木曽駒ヶ岳〜空木岳

日付 :2002/10/12-2002/10/13
コース:北御所登山道入口→木曽駒ヶ岳→宝剣岳→檜尾岳→熊沢岳→空木岳→駒ヶ池

 朝一のスーパーあずさは、予想以上に混んでいた。なんとか乗ることはできたが、通勤電車並みに混んでおり、デッキの部分に立っているしかなかった。混んでいたこともあり、気持ちが悪くなったのか倒れる、というかうずくまってしまうおばさんがいたが、大月駅で係員が呼ばれ、横になって休める車両に移動した。
 甲府駅あたりで、ようやくデッキから中へと入っていくことができた。座ることなどできないが、ちょっと落ち着き、茅野でようやく座ることができた。
 岡谷でスーパーあずさを下りて、飯田線に乗り換えたが、こちらは空いていて、余裕で座れた。
 駒ヶ根駅からバスでしらび平へ向かうが、ロープウェイは3時間半待ちということだった。ガイドブックにも2〜3時間待ちになることもあるというのは見ていたが、まさかこんなに待たなければならないとは思わなかった。恐るべき観光地。千畳敷は完全に観光地化してしまっているようである。朝一の特急で来た人はたいしたことはなかったが、もっと早くからバスで来ている人たちが多いようである。
 3時間半待ちと言われたところで、やめて帰るわけにはいかないが、さりとて、これだけ待たされると宝剣山荘に到着するのは4時過ぎになってしまう。明日は空木岳のほうに向かうので、木曽駒ヶ岳の山頂へは今日のうちに行っておかなければならないので、時間的にはあまり余裕がない。
 バスの中で、地図を見て、北御所登山道入口から宝剣山荘までのコースタイムが6時間20分なので、もしかしたらこのほうが早く登れるかもしれないと思い、予定変更。途中の北御所登山道入口でバスを降りた。ここでバスを降りたのは私だけで、他の人たちは当然ロープウェイに乗るのである。

 11時40分、北御所登山道入口を出発。まずは林道歩きである。しばらく歩いていくと、他の登山者のグループにも何組か会った。さすがに私の他にも歩く人たちはいたようである。
 12時11分、蛇腹沢登山口に到着。ここから登山道になる。
 快調に登っていって、12時39分、清水平に到着。コースタイムの半分ぐらいのペースで歩いていた。
 12時55分、五合目うどんや峠に到着。ここでちょっと休憩して、おにぎりを食べた。このあたりからきれいな紅葉が見られた。
 1時4分、うどんや峠を出発。
 1時33分、小屋場に到着。
 さらに登っていくと、やがて森林限界となり、展望が開ける。
 1時57分、七合目舟窪に到着。
 北アルプスなどですでに雪が降ったという話はすでに耳にしていたが、中央アルプスでもやはり降っていたようで、ところどころで雪が少し残っていた。
 八合目あたりまで行くと、宝剣岳が見えてくる。見るからに険しく、本当にこんな山に登れるのかと思うほどである。写真を撮るには光線の向きが悪かった。
 2時51分、宝剣山荘に到着。これまでの登山道は人も少なく静かだったが、乗越浄土は千畳敷から来た人たちでにぎわっていた。
 今回は、宝剣山荘に宿泊の予約をしていたので、受付を済ませて、荷物を置いて木曽駒ヶ岳の山頂へ向かうつもりだった。ところが、今日はたいへん混雑しており、布団1枚に2〜3人になるということで、できれば頂上山荘へ行ってほしいということだった。それで、やむなく頂上山荘へ向かうことにした。
 2時55分、宝剣山荘を出発。
 3時9分、頂上山荘に到着。頂上山荘は2食付きで7500円である。部屋へ行って、荷物を置くと、カメラを持って頂上へ向かうことにした。

 山頂からの展望はなかなかよかった。今回は晴れていたものの霞んでいるのではないかと思ったが、思ったよりもよく見えた。北には槍・穂高、その左に乗鞍岳、さらに左に御嶽、東側は甲斐駒、仙丈、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、悪沢岳、赤石岳など南アルプスの山並みが横たわっており、その上には富士山も顔をのぞかせていた。南アルプスの北側には八ヶ岳が見えた。南側は手前に宝剣岳、先のほうに空木岳などが見えた。ちょっと右手には三ノ沢岳が見えた。
 しばらくは山頂からの眺めを楽しんだ。3000m近い標高だが、晴れていたため暖かく、半袖のTシャツ一枚で寒くはなかった。

宝剣岳と空木岳方面の眺め
宝剣岳(左)と空木岳方面の眺め

 ところで、同室した人たちの中に駒ヶ根から同じバスに乗ってきた人たちがいた。途中の登山口でバスを降りたのが私一人だけだったので、わかったようである。ロープウェイは結局2時間半待たされたということである。バスに乗ったときは3時間半待ちということだったが、それよりは早かったようである。しかし、私はバス停から宝剣山荘まで3時間11分で登ってしまったので、当然ロープウェイを使った人たちよりも早かった。とはいうものの、ロープウェイを使えば簡単に登れるところを、歩いて登っていったので、その疲れが翌日に出ることも考えられた。標高差1500m以上も登ったのだから、それ相応の疲れが残るのは避けられないだろう。


 (2日目)
 午前5時、起床。
 5時40分、頂上山荘を出発。
 ご来光は中岳から見ることにした。

 日の出前に中岳に到着。少し待つと、日の出の時間になった。太陽は甲斐駒ヶ岳と仙丈岳の間から昇ってきた。

日の出
日の出

 宝剣山荘からは、いよいよ宝剣岳のクサリのある難所となる。宝剣山荘から宝剣岳に登って下りてくる人もけっこういるため、すれ違いで待たされることもあったが、あわてず登っていく。実際、たいした問題はなく、怖いと感じるようなこともなかった。
 6時20分、宝剣岳に到着。
 写真を撮ったり、他の人にシャッターを押すのを頼まれたりした後、6時30分、宝剣岳を出発。
 朝は、日の出前ということで、ジャージを着て、その上にレインウェアも着ていたが、歩いていれば寒くないので、まずレインウェアを脱ぎ、ついでジャージも脱いだ。宝剣岳の岩場は普通に歩いていたが、なだらかなところに出て、ジャージを脱ぐと、ペースを上げて歩いていった。
 6時56分、極楽平に到着。

宝剣岳 宝剣岳
宝剣岳

 いいペースで歩いていたし、きついコースではないと思っていたのだが、思ったほどのペースではなかったようである。
 濁沢大峰に到着したのは7時32分だった。
 遅れているかと思ったが、檜尾岳には8時17分に到着しており、それなりのペースでは歩いていた。
 しかし、案外アップダウンがあり、空木岳まではまだまだ遠かったし、それまでにまだかなりのアップダウンが待っていた。途中まで、空木岳がどの山か確認していなかったので、遠くに見える2つの山のうち右側が空木岳ではないかと思ったが、地図で確認してその手前の山が空木岳とわかるとホッとした。
 熊沢岳到着は9時12分だった。やはり昨日、北御所から登った疲れが出てきたようで、ペースが鈍ってきた。ちょっと休憩して、9時16分、出発。
 東川岳には10時14分に到着。なんとかまだそこそこのペースで歩いているようだった。
 東川岳から一気に下って、10時29分、木曽殿越に到着。
 水が少し不足気味だったので、木曽殿山荘でポカリスエットを買った。パンを食べ、ゼリーのドリンクを飲んだ後、空木岳に向かうことにした。
 10時43分、木曽殿越を出発。
 ここから空木岳への登りはけっこうきつかった。もはや完全に疲れが出ていたので、無理せずゆっくりと登っていった。
 空木岳の山頂付近は花崗岩の巨石が点在し、なかなかいい山である。
 11時44分、空木岳に到着。
 山頂から来た道を振り返ると、遠くに木曽駒ヶ岳が見えた。天気は良くて展望もよかった。南を向けば、南駒ヶ岳への稜線が続いている。
 山頂でまたパンを一つ食べた。

空木岳 木曽駒ヶ岳方面の眺め
空木岳(山頂付近)(左)・木曽駒ヶ岳方面の眺め(空木岳から)(右)

 11時55分、空木岳を出発。かなり疲れが出てきていたし、水も十分とはいえなかったが、あとはもう下りだけなので、ちょっと安心。東へ下っていくと、すぐに駒峰ヒュッテである。木曽殿山荘は昨日で営業終わりらしいので、今日は駒峰ヒュッテに泊まる人が多いものと思われた。おそらく空木岳の山頂にいた人の多くが駒峰ヒュッテに泊まるだろうし、このあと木曽駒ヶ岳から縦走してくる人たちはまずまちがいなく駒峰ヒュッテに泊まるだろう。
 駒峰ヒュッテの手前で道が2つに分かれるのだが、ここで右に進んだ。どちらを進んでもコースタイムに大差はないのだが、左を下った方がコースタイムは5分短かったので、ちょっと失敗だった。
 下りとはいうものの、けっこう時間がかかり、ようやく空木岳避難小屋にたどり着いたが、このあと、あろうことか、登山道はちょっと登っていくことになり、疲れた体にはきつかった。
 2つに分かれた登山道の合流点に到着したのは12時39分だった。コースタイムで歩くのがやっとという遅いペースだった。
 これまでほとんど日向を歩いていたのだが、標高の割に日光を浴びると暑かった。しかし、合流点からようやく日陰に入ることができ、涼しくなった。
 とはいうものの、道はまだまだ長かった。ヨナ沢の頭を通過したことに気づかず、しばらくすると、クサリ場の難所になった。どうやらこのあたりが大地獄、小地獄といったところだったようである。難所とはいっても、クサリはしっかりしており、注意して歩く分には特に問題はなかった。
 1時50分、マセナギに到着。空木岳から避難小屋への下りと違って、普通の歩きやすい登山道の下りだったので、いいペースで下っていった。
 その後、また分岐があったが、歩きやすそうな右の道を下っていって、2時9分、池山避難小屋付近の水場に到着。
 水が足りなくなりそうだったが、ここでたっぷり水を補給できて、一安心。
 2時16分、出発。ここでも道は2つに分かれていたが、池山を通る道はしばらく登らなければならず、時間もかかるので、あっさり下る道を進んだ。
 2時33分、タカウチ場に到着。さらに下っていく。
 林道終点まで自動車で来て、散策をしている人もけっこういた。
 2時47分、林道終点に到着。一瞬、これで終わりのような気になるが、まだまだ先は長かった。地図を確認して、登山道を下っていくと、途中、何度か林道を横断した。
 最後に車道に出たところで、車道に沿って歩いていくと駒ヶ池に出るのだが、まちがえて、もう一本先の道まで行ってしまった。しかし、なんとか駒ヶ池にたどり着いた。バス停を探し、たどり着いたのは3時41分だった。当初の予定では9時間ぐらいで行けるのではないかと思っていたが、後半疲れて時間がかかり、木曽駒ヶ岳の頂上山荘を出発してから10時間かかったのだった。

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