいなところで、釜付きの小滝が連なって現れる。
最初の釜は思ったほど深くなかったので、釜に入って小滝を登る。
すると、この先に続く釜付きの滝が3つ連続しているのが見えるので、ここで撮影である。
最初の釜はちょっと深いので、右から巻いていった。
2つめの倒木のある釜は深くなかったので、釜に入ってあっさりと小滝を登る。
3つめの滝が一番高いが、左から問題なく越えていった。
その後も、ナメの多い沢を歩いていく。
ところどころに小滝がある、快適な沢である。
そして、二俣。
前回は左俣を遡行して、終盤はかなり急な傾斜のガレルンゼを登っていったが、もう少し楽に登れるルートはないか・・・?
二俣から先はたいした滝もないことだし、二俣で遡行を終了して、中間尾根を登っていくことにした。ちょっと細い尾根だが、なんとなく歩かれた跡もあり、途中までは順調に進んだのだが・・・
この尾根は地形図で見るよりも複雑で厳しいルートだった。
途中、いくつか小ピークがあり、その先がキレットになっていたのだった。
慎重にキレットを下っていき、キレットでまたがって考えてしまった。やせた尾根を真っ直ぐ登っていくことができそうだが、安心して登れそうなとこでもなく、そのうち崩れてしまいそうな、いや〜なヤセ尾根。かといって、右も左も手掛かり少なく、足場もいまいちな急斜面・・・
今回はロープやドライバーを持っていったので、これらを使って、なんとか滑落することなく通過できた。キレットから少し離れた安全なところで写真を撮っておいた。(この写真ではわかりにくいが、真ん中付近がキレットである。)
なんとか通過しても、足下を見ると、木の根の間にぽっかりと空間が見えたりして、まったく油断できないところだった。
そんなわけで、楽に稜線に出られるルートではなかったし、予想以上に時間もかかったのだった。
途中、コアジサイもけっこう咲いていたが、ガスがかかってあまり明るくもなかったので、写真は撮らず。
苦労して登山道に出て、左に1分も進めば鍋割峠だった。
結局、最後は前回と同じ場所に出たわけである。
鍋割峠から鍋割山に登った。
ガスがかかっていたので、山頂も涼しかった。
そして、かき氷で涼を取った後、大倉へ下山した。
鉄砲沢はナメがきれいで、釜を持った小滝も多く、快適な沢である。
最初の堰堤越えと最後の詰めさえ簡単に行けたら言うことないのだが・・・
稜線に出る良いルートはないものかと思っていたら、まーちゃんから右俣は穏やかで安全に詰められるという情報をいただいた。地形図を見ると、なるほどこれなら大丈夫そうだ。また、二俣からオガラ沢ルートへ登っていくこともできるそうだ。
次に訪れるときは、そのどちらかに行ってみよう。