日帰りの富士山

日付 :2007/08/11
コース:須走口新五合目→富士山(お鉢めぐり)→須走口新五合目

 富士山は登って楽しい山というよりは、見て楽しむ山だよな〜
 とはいうものの、やはり一度は登らなくては・・・と思って、5年前に登った。
 それきり、もう登らなくてもいいとも思ったが、今回、ひょんなことから再び登ることになった。

 御殿場駅を8時10分発のバスに乗っていった。須走口新五合目までは約1時間である。
 五合目に近づくと、下り路線は大量の路上駐車で、すれ違いできない状態になっていた。駐車場がいっぱいで入れないのはわかるとして、美しくない光景である。

富士山
須走口新五合目からの富士山

 五合目から見上げる富士山はやはり高い!
 須走口新五合目の標高は2000mより少し低いから、山頂との標高差は約1800mということになる。丹沢の大倉尾根(標高差1200m)の1.5倍あるのだから、当然といえば当然だが、山頂ははるか彼方に見える。
 山に登る準備を簡単にして、さっそく登り始める。
 いきなり登り始めたら、息が早い。標高2000mだから、少し体を慣らした方がいいのだろうか? などと思っているうちに、普通の呼吸に戻ったので、そのまま登る。

 今回は珍しくストックを使用することにした。
 しかし、長いこと使っていなかったので、ストックが固まっていて、長さを調整できず、しばらく両手に持って、いじりながら歩いていた。(その後、なんとか使えるようになって、トホホは回避。)

 樹林帯を登っていき、しばらくすると開けたところに出て、左手にはこれから登っていく富士山が、右手には山中湖とその向こうには丹沢山塊が見えた。

富士山
富士山
山中湖と丹沢山塊
山中湖と丹沢山塊を望む

 花を楽しむなら、富士山よりもアルプスのほうが断然よいが、富士山だって下の方はそれなりに花もある。ムラサキモメンヅル、ミヤマハンショウヅル、シロバナノヘビイチゴ、クルマユリなどの花が咲いていた。

クルマユリかな?
下の方では、案外花も咲いている。

 六合目あたりはまだ木もあるから、日陰もあるが、登っていくうちにつれ、木は少なくなり、花も少なくなる。それでも、イワツメクサは八合目あたりでもけっこう咲いていた。

イワツメクサ
イワツメクサ

 今回はけっこうのどが渇くので、給水しながら登っていった。今回は水1リットル持っていったのだが、そういえば、以前は夏になると水を1リットル持っていくようにしていたのだった。(忘れていた。)
 ところどころで、写真を撮り、水を飲みながら、登っていく。
 小休止のみで大休憩はなし。
 登っていくにつれ、登山道の途中でも立ち止まったり、座り込んだり、中には横になって休んでいる人も・・・アルプスなどとちがい、富士山は普段あまり山登りなどしない人も登ったりするが、やはり楽に登れる山ではない。五合目付近はなだらかで緑も多いが、登っていくにつれて、傾斜も急になり、砂礫の道になる。登山口から山頂までの標高差も相当なものだし、空気も薄くなるから余計にきついだろう。
 富士登山は、ひたすら登り続けるのだから、体力勝負。楽な山じゃない。
 本八合目で吉田口からの登山道と合流すると、人も多くなるので、休んでいる人も余計に多くなったようである。

本八合目付近から山頂を見上げる
本八合目付近

 富士登山では、六合目、七合目、八合目とあるから、どれだけ登ったかおおよその目安になってわかりやすい。しかし、七合目の次に本七合目、八合目の次に本八合目とかあるから、なんだかよくわからなくなってくる。さらには八合五勺なんてのもあるのだ。
 九合目は小屋がないから、気づかずに通過してしまった。そろそろかな・・・なんて思って見上げてみれば、山頂の小屋が見えていた。

 登っていくにつれ、風もひんやりしてくる。晴れていても、3000m以上登れば当たり前とも言えるが、冷たい風に高いところにいることを実感。
 歩いている限り、Tシャツ一枚で問題なかったが、ゆっくり休憩するなら、長袖の服が必要かもしれない。今回は日帰りだし、天気も良いと思ったから、防寒具も兼ねてレインウェアは用意していたが、それ以外は持っていかなかった。小屋泊まりで御来光を見るならば、長袖が必要であることは言うまでもない。

下界を見下ろす
山中湖や雲を見下ろす

 そして、ついに山頂に到着。
 富士山はやはり高い。東を見下ろすと山中湖やその周辺の山が見えるが、はるか下の方である。山中湖の向こうには雲もかかっているが、やっぱりこれも見下ろすことになる。
 富士山は一気に登ると高山病にかかる場合があるが、私の場合は頭が痛くなったりすることはなく、大丈夫だったようである。まあ、一気に登ったとはいっても、そんなに速いペースで登り続けたわけでもないのだけど。

剣ヶ峯
火口の向こうに剣ヶ峯

 富士山の最高点といったら剣ヶ峯である。須走口から登った場合は、火口のちょうど向こう側である。だから、剣ヶ峯に登るなら、お鉢めぐりをすることになる。
 すでにお昼を過ぎていたのだが、昼食はまだだったので、ちょっと休憩してパンを食べることにした。しかし、1個食べるのがやっと。それも水を飲みながらやっと食べたのだった。ちなみに水は飲んでいるようでそれほどでもなく、山頂でようやく500ミリリットル飲み終えたのだった。
 頭痛などはなかったが、さすがに標高も高いせいか、下界のようにはいかず、ちょっとした登りでもきつかった。お鉢めぐりは、だいたいがなだらかな道だが、多少のアップダウンがあり、そのなだらかな登りでさえもきつく感じられた。
 お鉢めぐりは、大半がなだらかな道だが、剣ヶ峯の登りだけは短いけれど急な登りで、しかも滑りやすい。この急登がきつくて、本当にゆっくりゆっくり登っていったのだった。
 剣ヶ峯でちょっと写真撮った後、お鉢めぐりを再開。一周したところで、ジュースでも買って飲もうかと思ったが、どうもほしいのが見つからなかったので、あきらめて下山することにした。

須走口下山道
下山道を見下ろす

 須走下山口からブルドーザー道をジグザグに下っていく。山頂ではちょっとした登りもきつかったが、下山は楽である。走っている人もいた。それを見て、私もちょっとだけ小走りに下っていった。
 下りはまったく早くて、あっという間に八合で吉田口下山道と分岐する。
 七合までは部分的に登山道と下山道が一緒になっているが、七合からは登山道と別れて、砂走りとなる。砂走りはジグザグではなく、真っ直ぐに下っていくから、早い。
 あっという間に駆け下りていく人もいる。

砂走り
砂走り

 転ばないようにあまりスピードは上げずに下っていったが、ある程度テンポよく下っていくのがいいようだ。ロングスパッツを持っていくかどうか考えてやめたのだが、やはり砂走りではスパッツがないと靴の中が砂だらけになってしまう。砂まみれになりながら、一気に下っていった。

 砂払五合で靴の中の砂を出し、休憩。ジュースを買って飲んだ。本当は、ここで顔も洗いたかった。全身砂まみれのような気がした。
 砂払五合から下っていくと、やがて樹林帯に入り、下山道は登山道と合流して新五合目へと下っていった。

 バス停で次のバスの時間を調べると、1時間以上待たなければならないことがわかった。しばらく休憩するにしても、ちょっと長すぎる。それで、小富士へ行ってみることにした。須走口新五合目から小富士まではお手軽なハイキングコースである。
 小富士は開けたところで、天気が良ければ360度の展望を楽しむことができるところである。
 富士山もよく見えるが、さすがにこの時間では逆光で写真を撮るには不向きだった。

富士山
小富士から見た富士山

 一般的に富士登山は高山病にかかる恐れがあるから、体を慣らしながらゆっくり登るのがいいと言われている。日帰りではそうもいかないが、小屋泊まりならば、高山病予防にもいいし、御来光も眺められるから、さらにいい。
 今回は、日帰りだったので、一気に登って、お鉢めぐりして、一気に下山。
 今回、一番きつかったのは山頂への登りではなく、お鉢めぐりだった。
 富士山は高い。高山病とまでいかなくても、少なからず影響を受けるようである。


須走口新五合目(9:14)→六合(9:57)→七合(10:56-10:59)→八合(11:40)→山頂(12:38)→剣ヶ峯(13:29-13:34)→須走下山口(14:18)→八合(14:39)→七合(14:55)→砂払五合(15:20-15:27)→須走口新五合目(15:46)

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