西丹沢方面の富士急バスはウェブサイトに記載がなくても、年末年始は特別ダイヤになるようで、バスの時間には注意が必要である。
2004年のお正月に利用したときのことを思い出して注意していった。
1本目が新松田駅8:25発で、2本目が10:35だった。
普通なら8:25のバスに乗るところだが、今回は泊まりということもあって、のんびりと出発。それでも、ちょっとギリギリの時間になってしまったのだが、なんとか谷峨駅からバスに乗っていった。
バスにはもう1組の登山者が乗っていたが、青ヶ岳山荘泊まりではなかったので、どこかの避難小屋に泊まったのだろうか。
年末年始は雪がないと思っていたら、30日の夜は雪の予報。
雪がなければトレイルランニング用のシューズで行くところだが、ある程度積雪があるなら登山靴でないと濡れてしまう。日帰りなら濡れてもかまわないが、小屋泊まりで1日目から濡れてしまうと嫌なものである。
出発前に秦野や山中湖のライブカメラを見ると、塔ノ岳はほとんど白くなさそうだし、山中湖のほうもうっすらと積もった程度だった。丹沢もせいぜい5cm程度の積雪だろうと思い、登山靴はやめておいた。念のため、青ヶ岳山荘のほうにも携帯メールで問い合わせてみたら、積雪2cmということだった。
大晦日であり、登り始める時間も遅かったので、登山者は少ない。
今回は泊まりということで普段より荷物も多いし、あまり汗をかいてしまうと1日目から着替えが必要になってしまうので、汗をかかない程度のペースで登っていった。
犬越路から檜洞丸への稜線はところどころで展望が開けて富士山が眺められた。
登山道にはうっすらと雪がついていたが、基本的には問題なかった。この程度なら靴下を濡らすこともない。
しかし、クサリ場にさしかかると、雪のついた岩がちょっといやらしかった。一番嫌だったのがハシゴの登りである。ハシゴのステップが丸いため、裏に雪の付いた靴ではツルツル滑るのだ。靴が滑らないように慎重に登っていった。
小笄〜大笄間の急なアップダウンが終わると、あとは問題ない。熊笹ノ峰を過ぎ、檜洞丸への最後の登りでは展望も開けて眺めも良かった。
山頂に到着すると、そのまま青ヶ岳山荘のほうへ下っていった。蛭ヶ岳〜塔ノ岳方面の眺めも良かった。山頂の東側の木々の上の方には白いものが付いていた。どうやら霧氷が付いていたようだが、のんびりと登っていったので、わずかに残っていただけだった。
青ヶ岳山荘に入ると、小屋番のおばさんは一度しか会ったことなかったのにしっかりと覚えていてくれたようだった。「木の葉さんは疲れてもいないだろう」って、まあのんびり登ってきたからそうなんだけど。
「山の散歩道」のsanpoさんとも再会。実は、直前に連絡を取っていたのだった。
他に知っている人はいないと思ったら、「木の葉さんってポチさん?」と声をかけられて驚いた。実は以前お会いしたことがあったらしいのだ。この方のサイトは見たことがあったので、名前(ハンドル)を聞いていたら忘れるはずはなかったのだが。まさか以前お会いしていたとは夢にも思わなかったのだった。ここでも「丹沢マイナールート探検隊」が話題となった。(すごいぞ、キリヤマ隊長!)
こたつにあたって、のんびりと過ごし、夕方になると、夕日を見るためにカメラを持って出ていった。
小屋を出たときは、蛭ヶ岳が夕日を浴びて赤くなっていたのだが・・・
山頂に登ったら、夕日は富士山の向こうにほとんど沈んでいくところだった。
え〜〜〜っ!
急いで、犬越路側に少し下っていったが、時すでに遅く、夕日は完全に富士山の向こうに沈んでしまっていた。
トホホ・・・(バカじゃん!)
のんびりし過ぎて、夕日を見損なってしまった。
それでも、しばらく夕暮れの富士山の写真を撮っていた。しかし、風が強くて寒かった。
これ以上ねばってもしょうがないと思って、引き返していったが、山頂で振り返ると、なんだかさきほどよりも良さそうな感じがして、木の間から富士山の写真を撮った。
大晦日の夜は小屋番さんを含めて総勢10人での年越しとなった。こたつにあたるにはちょうどいい人数だった。
食事は基本的には保存食で対応だが、年末年始は特別メニューでおそばも出た。鴨肉入りのそばである。
夜、外に出てみると、夜景がきれいだった。蛭ヶ岳の左側に見える夜景は八王子の方だろうか?小田原方面の夜景も眺められたが、今回は三脚もなかったので、写真はあきらめた。
星空もきれいで、オリオン座などきれいに眺められた。
8時半を過ぎて消灯になり、寝ることにした。
夜中、目が覚めると、布団の中にいてもちょっと寒かった。横を向いて体を丸くして寝ることにした。風が強く、ビュービューと音をたてていた。
朝は、早出するわけでもないので、わりとゆっくりと寝ていた。とはいえ、初日の出には十分に間に合うように起きたことは言うまでもない。
日の出の30分前にはすでに空が赤くなっているので、一度外に出て写真を撮るが、そのまま外にいると寒いので、すぐに小屋の中に入る。
日の出は小屋の前から眺められるが、富士山を眺めるには山頂に登って犬越路側に少し下らなければならない。どちらを優先するか?
2004年のお正月に訪れたときと同様、日の出を見たら、山頂に登って富士山を見に行くということで決まりである。(夜明け前の青白い富士山もよいことはすっかり忘れていた。)
日の出の時間が近くなったところで、外に出て山頂へ向かう登山道の途中から初日の出を眺めた。多少、雲があったが、まずはよい初日の出だった。
初日の出を眺めたら、次は急いで山頂へ登り、犬越路側の開けたところまで下りていく。
ほんのりと赤くなった富士山のほか、南アルプスや八ヶ岳もよく見えた。
小屋に戻ると朝食でお雑煮やらおせち料理やらいただいた。
早出の人たちは日の出の前に朝食を済ませていたが、日の出を見た後にのんびりと食事をしていたら、あっという間に8時を過ぎていた。
そして、のんびり出発だが、その前に犬越路へ向かうsanpoさんを見送りつつ、もう一度富士山を眺めるため山頂に登っていった。蛭ヶ岳までは展望は望めないので、今のうちに楽しんでおくことにしたのだ。富士山や南アルプスはよく見えたが、八ヶ岳はすでにくもって見えなくなっていた。
そんなわけで、檜洞丸を出発したときはすでに8時40分を過ぎていた。
朝の寒さもあって、フリースを着て歩いていった。
まずは、ぐんぐんと下っていくが、蛭ヶ岳方面がちょっと開けたところで眺めてみれば、すでに蛭ヶ岳方面は雲が広がっていた。
金山谷乗越、神ノ川乗越と越えていき、臼ヶ岳への登りにさしかかったところで、リスが木に登っていくところを見つけた。あっという間にどこかに消えてしまい、やっぱり写真に撮れない。
臼ヶ岳は蛭ヶ岳の眺めのよいところだが、すっかり曇り空になってしまっていた。
蛭ヶ岳への登りは急でクサリもついているが、雪はついておらず、まったく問題なかった。
雲は多かったが、相模湾が輝いていて、伊豆大島や利島、新島、さらには神津島も眺められた。
蛭ヶ岳から一旦下って、鬼ヶ岩へ登り返す。
鬼ヶ岩から振り返れば、蛭ヶ岳や檜洞丸が眺められるが、富士山はすっかり雲の中である。
不動ノ峰を越えていくと、丹沢山〜塔ノ岳の稜線の向こうに大山が見え、さらにその向こうには江ノ島や三浦半島、房総半島まで眺められた。
丹沢山で昼食を取り、塔ノ岳へ向かう。
富士山には相変わらず雲がかかっていたが、塔ノ岳から表尾根や大山方面はまずまずの眺めだった。
塔ノ岳からはまっすぐ大倉尾根を下っていった。
普段より荷物が多かったし、フリースも着ていたので、汗をかかない程度のペースで下っていった。
3時過ぎに大倉に下山すると、待っていたバスにそのまま乗って、あっという間に渋沢に着いたのだった。