ヤマビルの多い地域は、ヤマビルが活発になる前に行っておくほうがいい。
最初の沢は体を慣らすためにも簡単なところから始めたい。
春岳沢は小滝が連続する初心者向きの沢だが、近年ヤマビルが多くなったということで、すっかりご無沙汰していた沢である。しかし、今の時期なら大丈夫だろうと思い、久しぶりに遡行することにした。
というわけで、今回は蓑毛からスタート。
柏木林道を登っていき、春岳沢を渡ると、まもなく髭僧ノ滝への道が分岐する。この分岐点付近の斜面はミツマタがいっぱい咲いていた。
髭僧ノ滝を見るのも7年ぶりだが、季節が違うこともあってか、久しぶりに見る滝に「こんな滝だったっけか?」と思ってしまった。
髭僧ノ滝の上まで登山道がついているので、滝を見た後は再び登山道を上がっていったのだが、あまり歩かれていないのか、木橋が古くなって、見るからに危なっかしく、左手の斜面を巻いていった。
沢に降りると、靴を履き替えて遡行開始。
このところ一気に暖かくなり、この日も、晴れで暖かくなる予報だったから、沢に行ってもいいだろうと思ったのだが、出かけてみれば、まったくの曇り空。う〜む・・・失敗だったか?
春岳沢は小滝が連続する沢なので、夏に水を浴びながら遡行していけば楽しいところだが、今の時期はまだあまり濡れたくない。しかし、あまり巻いてばかりだと、何のために沢に来たのかわからなくなってしまう。
今回は最初からあまりいい感じではなかった。
ヌルヌルして滑りやすそうだと思うと巻き、倒木があってうるさいと思うと巻き・・・久しぶりの沢は体のほうも感覚がいまいちだった。
沢に入って日が差し始めたと思ったのも束の間、その後はまたくもってしまい、寒くはなかったが、あまり沢歩きに適した陽気でもなかったようだ。
しかし、沢沿いにはハナネコノメやユリワサビなどの花も咲いていたから、まったくがっかりすることもなかった。
沢幅が広くなり、右手に明瞭な道がついているポイントで遡行終了。
春先で水量少なく、ここで水が涸れており、右側から出てくる湧き水だけが勢いよく流れ落ちていた。
遡行終了して靴を履き替えようとしたら、渓流タビにヤマビルが一匹くっついているのを見つけた。途中、けっこう立ち止まっていたので、どこかでくっついたらしい。今の時期ならまだ大丈夫だろうと思っていたが、もう活動を始めていたようだ。とはいうものの、まだ活発にはなっていないようで、動きはにぶかった。念のため、今回は虫除けスプレーを持っていったので、かけてみたところ、あっさりと死んだようだ。
昼食後、遡行終了地点から明瞭な道をトラバースしていった。ところどころ崩れていたが、たいして問題はなかった。やがて蓑毛からの登山道に出ると、山頂へと向かった。
山頂もくもっていて、展望もなしである。こんな天気でも大山はそれなりににぎわっていた。
ちょっと休憩した後、唐沢峠へ向かった。
唐沢峠から三峰山へ向かっていくと、晴れてきた。
いつもなら唐沢峠から三峰山に向かったら、そのまま煤ヶ谷方面へ向かうのだが、今回はちょっと考え直して、引き返し、不動尻へ下っていくことにした。沢沿いのルートには花でも咲いているのではないかと思ったのである。
その読みは当たって、ハナネコノメがいっぱい咲いていた。
他にもユリワサビやヒトリシズカなどの花が咲いていた。
不動尻からはそのまま林道を下っていき、バス路線に出ると、左手にバスが見えたので、急いで右手に走っていき、七沢病院入口バス停からバスに乗ったのだった。