丹沢では数日前に雪が降っていた。
昨日、見たところでは、大山などもうっすらと白くなっている。
昨年のような大雪になれば、登山靴で行くところだが、中途半端な雪は考え物である。登山靴では足が重くなるし、トレイルラン用のシューズだと濡れやすい。だから、今回もちょっと考えたのだが、まあ大丈夫だろうと思って、トレイルラン用のシューズで行くことにした。念のために軽アイゼンとスパッツ持参である。
本当は別の場所へ行く予定だった。東と西、2つ考えたうちのどちらかへ行こうと思っていたのだが、出遅れたためにどちらへも行き損ねてしまった。
それで、今回は、出遅れたときでもあっさり登れるコースを行くことにした。
なんだか、最初からしょぼい予感のする今回の山登りである。
出遅れたときに向かうのは渋沢である。そして、渋沢駅から大倉行きのバスに乗る。書策新道経由で登ろうかとも思ったが、手っ取り早く登るならやはり大倉尾根となる。富士山はいつ雲に隠されても不思議はないので、今回は手っ取り早い大倉尾根を選択する。
大倉尾根は中腹からうっすらと雪が積もっていた。登りの場合はまずアイゼンを必要とすることはないが、駒止茶屋〜堀山の家で一旦ちょっと下るので、一応滑らないよう注意する。(実際には、ほとんど滑るような雪ではなかったので、サクサク進んでいく。)
一応、上の方には雪があるので、アイゼンを付けている人もけっこういたのだが、まったく雪のない階段をアイゼン付けて下ってくる人たちもいた。アイゼンが石に当たってカリカリ音を立てながら下りてくるので、足下を見るまでもなくそれとわかった。このまま下までアイゼン付けて下りるつもりだろうか? 雪のないところでアイゼンを付けていたら、かえって歩きにくいと思うのだが・・・
大倉尾根を登っていくうちに、富士山には雲がかかってきて、花立に付く頃にはすでに山頂は雲に隠されていた。それでも、振り返れば、相模湾が光っているのがよく見えた。雪のついた表尾根方面もきれいに見える。
大倉尾根でアイゼンが必要になるとしたら、花立から先のヤセ尾根部分である。小さなアップダウンがあるので、凍っていたりすると注意が必要だが、特に問題なく通過していった。そして、鍋割山稜との分岐からひと登りで、塔ノ岳の山頂である。
富士山は雲に隠されてしまっていたが、南アルプスはよく見えた。
風の影響をもろに受けるのが塔ノ岳の山頂だが、今日は風もたいしたことなく、寒さを覚えることもなかった。写真を撮ると、丹沢山へ向かう。
塔ノ岳の北面は、ちょっと傾斜があり、雪もあるので、今回のコースでアイゼンが必要になるとしたら、この部分である。登山道は段が切られているので、さほど歩きにくいところでもないが、注意して下っていく。登山靴のほうが楽に下っていけるのだが、今回はトレイルラン用のシューズなので、多少よけいに注意しなければならない。
一旦下ってしまえば、あとは快適な雪道である。キュッキュと雪を踏みしめながら歩いていく。(今回の雪は全般的にこんな感じの雪だった。)積雪はわずかなもので、靴が埋もれるようなところはないから、スパッツを付ける必要もなかった。日当たりのよいところなど、部分的にはすでに雪が解けてぬかるんでいるところもあった。
富士山にかかっていた雲は次第に取れていき、再びきれいに姿を現してくれた。
丹沢山の山頂も特に寒くはなかった。ここで軽く昼食をとった後、塔ノ岳に戻ることにする。
竜ヶ馬場で写真を撮る。塔ノ岳は逆光となるが、どんな状況下わかってもらえるだろうか。このあたりも真っ白く雪がついているが、積雪は10cm程度だった。塔ノ岳の右遠方には箱根の神山・駒ヶ岳などもよく見えた。
塔ノ岳北面の斜面は下りだとちょっと滑りやすいかもしれないが、登る分にはまったく問題ない。サクサク登って山頂に到着。そして、鍋割山へと向かう。
大倉尾根の下りは、まだぐちゃぐちゃにはなっておらず、一部は木道になっていることもあり、滑る心配はなかった。
鍋割山稜に入っても、積雪の状況は大差なかった。うっすらと積もった快適な雪道である。
鍋割山の山頂は数人の登山者が休憩していたが、3連休の中日の割には静かだったと言える。
鍋割山からの下山路は、6日の時点では雪が積もって滑りやすかったそうだが、その雪もすでに解け、ぐちゃぐちゃになっていることもなく、まずは歩きやすい道だった。