富士山

日付 :2002/08/31-2002/09/01
コース:須走口新五合目→本七合目・見晴館(泊)→富士山→須走口新五合目

 1つの山だけを登って下りるよりも縦走するほうが好きだし、観光登山者が圧倒的に多いということもあり、今まで富士山には登ったことがなかったが、やはり1度は登らなければならない山である。シーズン最後なら空いているのではと期待して、登っていくことにした。

 須走口新五合目の標高は2000m近いので、けっこう涼しかった。
 新五合目にあるお店のおばさんは、気圧が低いから体を慣らしていった方がいいよ、などと言っているが、2000mなら北沢峠と変わりないのだし、問題なしである。
 富士山に登る場合、高山病にかからないように注意が必要だが、今日は標高3190mの本七合目泊まりである。南アルプスの北岳や間ノ岳とほぼ同じ高さということで、高山病の心配はなさそうなので、あまり気にせず、登っていくことにした。
 午後2時30分、須走口新五合目を出発。
 始めは樹林の中のコースなので、普段の山登りとさほど変わりない。トリカブトがいっぱい花を咲かせていた。
 3時9分、本五合目に到着。
 低木帯になるが、まだまだ緑がある。
 3時28分、六合目に到着。
 まわりの木が低くなると、木陰はなくなるが、展望はよくなる。晴れていて、富士山に雲はかかっておらず、山頂までよく見えた。振り返れば、眼下には山中湖が見える。その向こうは丹沢だが、丹沢山塊の上には雲がかかっており、残念ながら丹沢の山並みを見ることはできなかった。
 3時59分、七合目に到着。
 砂礫の歩きにくい登山道になり、傾斜もきつくなってくる。
 4時23分、本七合目に到着。
 今日は本七合目の見晴館に宿泊。昭文社の山と高原地図では標高3190mとなっているが、現地の表示は3250m。どっちが正しいんだ?

 見晴館では、河口湖口へ下りるのに、間違えて須走口を下りてきてしまう人たちがいた。吉田口下山道は八合目で須走口下山道と分かれるのだが、案内板を見落として須走方面に下りてしまう人が案外多いようである。
 日が傾いてくると、小屋の前から影富士を見ることができた。山中湖は見えていたが、丹沢には雲がかかってしまっていて残念。標高が高く、風が強かったので、外はけっこう寒くなっていた。

影富士
須走口本七合目から見た影富士

 日が沈むと夜景がきれいだった。丹沢の向こうの方の夜景も見えたので、横浜のほうだろうか。
 富士山の山小屋は7月から8月の2か月間営業というところがほとんどだが、今年は9月1日が日曜日ということで、ほとんどが9月1日まで営業することにしていたようである。
 富士山の登山シーズンも最後ということもあってか、見晴館には、小屋主が関係している団体さんが来ていた。シーズン最後とはいうものの、けっこう富士山に登りに来る人は多かったが、それでもやっぱりシーズン最盛期よりは少ないことも確かなようである。見晴館の場合、最盛期は要予約ということだが、今日は空いているので、予約なしでも泊まれるのだった。
 8時半頃、布団についた。
 外は強風が吹き荒れており、小屋の中にいても風音が聞こえた。はたして、明日は山頂まで登れるのかとちょっと心配になるほどだった。


(2日目)
 山頂でご来光を見ようと、夜明け前に小屋を出発する人が多かった。山頂まで2時間ということで、3時には出発しなければならないので、その前に起きて準備である。朝食はお弁当を用意しておいてくれるので、自分の名前のついたのを持っていくのである。
 2時半過ぎには周囲の人たちが起き始めた。私は頂上まで2時間はかからないだろうと思ったので、周囲の人が起きて準備を始めても、そのまま寝ていた。依然として、外は強い風が吹いていたので、出発したいとも思わなかった。
 帰りのバスは須走口新五合目を12時であり、それ以前にはバスは出ない。山頂でご来光を見れば、下山も早くなり、新五合目で長いことバスを待たなければならない。そういうわけで、結局、ご来光は見晴館の前から見ることにした。

日の出前
日の出前、空が赤く染まる
日の出
日の出

 須走口の登山道からはどこからでもご来光を見ることができるので、無理して登る必要などないのである。
 4時半頃まで寝ていたが、5時過ぎ日の出だと、もう東の空が赤くなっている時間である。
 外に出ると、すでに東の空が赤くなっていた。相変わらず風は強かったが、問題なく登れる程度の風だった。寒いかと思ったが、さほどでもなかった。
 日の出間際よりも30分ぐらい前のほうが空が赤くてきれいだが、写真を撮るにはまだちょっと暗い。三脚を持っていかなかったので、ちょっと残念。
 やがて、雲海の上に太陽が姿を見せた。雲海が広がっていたということは、丹沢は見えなかったということである。

 5時30分、本七合目見晴館を出発。
 砂礫の道は歩きにくく、正面から強風を受けるときはけっこうきつかった。
 5時57分、本八合目に到着。ここで吉田口登山道と合流。
 前半は、わりといいペースで登っていったが、後半、登山者が多くなり、多少ペースは落ちた。歩きにくい道だったし、空気も薄いので、無理せず登っていった。

 6時48分、山頂に到着。
 山頂に着いたといっても、最高点の剣ヶ峯は火口の反対側である。さっそくお鉢めぐりを開始。途中、浅間大社奥宮の前で、腰を下ろして、お弁当のおにぎりを食べた。

剣ヶ峯
剣ヶ峯、左中程に見えるのが虎岩

 お鉢めぐりのコースはだいたいがなだらかなコースだが、剣ヶ峯への登りだけは急な登りだった。
 7時44分、剣ヶ峯に到着。日本の最高点に立った。剣ヶ峯には測候所の建物があり、展望台もあって、そこからは西側の南アルプスの山並みがきれいに見えた。

南アルプス北部の山並みと中央アルプス
南アルプス(塩見岳〜北岳)と左の奥に中央アルプス

 剣ヶ峯から北へ進み、東へ曲がっていくと、右手に万年雪があった。
 そして、久須志神社に戻るとお鉢めぐりは終わり。下山道へ向かう。
 8時18分、下山開始。ブルドーザー道を下っていく。さすがに下りは楽である。
 9時8分、七合目に到着。ちょっと休憩して、9時13分、出発。
 ここからは砂走りとなった。けっこう急な下りで、一歩一歩山を崩しながら下っていくような感じである。靴の中には砂礫が入ってしまうので、ときどき靴を脱がなければならなかった。こういうコースは好きではない。

 ひたすら下っていき、ようやく砂走りが終わると、砂払五合目に到着。9時56分だった。ここでジュースを買って休憩。ここでは顔を洗うこともできるが、当然有料である。まったくいい商売をしているが、実際お金を出して顔を洗っている人は見かけなかった。靴の中は砂礫がいっぱい入ってしまうし、ズボンも砂で白くなってしまうが、もちろんそれだけでなく、顔もかなり黒くなっていた。髪もバサバサである。

砂払五合目からみた富士山
砂払五合目付近から見た富士山

 10時8分、砂払五合目を出発。ここからは緑の中の道となった。
 10時33分、須走口新五合目に到着。
 バスの時間まで1時間以上あったので、ソフトクリームを食べたり、ざるそばを食べたりして過ごしたのだった。

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