本当は、今回は1週お休みしようかと思ったのだ。数日前に、丹沢方面が白くなっているのは確認していたものの、たいした積雪ではなさそうだったし、あまり意欲もわかず、昨日は珍しく家でのんびりとしてしまった。しかし、今日は寒くはなるものの、天気は良さそうだし、眺めもいいかと思って、出かけてみることにした。
今回は、大山から南にのびている長い尾根を秦野から登っていくことにした。弘法山と権現山に登るのは、小学校の遠足以来だから、ほとんど初めてと変わらない。
権現山は随分と広い山頂である。電車に乗っていても見える、ちょっと異様な展望台に登ると、なかなか眺めがよい。大山や表尾根方面も見えるが、富士山や箱根方面のほうが眺めはいいようだ。もっとも、富士山には雲がかかってしまっていたのだが。
「弘法山公園」という名のとおり、権現山から弘法山へといったあたりは、まったくの公園であり、これだけ整備されてしまうと山らしく感じられない。
善波峠から高取山へと向かう。なだらかな道だが、部分的には急登もある。高取山にはけっこう人がいたので、そのまま先へ進む。その後も、ときどき急登を交えて少しずつ登っていくが、本格的な登りになるのは蓑毛越からと言える。
蓑毛から登っていく人はさほど多くないので、他の登山者にはときどきあう程度だが、表参道と合流すると、一気に増える。そして、ヤビツ峠からの道が合わさると、山頂までもう一息。
数日前には、大山もけっこう白くなっていたので、はたしてどの程度雪が残っているかと思ったら、山頂付近にわずかに残っている程度だった。最近はけっこう暖かい日も多いから、雪が降っても溶けるのは早い。
今の時期、けっこう寒暖の差が大きく、昨日はけっこう暖かかったが、今日は一転して冬に逆戻りである。そんなわけで、大山は寒かった。富士山には残念ながら雲がかかっていたが、東丹沢の山並を見渡すことはできた。
大山から見晴台への下りは、ぐちゃぐちゃだったが、それも少しの我慢である。表尾根ほどひどくはない。途中の分岐で不動尻方面へと向かう。普通はこちらのコースは歩く人も少ないのだが、今回はなぜかけっこう大勢いた。どうも同じ方面に下りていきそうな気がしたので、さっさと追い抜いて先に行くことにした。今回は、昨年の夏と同様、地図にないルートを下っていった。地図に載っていないとはいえ、けっこう歩かれているようだから、先ほど追い抜いた集団もこちらにやってきそうな気がしたのだった。
昨年の夏、一度ならず二度までも間違えかけた分岐では、さすがに間違えることはなかった。今回は、日向山へ向かう尾根のほうにいくつも赤テープがつけられており、間違う恐れは少なくなっていた。そして、しばらく下っていくと、またしても分岐があった。昨年の夏には見た覚えがないので、その後つけられたのだろう。大沢分岐と書かれた札が地面にさしてあった。ちょいと気にはなったが、今回は予定どおり日向山へと向かった。
山頂で休憩しているときは寒かったが、下り始めてからは、体も温まって寒くはなくなったのだったが……尾根を下っていくと、ときどき強い風が吹き渡り、またまた寒くなってしまった。本当に今日は冬の寒さだった。
日向山から西に続いているハイキングコースに出る手前でイノシシ2頭と出会った。黒いのがやって来るのを見たとき、最初ちょっとギョッとしたが、特にこちらには関心なかったようで、ちょっと離れたところを小走りに去っていった。とっさのことだったし、カメラを出す暇などもちろんなかった。さらに下っていくと、下の方でやっぱり黒いのが2頭くらい横切っていくのが見えた。この辺にイノシシのすみかでもあるのだろうか。
その後は、とりたてて、どうということもなく、日向山まで行った。日向山の案内板を見ると、先ほど下ってきた尾根はどうやら「梅の木尾根」というらしい。
日向山からは日向薬師へと下っていった。日向薬師の上にある梅園は今が見頃だった。