0:40、八王子駅からムーンライト信州に乗車。
通勤電車ではあっさり眠ってしまっても、夜行電車では今までほとんど眠ることができなかった。白馬まで行くならともかく、甲府で下りるとなると、眠ってしまうわけにもいかないのだが、なんだか今回は最初から眠くて、ちょっとやばそうな予感。それでも、うつらうつらするだけで、眠りに落ちずに済ませた。(もしも眠ってしまったときは、予定変更して、白馬とか上高地など起きたところから行けるところに行こうと思っていた。)
2:21、甲府駅に到着。
夜中についても、バスの時間まで1時間半以上も待たなければならない。バスターミナルにあるベンチに横になるが、夏ならともかく、10月ともなるとちょっとだけ寒い。
4:00、広河原行きのバスが出発。連休中ということで、登山者も多く、バスは3台出た。昨日はもっと多かったのだろう。
5:10、夜叉神峠登山口で下車。夜叉神峠のゲートは5時半にならないと開かないので、それまでバスは発車できない。夏ならすでに夜が明けている時間だが、まだ暗い。トイレに行き、軽く朝食を食べて出発の準備をする。
5時20分、夜叉神峠登山口からスタート。
空は少し明るくなってきてはいるが、まだまだ暗いので、ヘッドランプを点灯して登っていく。開けたところならともかく、登り始めは樹林帯だから、ヘッドランプ必携である。
5時半を過ぎると、けっこう明るくなってきて、ヘッドランプ無しでも歩いていけるようになった。
夜叉神峠まで登ると、展望が開けて、朝日を受けた北岳などがよく見えた。(夜叉神峠は白峰三山の眺めがよいところです。)
汗をかいたので、シャツを一枚脱いだ。
夜叉神峠からしばらくはなだらかな下りになるので、ちょっと小走りに足を進める。
再び登りになって、大崖頭山の西側を巻いていくところに杖立峠の道標があった。本来の杖立峠はこれよりもう少し先の鞍部らしい。
さらに登っていくと、かつての山火事跡で西側が開けたところに出る。ここからは、白峰三山の眺めがよい。
再び樹林帯に入って苺平まで登っていく。それなりに標高も高くなって、手がちょっと冷たくなり、手袋を持ってくるべきだったかと思った。
苺平から南御室小屋まではなだらか下りとなる。南御室小屋の少し手前で右側がちょっとだけ開けて、奥秩父の山並が見えた。
南御室小屋からの登りは、いきなりザレた急登で始まる。歩きにくいのは最初だけだが、まだしばらくは登りが続く。そして、大きな岩が出てくると、いよいよ・・・である。
ちょっと開けたところで振り返ると、富士山がきれいに見えた。今日はかなりいい天気で、期待が高まる。
森林限界を抜けると、砂払岳で、振り返れば富士山がきれい。
左手には白峰三山がよく見える。
鳳凰三山と言うと、白砂青松の稜線がきれいだが、砂払岳からそれが始まる。ここからが、このコースのハイライトとなるので、カメラを首から提げて歩いていくことにする。
砂払岳のピークを越えると、前方に薬師岳の岩塔が現れる。
前半けっこうとばしていったので、時間的にかなり余裕ができた。
だから、ここからの本コースのハイライト部分は、急がずに楽しんでいくことにする。
砂払岳からちょっと下って、薬師岳との鞍部に薬師岳小屋があり、登り返していくと、薬師岳の山頂である。
薬師岳には2つの岩塔があるが、概ね平らな山頂で、白い砂に岩が点在し庭園風なところである。左手には北岳から間ノ岳、農鳥岳と続く白峰三山が間近に見えるし、右手には八ヶ岳が、そして振り返れば富士山も見える。
薬師岳から観音岳へ向かう道は、しばらく平坦で、まさしく日本庭園を歩いているようである。
薬師岳から観音岳への道はなだらかで快適な道である。急ぐ必要もないので、写真を撮りながら歩いていく。少し登っていったところで振り返れば、薬師岳の向こうに富士山もきれいに見える。
観音岳まで登ると地蔵岳のオベリスクや甲斐駒ヶ岳もよく見える。よく見れば、甲斐駒ヶ岳の右には北アルプスの槍ヶ岳も見えた。
岩の積み重なった観音岳の山頂でしばらく展望を楽しんだ。朝のうちに登れたこともあって、雲に隠されることもなかった。
観音岳からしばらくは下りで、どんどん下っていく。
下った後は、赤抜沢ノ頭へ登り返していく。白い砂と岩がきれいである。
赤抜沢ノ頭まで登ると、鳳凰三山のシンボルである地蔵岳のオベリスクがよく見える。
よく見ると、オベリスクのてっぺんに登っている人たちの姿も見えた。
赤抜沢ノ頭からひとくだりで、お地蔵さんの並ぶ賽ノ河原で、目の前にオベリスクがそびえ立つ。
とりあえずオベリスクの下まで行ってみることにしたのだが、オベリスクを登っていくおじさん、おばさんたちがいたものだから、私もつられて登っていった。2枚の巨岩が合わさった基部まで登ると、ちょっとした広さがあるので、荷物を下ろして、ちょっと休憩。
一番上の2枚の巨岩の間にはロープが下がっているので、岩登りをする人なら、一番上まで登れそうだが、素人には無理である。巨岩の基部のところで引き返す。(ここまでなら難しいところはないが、登るよりも下るほうが難しいから、慣れない人は安易に登らない方がよい。)
地蔵岳から鳳凰小屋へは白い砂の斜面を下っていく。ちょっと富士山の砂走りを思い起こさせる下りである。砂の斜面に足を滑らせながら下っていくので、滑り落ちていかないようにゆっくり下っていく。歩きにくいところである。
樹林帯に入ってホッとするが、暑くなったので、ジャージを脱いで半袖のTシャツ一枚になった。
鳳凰小屋まで下ると、休憩している人多数。
ちょっと立ち止まっただけで、すぐ下っていこうとしたら、小屋の人に「日帰り?」と聞かれた。
軽快(軽装とも言う)に見えたから日帰りとわかったようだが、きっと他にも日帰りで来る人たちがいるということだろう。
鳳凰小屋で道は分岐するが、右のドンドコ沢のコースを下っていく。
ドンドコ沢のコースはけっこう段差があったりして、ちょっと歩きづらい登山道である。だから、下りだからといって、ペースを上げて下っていくことができない。(夜叉神峠登山口からの登山道は、よく整備されていて歩きやすいコースだった。)とはいえ、荒れているというほどのことはないから、問題なく歩いていけるコースである。
そして、このコースでは五色滝や南精進ヶ滝など大きな滝をいくつも見られるのが魅力である。
下っていった場合、最初に見られるのが五色滝である。ここでは、三脚を立てて写真を撮っている人たちがいた。ドンドコ沢の滝の中でも一番見やすい滝である。
五色滝までは順調に来ていたのだが、五色滝から下はガスがかかっていた。
そのため、次の白糸ノ滝では沢の流れが霞んで見えた程度で、肝心の滝は見えなかった。
今回は、このまま下の滝も見えずに終わってしまうかと思ったが、次の鳳凰ノ滝まで下ると、ガスも晴れたので、滝を見に行った。鳳凰ノ滝はドンドコ沢の登山道から5分ほど脇にそれていくので、この滝は見ない人もいるようである。鳳凰ノ滝も大きな滝だが、滝見台はちょっと遠いのが難点。鳳凰ノ滝の下もほとんど滝のような流れになっているし、滝見台のすぐ下も滝になって豪快に水が流れ落ちているから、これ以上は近づけないようである。
そして最後は南精進ヶ滝。これまた見事な大滝だが、手前にある岩が邪魔で下段が見づらい。
地蔵岳に着いた時点では、相当早く下山してしまうかとも思ったが、ドンドコ沢コースの下りは段差があったりして歩きづらかったので、ゆっくりペースになった。
もっとも、バスの時間を考えると、あまり急ぐ必要もなかった。(12時15分の次は3時で、その次の最終が5時だった。)12時台のバスは無理だから、急いで下っても、バスを待つ時間が長くなるだけであり、急ぐ必要はなかったのである。
結局、2時34分、青木鉱泉に到着。
3時のバスには余裕で間に合った。
青木鉱泉で休憩とも思ったが、バス停に行ったら、すでにバスがとまっており、すでにバスに乗っている人たちがいたので、私もそのままバスに乗ることにした。
このバスは、普通の路線バスというよりは観光バスのようで、快適だった。
前夜はほとんど眠っていなかったので、当然のごとく眠ってしまった。
(今回のように夜行で行く場合、たとえ眠れなくても、目を閉じて休んでいればOKと思って、がんがん山を歩いているが、さすがに下山した後は疲れもするし、眠くもなる。)
鳳凰三山は2000年の夏以来で2回目だが、前回撮った写真をすべて捨ててしまってもいいと思えるほど、今回は好天に恵まれて、写真もいっぱい撮れた。今年はなかなか思うように山に登れなかったりしたが、今回はその鬱憤を晴らすことができたようである。
夜叉神峠登山口(5:20)→夜叉神峠(5:49-5:53)→杖立峠(6:34)→苺平(7:27)→南御室小屋(7:47)→薬師岳(8:45-8:49)→観音岳(9:10-9:27)→地蔵岳(10:22-10:52)→鳳凰小屋(11:13)→五色滝(11:41-11:53)→白糸滝(12:13-12:15)→南精進滝(13:??-13:36)→青木鉱泉(14:34)