震災の直接の被害はなくとも、計画停電の実施により、交通機関に多大な影響が出ていたし、いまだ余震が続いていることも考えると、自粛すべきかとも思ったが、この日は計画停電を実施しないというし、せっかくの好天、ただじっと家にいたところでしかたない。今回は小田急線に沿った里山をのんびり行ってみることにした。
鶴巻温泉駅から一走り、東名高速の下をくぐっていけばすぐに弘法山ハイキングコースに入る。
ひと登りすれば吾妻山で、吾妻山からは小さなアップダウンを繰り返しながら弘法山へ向かう。散策している人たちにもチラホラ出会う。
弘法山から先は公園化された道で、花見の時期にはたいへん賑わうところだが、まだ人も少ない。
権現山の展望台に登って展望を楽しむ。晴れ渡って、富士山がきれいに見えた。
市街に下ると、秦野駅の向こう側の渋沢丘陵へと向かう。
市街を抜けて渋沢丘陵へ登っていくと、秦野盆地を挟んで、表丹沢の山並みがきれいに見える。
そのまま車道を進んでいくと、まもなく、関東大震災によってできた震生湖に到着である。震生湖のまわりの遊歩道を歩いて行くと、湖岸から、あるいはボートの上から釣り糸を垂れている人がけっこういた。
震生湖の先のベンチで軽く昼食をとった。
再び、車道に出ると、西の頭高山へと向かった。
道端にはオオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウなどの花々がいっぱい咲いていた。
頭高山の周囲はぐるりと回るように道がついており、地図を見ずに歩いていったものだから、多少遠回りをしてしまったようだった。
山頂から引き返したところで、左の神山滝への道に入る。地図にはないが、明瞭な道がついており、ところどころに指導標もあった。
ぐんぐんと下っていくと、分岐があったが、直進して下っていったら、下の道路に出てしまった。失敗、失敗。登り返して、先ほどの分岐まで行けば、沢の音がするではないか。沢の方に下っていくと、思っていた以上に立派な滝が見えた。
上段の滝の近くまで道が付いていたので、まずはそこから滝を眺めた。下段部分は見えなかったが、日が差して、上段の滝に虹がかかっていた。
次に滝の下まで降りて、滝壺の手前から見上げることにした。2段で15mくらいだろうか。なかなか立派な滝である。
滝の下に小さな橋が架かっていたので、そちらから下っていけるかと思ったのだが、橋を渡って護岸の上を歩いていくと、民家の裏手にでも出てしまうようで、引き返して、さきほどの分岐まで戻って、登山道を下ることにした。
あとは、車道に沿って新松田駅へと向かった。
このところ真冬並に寒い日もあったが、今日は暖かく、すっかり春の陽気だった。
大震災によって日本中が揺れ動いているが、着実に季節は移ろい、春の花が咲き始めていた。