原小屋沢

日付 :2006/04/22
コース:宮ヶ瀬→伝道→雷平→原小屋沢→姫次→焼山→焼山登山口

 原小屋沢には一度行ってみたいと思っていた。
 雷滝、バケモノ滝、ガータゴヤの滝など丹沢では珍しく固有の名前のついた大滝が多い沢だが、アプローチが長く、ヤマビルに注意が必要であり、帰りのバスの便が極端に少ないなどといった理由で、なかなか行けなかったところである。
 今年は行ってみたいと考えていたのだが、ようやくその時が来た。

 宮ヶ瀬から伝道までのアプローチが長いが、例によって、早戸川林道を走っていく。暖かくなったせいか、けっこう車が入ってきている。丹沢観光センターの前にはマイクロバスまで止まっていたから驚いた。釣り人や登山者が大勢入ってきていたようである。

ミツバツツジ
ミツバツツジ

 伝道から雷平へ向かう途中で、団体さんを見つけてびっくり。早戸大滝でも見に行くのだろうか?
 伝道〜雷平で1箇所だけ木橋が渡れなくなっていて、徒渉しなければならず、ここで渓流タビに履き替えた。この地点を徒渉した団体さんが靴を履いているところを見たのだが、そのすぐ先でまたまたこの団体さんは徒渉していた。でも、そこには赤い矢印があって、左岸に道がついており、ロープも設置されているから、水の中に入らずとも通過できるところなのだ。

 雷平で早戸大滝方面とは分かれて、右の原小屋沢へ進む。左岸にしっかり踏み跡があるので、沢には入らず、大岩の滝も離れた場所から写真を撮るだけにした。

大岩の滝
F1 大岩の滝

 右岸に渡って、沢が左に曲がると、雷滝。冬に訪れたときは水量も少なかったが、今回は水量豊富で、豪快に水を落としていた。

雷滝
F2 雷滝

 雷滝は右岸の巻道を登っていく。
 雷滝の上も、しばらくは明瞭な踏み跡があるので、所々で徒渉する以外は、水の中に入らなくても遡行していける。さすがに今の時期、膝上まで水につかると、ちょっと冷たい。釜を持った小滝がいくつか現れるが、濡れそうなところはすべて巻きである。
 しばらくすると、正面から滝を持ってカサギ沢が流れ込む。一見して、本流のように見えるが、左から静かに流れ込んでいる方が本流である。

カサギ沢
カサギ沢出合

 本流を少し登っていくと、すぐに右奥にバケモノ滝が見える。「丹沢の谷110ルート」には、カサギ沢の出合の先で二俣になって、その右俣にバケモノ滝があると書かれているが、これは誤りである。
 バケモノ滝は右岸を巻く。

バケモノ滝
F4 バケモノ滝

 次に、3段20mの滝が現れる。ここは左岸の巻道を使う。「丹沢の谷110ルート」では、15mの懸垂下降が必要と書かれているが、手前右の斜面をひと登りすると、滝の落ち口へトラバースしていく踏み跡があり、左下に滝を見下ろしながら、トラバースしていき、落ち口を越えたところで、テープをつかんで2mほど降りれば高巻き終了である。下の写真では見えないが、上段の滝は2条になっていて、巻道をトラバースすると、滝の全容がよくわかる。

3段20mの滝
F5 (3段20m)

 左岸から滝になって流れ込む沢を見送ると、階段状の滝となる。水が飛沫となって落ちており、それが日の光を浴びて輝いている。この滝は右側から登っていった。

階段状の滝
階段状の滝

 階段状の滝を登ると、すぐに10mの滝が現れる。この滝は、右(左岸)から巻く。

10mの滝
F6 (10m)

 この10mの滝を巻くと、正面にガータゴヤの滝(30m)を迎える。私が一度見たいと思っていた滝である。
 ひとしきり写真を撮った後、左(右岸)から巻いていくことにする。
 「丹沢今昔」にはこの滝の左の一枚岩のクサリ場の写真があるが、このクサリは今も(さすがに全部ではないが)残っており、最後に沢に降りる際も、このクサリを使って降りた。

ガータゴヤの滝
F7 ガータゴヤの滝

 ガータゴヤの滝の上には釜を持った小滝があるが、右岸に設置されたクサリをつかんで、トラバースして登る。これで、原小屋沢の核心部は終わりとなるが、まだまだ水量は豊富で、釜を持った小滝がいくつか続く。
 原小屋平下の水場までたどり着いたところで、のどを潤した。この水場を過ぎると、あっさりと水は涸れたので、靴を履き替える。水の涸れた沢を詰めていくと、最後は縦走路と並行していくようになる。だから、どこかで左手の尾根に登れば縦走路に出たのだろうけど、そのまま真っ直ぐ進んで、姫次まで行ってしまった。(まあ、途中からは完全に姫次目指して歩いていたのだけど。)
 ちょっとくもってきていたけれど、姫次からは富士山が見えた。

檜洞丸と富士山
檜洞丸と富士山(姫次)

 北丹沢はバスの便が少ないのが一番の困りものである。土曜・休日は午前と午後に1本ずつしかバスがないので、絶対乗り遅れないようにしなければならない。
 姫次を出発する時点で、帰りのバスの時間まで1時間半以上あったので、まずはひと安心。あわてる必要なしだ。
 姫次から焼山までは、丹沢では珍しくなだらかな稜線である。なだらかな下りが続くので、快適に走っていった。登山者少ない北丹沢だが、案外歩いている人がいた。
 焼山まで行くと、展望台に登って周囲を見渡す。

宮ヶ瀬湖と仏果山
焼山展望台からの眺め

 焼山から先は、ひたすら下って行くのみである。登山道を駆け下り、林道に出れば、終わりは近い。そして、焼山登山口バス停に到着。
 トイレに行き、バス停前の自販機でビールを買って飲み、しばらくするとバスがやってきた。


 いつもと違ったコースを行くと、いつもと違った花が見られる楽しみがある。だから、ワンパターンは避けて、歩くコースを変えていけば、今の時期、毎回違った花を楽しむことができる。
 今回は、ハルユキノシタ、ヒトリシズカ、キクザキイチゲ、ミツバコンロンソウ、コミヤマカタバミ、ツルシロガネソウ他いろいろな花が見られた。予想以上に多くの花を楽しめた。キクザキイチゲがけっこう咲いていたのがよかった。ヒトリシズカは葉が開ききってしまうとガッカリだが、今回もまだ葉が開きかけたところで、ちょうどいい感じの状態で見られた。

キクザキイチゲ
キクザキイチゲ

 沢を歩くにはまだ早いかと思ったが、そんなことはなかった。さすがに水を浴びながら小滝を登るような気にはなれないし、膝上まで水につかれば冷たかったが、浅いところを歩いていく分にはまったく問題なかった。

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