大雪の降った翌週、畦ヶ丸に行ったとき、檜洞丸へ登ればおもしろいのではないかと思っていた。その後も、雪が多そうだから、行きたいなあと思いつつ、なんとなく行けないでいたが、今回ようやく檜洞丸に登ることになった。
西丹沢自然教室行きのバスは、けっこう乗客が多かった。半分は、ウトウト居眠りしていたのだが、今回は途中で降りる人も少なかったようである。丹沢湖でちょっとまとまって降りた人たちがいたが、大野山や不老山へ行く人はいなかったようである。箒沢公園橋で降りた人たちは当然檜洞丸へ登るのだろうから、今日は檜洞丸へ登る人がかなり多かったのではないか。
ツツジコースは、ゴーラ沢を渡り本格的な登りになると、白いものが目につきだす。うっすらと残った雪は凍っているから滑らないように注意しなければならない。登っていくにつれて、雪も多くなり、さくさくと踏みしめていけるようになると歩きやすくなる。下りなら軽アイゼンをつけたほうが歩きやすそうだったが、登る分には問題ない。アイゼンつけずにそのまま登っていく。展望園地からは富士山がきれいに見えた。
木道は、いまだすっぽり雪に埋もれている部分も多く、予想以上に雪が残っているので驚いた。
晴れており、風を受けることもなかったから、案外暖かく、歩いているとけっこう汗をかいた。手袋もはずしてしまったりするほどだった。ロングスパッツをつけていたので、足もちょっと汗ばんで暑苦しかった。登山道の雪はたいしたことなかったので、スパッツもほとんど必要なかったかもしれない。
山頂まで登ると、すかさず犬越路方面に少し下って写真を撮った。富士山には雲がかかり始めていたが、南アルプスや八ヶ岳、奥秩父などはいまだきれいに見えた。
山頂から青ヶ岳山荘のほうに少し下ると、蛭ヶ岳〜塔ノ岳が眺められたが、ちょっと雲が広がり始めていた。天気が良ければ、同角山稜へ向かって写真を撮ろうかと思っていたが、この分だと、もうあまり期待できないかな、と思った。それで、青ヶ岳山荘に入って、のんびり休憩。コーヒーを頼むと、「お代わりは勝手に入れてね」って相変わらずというか何というか……。
檜洞丸から、石棚山稜へ向かう。テシロノ頭〜石棚山は、平坦なコースでのんびり歩くにはちょうどいいところである。下りでは、いつでも軽アイゼンを付けられるように用意しておいたが、結局は使わずじまい。石棚山から西丹沢県民の森へと下っていったが、こちらは南面ということで、雪はところどころに残っている程度。歩く人も少ないコースのようだが、まったく問題なく下っていって、やがて林道に下り、そのまま走って玄倉へ。同角山稜へ行かなかったので、コースは短めだったが、それでも十分に楽しめる檜洞丸だった。
雪のある今は、さすがに西丹沢〜大倉を日帰りでなんて考えることもない。日帰り縦走は、春になるまでおあずけである。
檜洞丸から蛭ヶ岳や塔ノ岳を眺めると、よくもこんなところを日帰りで行ってしまうものだと、他人事のように思うようなコースだが、雪で白くなっているさまを見ると、やっぱり行ってみたいと思わずにいられない。
今回も、最初から日帰りしか考えていなかったが、一泊すれば縦走できてもっと思いっきり楽しめたんだろうなと思うと、たまには泊まりも考えるべきかもしれない。
毎週のようにあちこち歩き回っているし、こういったホームページを作っていると、リンクさせてもらっているサイトの方と知り合いになったりすることもある。だから、山を歩いていて、顔見知りの人に会うということも皆無ではないのだが……。
知らない方から「ポチさん?」と呼びかけられたのは初めてのことである。青ヶ岳山荘ホームページの掲示板で時折お見受けする方だった。とんぼさんなら私の顔を知っているが、他の常連さんにはほとんど知られていないので、よくポチだとわかったものである。