この週末はどうも天気がパッとしないようだった。
しかし、今の時期にこそ咲く花でも見られないかと思い、出かけていくことにした。
あちこちでタマアジサイが咲き、湿った岩場ではイワタバコが咲いていた。(毛がなかったからケイワタバコではなく、イワタバコのようだ。)が、ガスがかかっていて、薄暗かったので、写真には撮らなかった。もう少し明るいところにあったら写真に撮ろうと思ったのだが、結局、その後は見かけなかったのだった。
今頃の時期にこそ咲く花があり、もしかして見られないかとほんのわずかな期待を抱きながら歩いていく。かつてはいっぱいあったとしても、今や稀となった花をそう簡単に見られるなどとは思わなかったが、最初からあきらめて家にいるよりは、とにかく探しにいってみた方がいいではないか。今頃の時期に歩いてみようと思っていたルートを歩いていった。
何度か歩いたことのあるルートだが、いつもと逆に歩いているので、ちょっと勝手が違う。
そんなこともあって、道を迷いかけた。まあ、そのまま登っていけば大丈夫と思って、さして心配することもなかったのだが、そんなこんなでさまよっているとき、ふと一輪の花が目に入った。小さな花がたった一輪。花の状態はあまりよくなかったから、そのまま見向きもせずに行ってしまってもおかしくなかった。が、この花ってもしかして? と思ったから、とりあえず写真を撮ることにした。
近くに同じ花があるかもしれないから、注意して登っていくと・・・
「あった!」
今度は一輪だけではなかった。
目指していたものに巡り会えたことがわかった。
園芸品種ほど目立つ花ではないし、小さな株で花も少ないから、「な〜んだ」と言われそうだが、そんなことはいいの。見られただけで大喜びなのだ。
それにしても道に迷いかけたところで、この花に出会うとは何とも運のいい話ではないか。やはり、これは山の神に見せてもらったと言うべきかもしれない。
その近くでさらにもう一輪、そして、その後しばらくして、一般登山道沿いにもポツンと一輪咲いているのを見つけた。絶滅危惧種とはいえ、実はあちらこちらに小さな株が散在しているのかもしれない。だったら、今後また増える可能性だってあるのではないかと期待したい。
目的が達せられたので、あとはもうどうでもいい・・・というわけではないが、先を急ぐことにした。
オトギリソウやキンレイカなどこれまで写真を撮っていなかった花の写真を撮り、その後、お馴染みのマルバダケブキやシモツケソウを写真に撮った。まあ、今日はこんなもんでいいでしょう、といったところである。
本当はもっと書きたいことがあるのだが、やはり今回は自粛するしかあるまい・・・