この週末はまた暑いらしい。
こういうときは、やっぱり涼を求めて沢登りにしようかと思った。
一方で、今頃の時期に咲く花の写真を撮りに行こうかという案もあった。
沢登りの場合は、どうしても荷物が増えるので、マクロレンズまで持っていくわけにはいかない。それで、どうするか迷ったあげく、沢用の靴に履き替えなくても歩いていける沢に行って、涼みながら花も見るということにした。
大倉から戸沢までが長いがしかたがない。大汗かきながらも走っていった。途中、竜神の泉でのどを潤したのは言うまでもない。あちこちで、タマアジサイが咲いていた。
書策新道を登っていくと、右手の下の方から声が聞こえる。本谷を遡行している人たちも多いのだろう。書策新道が本谷を横切る手前では、本谷F5のクサリを登る人たちの姿も見えた。
本谷F5の上で書策新道とわかれて本谷に入る。ここからは、ゴーロ歩きで、靴を濡らすこともない。
F6、F7と越えていくが、花のほうは、どうもあまり見あたらない。
しかし、F8の手前まで行くと、あちこちでピンクの花が咲いていた。ビランジである。
F8は、来る度に少しずつ様相が変わっていくような気もする。崩壊が激しく、今後もさらに崩壊が進んでいくのだろうか。
F8の周辺はビランジの群生が素晴らしかった。これほどの群生は他では見られないのではなかろうか。もちろん、ビランジのお花畑はとても近寄れるような場所ではないので、遠くから見るだけである。(近くにも少しはまとまって咲いているところもあったので、写真を撮った。)
F8の巻道はロープも設置されており、さほど危なくはないようである。
巻道から沢に下り、次のF9を右から巻き、今や完全に壊れた石積堰堤で水は涸れ、ガレ場になる。早めに左手の尾根に取り付き、踏み跡をたどって登っていけば、登山道に近い明瞭な踏み跡になり、さらに進めば、やがて表尾根の登山道にひょっこりと飛び出す。あとひと登りで塔ノ岳である。
登山道に出る前に、あちらこちらでシモツケソウが咲いていた。
塔ノ岳で昼食を取り、その後、鍋割山へ向かう。
塔ノ岳も少なかったが、鍋割山稜もほとんど歩いている人がいなかった。まったく静かである。
鍋割山では他の登山者が一人もいなかったが、小屋から外に出てみたら、シカが13頭も山頂に来ていた。
鍋割山からの下山路では、あちらこちらでヤマホトトギスが咲いていた。
後沢乗越と二俣にあった通行止めの看板が撤去されていた。
二俣〜後沢乗越は半年に渡って通行止めになっていたが、ようやく通行止め解除のようである。なお、まだ林道上で作業は行われていた。
西山林道では、キツネノカミソリが咲いていた。
今日は案外いろいろな花が見られてよかった。
某所ではこんな花も咲いていました。