四十八瀬川の本沢は入渓する人の少ない沢だが、上流部には25mの大滝があるというので、見に行くことにした。
西山林道を本沢まで進み、沢に入る。とはいうものの、本沢は最初、堰堤が続くので、しばらくはランニングシューズのまま右岸側をひたすら堰堤を巻いて登っていく。
堰堤が終わり、ようやく、沢らしくなって、靴を履き替えていくと、F1が現れる。
なかなか見事な滝で、写真を撮ると、さっそく巻道を探す。少し戻った左岸から登って滝の方に行きかけるが、はたしてその先、窪を越え、滝の落ち口へ抜けられるかどうかわからず。確実なルートを求めて大きく高巻くことにする。登りすぎたかとも思ったが、窪を越えていくと、F1の上に降りていく明瞭な踏み跡があり、慎重に下っていく。
沢に降りると、すぐにF2、F3と続いているのが見える。
ここでも写真を撮ると、さっさと巻きである。先ほど降りてきたところを、少し登ると、滝方向にトラバースしていく踏み跡があり、これをたどってF3の上に降りる。
F3の上もまだ滝場が続いている。
小滝を登ると、F4が立ちはだかるが、左から小滝が流れ落ちているので、この滝を登り、さらに右岸を巻いていく。
その上には堰堤が2つ続くので、そのまま巻いていく。1つめの堰堤の上には広いプールになっていた。
2つめの堰堤を越えると、石ばっかりの河原となり、まもなく水流が消えて伏流となった。
殺風景な河原を上っていくと、再び水流が現れる。
そして、二俣。左はそのまま広い石の河原が続いていて、こちらが本流のように見える。右俣は両岸が狭まって雰囲気もよさそうである。
右俣を登っていくと、またまた二俣。右の沢は小滝が連続しているのが見える。そして、左に目をやると、正面は垂直な壁となっており、見事な大滝が流れ落ちていた。さきほど一旦は水流が消えた沢の上流にこれほど見事な滝があるなどと、予備知識なしに誰が予想し得よう。
大滝は巻くのもたいへんそうであり、また大滝の上はすぐに水の流れがなくなるらしいので、右の小滝が続く沢を登っていくことにした。
こちらは小滝を登っていくと、やがて水流も涸れてくる。次第に傾斜も増してくるので、適当なところで右手の尾根に取り付いて、ぐんぐん登っていく。そして、やがて小丸の尾根の登山道に出たのだった。
本沢は水流のあるところを歩いているよりも巻いている時間の方がずっと長かったので、沢歩きとしてはあまり楽しくはなかったが、大棚は見事であり、遡行した甲斐があった。
小丸から鍋割山経由で下山。
西山林道でハナイカダのことを思い出し、写真を撮っていくことにした。葉の中央に花を付けるというちょっと変わった植物である。