10時7分、美濃戸口からスタート。
今回は、当然登山靴を履いていったし、靴下もスポーツ用の厚手のものをはいていった。
美濃戸口から美濃戸山荘までは林道を歩いていくのだが、自動車で来る人たちは美濃戸山荘まで自動車で入ってしまうようである。このコースタイムは1時間だが、その半分のタイムで歩き、10時38分には美濃戸山荘に到着。ここで、休憩している人たちもけっこういたが、そのまま先へ進む。道はここで2つに分かれ、右の南沢コースをたどる。登山道ではあるが、沢に沿ったなだらかな道で、ひたすら行者小屋を目指して歩いていく。この区間のコースタイムは2時間だが、いいペースで歩いていき、11時46分、行者小屋に到着。行者小屋には水場があり、大勢の人が休憩していたが、ここでは地図を確認しただけで、阿弥陀岳へと向かう。
中岳のコルまで登ると、やっぱりここでも大勢の人が休憩していた。ここから阿弥陀岳までは距離は短いが、急な登りである。あとで行く赤岳への登りよりも急な登りだった。クサリのついているところは1か所だけだが、いやな道だった。振り返ると、中岳のコルがほとんど真下のような急角度で見えるから高度感があった。
12時32分、阿弥陀岳に到着。ガスがかかって、何も見えないのが残念。
ちょっと休憩して、12時36分、中岳のコルへ引き返す。登りではジャージを手に持っていたため、登りにくかったため、ジャージを着て両手をしっかり使えるようにして下ることにした。
下り始めたところで、ちょっと晴れてきて、中岳が見えてきたが、赤岳は雲がかかってなかなか見えなかった。しかし、とりあえず、ここで1枚写真を撮った。今回、24枚撮りと36枚撮りのフィルムを1本ずつ持っていったのだが、もしかして24枚撮りでも撮りきれないかもしれないと思い、とりあえず24枚撮りのフィルムを使うことにした。
急坂の場合、登りよりも下りのほうが怖いもので、阿弥陀岳からの下りは、かなりいやな道だったが、実際に下りていって見て、思ったほどでもなかった。
中岳のコルを越えて、中岳へ登ると、少し晴れてきたようで、赤岳を見ることができた。中岳からいったん下って、登りにはいると、次第に傾斜がきつくなってくる。クサリのついているところもあったが、阿弥陀岳の登りほどきつくはなかった。
1時43分、赤岳山頂に到着。稜線の西側は雲が湧いていて、展望は利かなかったが、東側は雲海の上に出ていたので、富士山が見えた。
コースタイムが約6時間のコースであり、当初、美濃戸口到着を11時とみていたので、時間的にちょっと遅くなることも考えられたのだが、予想以上に早く着くことができた。
赤岳頂上小屋は、1泊2食付きで7400円だった。1人で1畳分のスペースとまではいかなかったが、まあそれほど窮屈でもなかった。3人で2畳といったところか。
荷物を置き、カメラを持って、外に出ると、ビールを買って飲んだ。
赤岳は標高2899mということで、ふもとよりも17度くらい気温が低くなるが、晴れていたので、暖かかった。Tシャツとジャージの2枚しか着ていなかったが、特に寒くはなかった。
次第に晴れてきて、横岳のほうも見えてきたのだが、なかなか全部は見えなかった。
部屋の中からも窓越しに富士山が見えた。
小屋で会ったおじさんの話では、頂上のすぐ下あたりでカモシカに会ったということだった。また、頂上でオコジョを見たという人もいたということである。私はどちらも見ることはなかったので残念。特に、カモシカには会ってみたかった。
星がきれいで、天の川も見えるという話を聞き、消灯の少し前に外に出て星を見た。空は晴れて、星がいっぱい見えた。数が多くて、おなじみの星座を探すのがむずかしいほどだった。天の川なのかどうかよくわからなかったが、白っぽいのが空を横切っているのが見えた。
(2日目)
午前5時起床。
外に出ると、雲海がでていたが、蓼科のほうまでしっかり見えていた。とりあえず朝のうちは展望は良さそうである。
朝食は5時40分からだが、日の出の時間も5時40分となっていたので、日の出を写真に撮ることはできないかと思った。
5時半頃から朝食になった。食堂からは東のほうの景色が眺められるので、そこから日の出を見ることもできるのだった。朝食は、早めに食べたら、まだ太陽が昇ってこなかったので、外に出ていくと、なんとか間に合った。
雲海が出ており、太陽が雲の上に出るのに時間がかかっていたのだった。そして、カメラを構えてしばらく待っていると、奥秩父の山の左の方に太陽が昇ってきた。右の方には富士山も見えていた。
阿弥陀岳は赤岳の西側にあるため、まだ日が当たっていなかったが、阿弥陀岳の向こうの雲に赤岳の影が映っていた。
南には権現岳が見え、その向こうには南アルプスの山々が見えていた。右から鋸岳、仙丈岳、甲斐駒ヶ岳と摩利支天、北岳などはっきりと見えていた。昨年、奥秩父に行ったときは霞んでしまって、ほんのかすかにしか見えなかったが、今回はなかなか良かった。
他にも、中央アルプスや北アルプスも見えた。槍・穂高連峰も見ることができた。
24枚撮りのフィルムはあっさりと撮り終わり、36枚撮りのフィルムに撮り始めた。昨日の時点では、フィルム1本撮りきれるかどうかもわからないという状況だったが、晴天にそんな心配も吹き飛んでしまった。
山頂で小さいネズミがちょろちょろしていた。カモシカやオコジョと比べてもしかたがない。赤岳の山頂で暮らしている動物などいないかと思ったら、そうでもないようである。
6時45分、赤岳を出発。当初の予定よりも出発時間が遅かったが、特に気にしない。麦草峠のバスは3時半であり、この時間には十分な余裕があるはずだったからである。
赤岳から急坂を下っていくと、赤岳展望荘に着く。ここを通過すると、横岳への登りとなっていく。横岳にはクサリ場やハシゴなどもあったが、それほど危ないようなところはなかった。
7時44分、横岳の奥ノ院に到着。ところどころで写真を撮りながら歩いていったが、横岳から振り返ると、赤岳〜阿弥陀岳の急峻な稜線が見え、下の方には昨日登ってきた行者小屋も見えた。
7時49分、奥ノ院を出発。
硫黄岳のほうに向かうと、なだらかな道になってくる。硫黄岳山荘のあたり、夏ならコマクサなどの高山植物を見ることができるようだが、さすがに今の時期ではダメである。
なだらかな道を登っていって、8時23分、硫黄岳に到着。広々とした頂上で、展望は良かった。
8時29分、硫黄岳を出発。爆裂火口を右手に見つつ、夏沢峠へ下っていった。
8時51分、夏沢峠に到着。そのまま天狗岳へと向かった。
9時21分、根石岳に到着。
そして、9時39分、東天狗に到着。双耳峰の天狗岳で縦走路が通っているのは東天狗だが、三角点は西天狗にある。東天狗と西天狗は片道15分とたいしたことはないので、往復することにした。
9時44分、東天狗を出発。9時54分、西天狗に到着。西天狗でパンを一つ食べた。
10時2分、西天狗を出発。来た道を下って再び東天狗に登っていくが、山頂までは登らずに左に巻くようにして、縦走路に合流。
10時42分、中山峠に到着。十字路になっており、休憩している人たちがいたが、地図で場所を確認しただけで、先へ進んだ。
11時ちょうど、中山に到着。開けた展望台に出た後、下りが始まった。けっこう石が多く、ちょっと滑りやすかったので、転ばないように注意が必要だった。
やがて高見石小屋に到着。高見石に登ると、白駒池が見えた。高見石にはけっこう大勢人がいたが、登山というよりハイキングに来ている人のほうが多かったようである。(11時50分頃)
高見石小屋からは再び登りとなり、12時10分、丸山に到着。もうお昼なので、パンを食べた。
12時20分、丸山を出発。
12時59分、麦草峠に到着。
登山者というより観光客が大勢いた。観光バスもとまっていた。
茅野駅行きのバスは3時30分ということで、まだ2時間半もあるので、ピタラス横岳ロープウェイの山頂駅まで歩いていくことにした。そのほうがバスの本数が多く、早く帰れると考えたのである。
麦草峠から先も登山道を歩いていくことになったわけだが、さすがに縞枯山には登らず、アップダウンの少ないなだらかな道を歩いていった。
2時11分、ロープウェイの山頂駅に到着。
2時20分、ロープウェイに乗って、下りていった。紅葉がきれいで、ロープウェイを使わずに登山道を歩いて下りていったほうがよかったかとも思ったが、ロープウェイなら約7分だが、歩けば50分かかるのだから仕方がない。歩いていたのでは帰りが遅くなってしまうのだ。
ちなみに、ロープウェイは片道900円だった。往復しても割引はないらしく、けっこう高いものである。
ピタラスロープウェイから2時50分頃のバスに乗って、茅野へ向かった。観光客は多かったが、このバスは空いていた。