このところ、低い山ばかりで1000m以上の山に登っていなかったので、久しぶりに塔ノ岳に登ることにした。
今回、どこから登っていこうかと考えたとき・・・
前回、シュンランを見つけたから、今度はあの花が咲き始める頃ではないか? と思い当たった。
特に珍しい花というわけではないから、他のルートでも見られるはずだが、私が表丹沢でその花を見つけたのは三ノ塔尾根で、そのほかではどこに咲いているか知らない。それで、今回は三ノ塔尾根を登っていくことにした。
大倉から風の吊橋を渡り、しばらくは林道沿いに登っていく。
林道沿いにもいろいろな花が咲いているので、写真に撮りながら登っていく。
三ノ塔尾根は、けっこう長い尾根であり、途中、ほとんど展望もないから、歩く人も少ない。今回も下ってくる人に数人会っただけで、登っている人は見かけなかった。
したがって、静かな登山道だったが、多少荒れていた(というほどではないか)。土留めの階段があっても、土が流されているようなところがけっこうあった。あまり登山道整備の手が届いていないのかと思うと、緊急通報用看板が設置されていたりして、なんだかなぁ・・・
三ノ塔尾根では、期待通り、ヒトリシズカが咲いていた。
まだ葉が開ききらないうちに、茎先に長さ3cmほどの穂状花序を1本つけるこの花は、静御前の美しい舞姿にたとえてその名がつけられたとか。花が葉に包まれるようにして咲いているのがよいのだが、私が初めて見たときは、葉が開ききってしまっていて、がっかりした記憶がある。
その後は、ほとんど見るべきものもなく、ひたすら三ノ塔尾根を登っていった。
そして、三ノ塔に到着すると、展望の良い表尾根を塔ノ岳へ向かう。
天気は良かったが、春らしく空気は霞んでいて、富士山も見えたけど、いまいち。
標高1000m以上では花はまだか・・・と思ったが、表尾根の日当たりの良いところではコケリンドウが咲き始めていた。
塔ノ岳で昼食をとった後、鍋割山に向かったが、鍋割山稜も歩く人は少なく静かだった。二俣〜後沢乗越が通行止めになっている影響だろうか。はたまた、お花見シーズン真っ盛りで、山に登る人が少なかったのか。
鍋割山荘の草野さんから聞いたところでは、通行止めを無視して登ってくる登山者がいるということだった。工事している人たちも工事中は周囲にまで気が回らないから、突然の登山者にびっくりということになるらしい。実際、作業中はたいへん危険だから、ガードマンをつけて絶対に通させないようにすべきということだった。
なお、間伐作業は8月末までの予定になっているが、作業を行う場所は1箇所ではなく、何箇所かあるので、作業のしかたによっては、予定よりもかなり早く通行止めが解除される可能性があるようである。つまり、現在、二俣〜後沢乗越の林道及び登山道沿いで間伐作業が行われているが、沢の右岸側(南側)でも間伐作業が行われることになっている。こちらの作業をする際は、登山道や林道を通行止めにする必要がないと思われるからである。同時並行で作業を進めるのだとだめだが、こちらがすべて終わってからあちらをやるというようにすれば、早めに通行止めを解除できるはずというわけである。
西山林道では、あちこちでマメザクラが咲き始めていた。
また、水たまりではでっかいカエルが産卵に来ていて、ゲコゲコ鳴いていた。