北茨城のとある水辺の森を訪れた。
踏み跡はあるが、整備された登山道ではなかった。
沢沿いなので、長靴を履いて、ときには沢の中をザブザブ歩いて行くと、あたり一面、至る所にカタクリが咲いていた。
カタクリの自生地として柵で囲われて保護されているようなところではなく、踏み跡沿いにもあちこちでカタクリが咲いているので、うっかり踏まないように注意して歩かなければならなかった。この場所を知る人は少なく、「秘密の花園」として、ひっそりと人知れず自然のままにそこにあるようだ。
山菜採りか、自然観察か、それとも仕事なのか、チラホラ人が入っていた。しかし、森の中はあくまでも静かで、東京近辺の山とはまったく違って、ゆったりと時が流れていた。
こんなところでは、とにかく静かに過ごしたい。花の写真を撮るだけで、できうる限りその場を荒らしたくない。そして、このまま手つかずの状態でずっと残っていてほしいものである。
場所を変えて、小さな沼を訪れると、クロサンショウウオの卵があった。白っぽい卵のうがいっぱいあった。一つ一つの卵のうの中に数十個の卵が入っているらしい。
さらに、また別の場所へ移動すると、またまたいろいろな花が咲いていた。キクザキイチゲはあちこちに咲いていたし、エンレイソウも咲いていた。
その他、最初に訪れた湿原にはミズバショウも咲いていたが、こちらは霜のせいで茶色くなっており、残念だった。
今回は、何箇所か、それも短時間訪れただけだったが、あちこちでいろいろな花を楽しめた。
道路沿いにもけっこう花があった。ガードレール越しに下を見れば、斜面にキクザキイチゲやカタクリがいっぱい咲いているところもあり、なんともうらやましいことであった。