前回のコースなどと比較してしまうと、なんだか気のないコースと思われるかもしれない。実は、当初の予定に丹沢山は入っていなかったのだ。塔ノ岳に登って、鍋割山にも寄らずに下りてしまうとは、随分あっさりとし過ぎてはいないか?
今週末は、天気がぐずつきそうな週間予報だったが、はずしてくれたよ天気予報。なんとか、くもりで、日も差すほど。書策新道は、それとなく某尾根の取り付きの当たりをつけながら、登っていく。書策新道から見える本谷F5は、いつもよりは水量が多そうだった。途中、鉱山跡に寄り道したりしながら、登っていくと、書策新道上部では至る所で、ノイバラが咲いていた。
今の時期、丹沢のあちこちでセミが鳴いている。ヒグラシかなと思ったら、ちょっとちがうような気がする。塔ノ岳近くの低い木から間近にセミの鳴き声が聞こえるので、セミの姿を探してみたら、わりとあっさり見つかった。腹が黄土色っぽい色をしており、ヒグラシとは違うようである。真夏に鳴くコエゾゼミの鳴き声ならわかるが、もちろんこれとは違う。というわけで、家に帰ってから調べたところ、エゾハルゼミだということがわかった。エゾハルゼミの鳴き声は「ミョーキン、ミョーキン、ミョーケケケケケ……」というもので、前半の「ミョーキン」の部分と後半のヒグラシみたいな鳴き声は、違う虫が鳴いているのかと思っていたのだが、実は、これがエゾハルゼミの鳴き声だったわけだ。
当初の予定では、塔ノ岳からあっさりと大倉尾根を下りてしまう予定だったのだが、時間的にも余裕があったので、丹沢山まで足をのばすことにした。
塔ノ岳付近でも咲き始めていたが、丹沢山山頂では、けっこうバイケイソウの花が咲いていた。
今回は、あくまでも大倉尾根を下りることになっていたので、丹沢山でちょっと休憩すると、引き返すことにした。
途中の登山道で、クワガタを見つけた。以前、塔ノ岳でヒメオオクワガタを見つけたことがあるが、今回見つけたクワガタはメスだったので、種類を判別できず。とりあえず写真だけ撮っておくことにした。
塔ノ岳まで戻ると、山頂からは富士山が見えた。今日は、本当にいい方向にはずしてくれた天気予報だった。
大倉尾根を駆け下りていき、雑事場ノ平で分岐を右に進むと、まもなく大倉高原山の家のテン場である。ここにいくつかテントが張られ、見知らぬ人々が……。とはいえ、今日の目的地はここなのだ。初めてというのは、緊張するが、声をかけてみよう。
6月26日、27日の2日間に渡って、「低山山歩」の大倉高原オフ会が開催されていたのだった。この梅雨の真っ最中で、週間予報では傘のマークが取れず、こりゃダメかなとも思われたが、そんな天気予報などなんのその。梅雨空など見事に吹っ飛ばしての開催である。
ホームページを起ち上げた当初は、ホームページを見に来てくれる人がいるということ自体、不思議な感じがしたものだが、それにとどまらず、見ず知らずの方がメールをくれたり、掲示板に書き込みしてくれることにより、ちょっとした交流が生まれた。今回のオフ会では、ネット上で知り合った方々と直接のご対面である。以前はそんなことまったく考えもしなかったが、思わぬ方向で世界が広がってきたような気がする。
それはともかくとして、キノコ汁、焼きそば、ヒレ酒等々おいしゅうございました。いただくだけいただいて、暗くなったら帰ってしまうというのも、遠くから来られた方々には悪いような気もしたが、なにせ私は今回まったく初めてだったので、気が引けてフル参加とまではいかなかった。でも、次回はフル参加したいと思える、いいオフ会だった。
気がつけば、すでに午後7時、名残惜しくも、暗くなり始めた大倉尾根を下っていった。宿泊された方たちは五右衛門風呂に入ったんだろうな……
なお、「丹沢.info」の歩荷もどきさんからは、表尾根界隈の地図には載っていないルートをいろいろと教えていただいたので、きっと秋頃には行ってみることになりそうだ。